03:20 2017年09月27日
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    ロシアのテレビ局の取材を受ける亀井社長

    日建設計・亀井社長「モスクワは都市デザインのやりがいがある街」

    © 写真: Tokuyama Asuka
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    徳山 あすか
    2609112

    モスクワのヴェーデンハー(全ロシア博覧センター)で、第7回モスクワアーバンフォーラムが開幕した。会期は6日から12日まで。今年は人口密集都市の諸問題をテーマに、世界中の著名な建築家や都市設計の専門家たちが討議やプレゼンテーションを行う。

    スプートニク日本

    日本の大手総合設計事務所、日建設計の亀井忠夫代表取締役社長は6日、「ボタニーチェスキー・サード(植物公園駅)」における再開発プロジェクトを視察した後、アーバンフォーラムを訪れた。このプロジェクトは、日建設計が得意とする、公共交通機関に基盤を置いた利便性の高い街づくり(TOD=Transit Oriented Development)の好例としてモスクワで注目を浴びている。日本では駅の近くに住宅や商業施設があるのは当然で、駅ナカという言葉も定着して久しいが、ロシアではそういった概念が非常に希薄だった。今ようやく、人々がその利便性に気付き始めようとしている。

    亀井氏「鉄道に直結し、商業施設等の環境の整った住宅開発はこれからも進んでいくと思います。まだモスクワは渋滞も多く車移動が中心ですが、公共交通機関を中心とする都市に変わっていくべきでしょう。その意味で東京は、世界的に見ても公共交通機関が発達し、それを使うのが当たり前になっていますので、モビリティの快適さがあります」

    モスクワには何度も来たことがあるという亀井社長。街の印象を教えてもらった。

    亀井氏「今までは冬に来ることが多かったので、夏に来ると緑の豊かさを実感します。たくさんのオープンスペースがあって、高層ビルもあまりなく、非常にスケール感がありますね。ただ、そのスケール感のせいもあり、歩きにくい感じがします。一方でスケールの大きさは一つの価値だと思いますので、それを崩さないで、点と点をつないでいくような仕掛けができれば、歩いても楽しい、素晴らしい街になると思います。アーバンデザインとして、やりがいのある街です」

    亀井氏は、東京スカイツリーの設計者としても有名だ。東京スカイツリーは開業5周年を迎え、東京の観光名所としてすっかり定着した。モスクワにも高さ540メートルのオスタンキノタワーというテレビ塔があり、展望台やレストランもあるが、観光地としてのランクは全く違う。老朽化で火事になったり、立地が悪くて景色があまり良くない等の問題に加え、タワーの近くに何もないのである。それでいて入場料はスカイツリーとほぼ同じだ。モスクワにはこのような、観光資源になりきれていない「惜しい」スポットが目白押しである。例えばモスクワ地下鉄には、モザイク画やステンドグラス、シャンデリア、銅像などで飾られ、まるで美術館か舞踏ホールにでもいるような気分になれる美しい駅がたくさんある。しかし車両が古すぎ、けたたましい音を立てて横を通り過ぎていくので、興ざめしてしまう。車内では会話もままならないレベルの轟音が響く。旅行者にとっては、切符の買い方や乗り換え表示もわかりにくい。亀井氏も「少し手を加えれば、もっと公共空間を生かせるのでは」と、モスクワの宝の持ちぐされぶりを指摘する。

    ロシアのテレビ局の取材を受ける亀井社長
    © 写真: Tokuyama Asuka
    ロシアのテレビ局の取材を受ける亀井社長


    現在、ロシアにおける日建設計の活動の中で特に注目されているのが、ウラジオストクのマスタープラン策定だ。これはウラジオストクという都市の将来像を明確にし、その実現に向けた道筋を示すものである。極東への投資を呼び込みたいロシアにとって、ウラジオストクの町全体の魅力と利便性向上は欠かせない。マスタープランは9月の東方経済フォーラムに合わせて公開できるよう、作成が進められている。

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