そろそろ日本はロシアから石油を買うべきではないか?

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一連のアラブ諸国が、テロを支援したとしてカタールと国交を断絶するというペルシャ湾の危機的状況は、日本にも影響をもたらすものだ。日本は全石油輸入量のうちの約8パーセントと、液化天然ガスの輸入量のうち18パーセントをカタールから輸入している。それだけではなく、戦火の危機にあるアラビア半島は、日本の石油輸入にとって重要な地域なのである。

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カタールは陸路での国境をサウジアラビアとしか接していない。その国境は、2017年の6月初旬に閉じられた。他のアラブ諸国はカタールの航空機が自国の領空を飛行することを禁じた。そのためカタールに残されたのは港だけである。しかし海路は石油や液化ガスの積み出し停止をすれば、容易にブロックすることができてしまう。

日本はおそらく、初めてこのような状況、つまり中東のエネルギー大国が重大な脅威にさらされているという状況に直面している。以前は、戦争も紛争もあったが、石油はタンカーに計画通り積み込まれていた。しかし今では、全ての地域で、状況が大きく変化している。つい最近まで、戦争はイラクやリビア、シリアといった、アラブ世界の外周で起きていた。しかし戦争は、地域的にも、政治的にも、アラブ世界の中心部、つまりは同時にイスラム教徒の世界の中心部に忍び寄っている。2016年、サウジアラビアではカティーフ、ジッダ、また預言者のモスクがあるマディーナでさえもテロが発生した。2014年からシリアとイラクでは、つまりサウジアラビアの北の国境付近で戦争が起きている。また2014年からやはり、サウジアラビア軍が参加している戦争がイエメンで、つまりサウジアラビアの南の国境付近で起きている。

アラビア半島というのは、日本が石油輸入の約75パーセント、液化天然ガスの約24パーセントを依存している地域であるが、現在そこは段階的に、戦火の輪が広がっている場所でもある。中東地域におけるある地域的な武力衝突が、地域全体を巻き込む大きな闘争、つまりは戦争にまで発展してしまうのではないかという予想は、ありえる話であるし、そうなれば石油とガスはいの一番に、敵国を攻撃し、損害を与えるための手段になるだろう。

© 写真 : Ekaterina Bulanova日本の石油輸入相手国
日本の石油輸入相手国 - Sputnik 日本
日本の石油輸入相手国

アラブ首長国連邦のアンワール・ガルガーシュ外務担当国務大臣は、カタールの隣国からの国交断絶は、数年間続くかもしれないという見解を示している。

このことは日本に、国内のエネルギー需要をどう満たしていくかという難しい問題を突きつけることになる。天然ガスに関して言えば、状況はそこまで危機的というわけではない。というのは供給元はマレーシアやインドネシア、オーストラリアなど、複数国にわたっているからだ。しかし石油をめぐる状況は深刻だ。日本には一日に380万バレルの石油が運ばれている。これは年間で1億8千540万トンの計算になる。世界の原油市場を考慮すると、(2016年、1日あたりの販売量は9千440万バレルに及んだ)数字は大きくないように思われる。しかし中東における戦争がコントロール下からはずれ、ペルシャ湾の諸国の国々からの石油輸出がストップしたとすると、世界の市場において1日あたり1200万から1500万バレルがなくなる計算になる。このような規模で石油が足りなくなれば、競争は激しくなり、価格は高騰する。日本を含むと思われる、経済状況が輸入によって左右される国にとってみれば、競争激化と価格上昇は非常に不愉快でストレスを生むファクターとなる。そしてそのような石油高騰時代は数年間続くことになる。なぜならば他の全ての石油輸出国がともに力を合わせて石油を採掘したとしても、この規模のマイナスを埋めることはできないからである。

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これらを鑑みると、疑問がわいてくる。そろそろ真剣に、ロシアから石油を買うことを検討するべき時ではないか?ロシアは海外市場に1日、1108万バレルの石油を送り出しており、原則的に、日本の需要を満たせる状況にある。日本側は石油採掘、輸送パイプ、また例えば新しい石油採掘地域として発展しているヤクーチアのように、陸棚や大陸における採掘ターミナルに投資することができる。長期的な契約は将来的に不安定性のある中東情勢を鑑みれば得かもしれないし、安全かもしれない。海上会戦の場になってしまうかもしれないペルシャ湾とは違って、日本海とオホーツク海ではロシアの太平洋艦隊が、石油供給を妨害しようとする試みを根絶するだろう。

代替手段については事前に考えたほうがよい。もし中東における危機が一層強まれば、それに反応しようとしても、もしかすると時すでに遅し、ということになるかもしれない。

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