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    ベドゥグル・タマン(Bedugul Taman)ホテル

    悪霊はどこに潜んでいるのか? 写真で見る、バリ島の山間にある廃墟と化した巨大ホテル 【写真】

    © 写真: Romain Veillon
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    アントン シチコフ
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    デンパサール(バリ島)から北に50キロ、観光地として有名なブラタン湖とブヤン湖の近く、標高およそ1500メートルの場所に、廃墟となったベドゥグル・タマン(Bedugul Taman)ホテルがある。世界中に廃墟は数多くあるが、このホテルは独特の位置と雰囲気を有している。この場所の何がすごいのか、どうして営業していないホテルが世界中から観光客を集めているのか。フランスの写真家ロメイン・ヴェロン(Romain Veillon)氏がスプートニクのインタビューで語ってくれた。

    スプートニク日本

    かつてこの巨大なホテルは並外れた美しさを誇っていたが、現在は人の心を凍てつかせる廃墟と化し、人々が浴することのできなかったかつての贅沢の跡を残すばかりである。ホテルは未完成である。写真を見ると、建設作業は最終段階になって中止されたことが分かる。ホテルが閉鎖された本当の理由は誰にも分からないが、地元住民の間では、これについてさまざまな噂が飛び交っている。

    写真を見ると、建設作業は最終段階になって中止されたことが分かる。
    写真を見ると、建設作業は最終段階になって中止されたことが分かる。

    この不思議な場所の謎を解き明かそうとしたロメイン・ヴェロン氏によると、最大の通説で一番もっともらしいのが、元インドネシア大統領の下の息子、フトモ・マンダラ・プトラ・スハルト(通称「トミー」)がホテルの所有者であったという説である。彼はこの地域で最も豪華なホテルを建設しようとしたが、まもなく巨額の横領が明るみに出始めた。この事件に取り組んだのがシャフィウディン・カルタサスミタ(Syarifuddin Kartasasmita)判事であり、トミー・スハルトに対し、汚職のかどで刑事事件を起こそうとしていた。結果的に、2002年7月、インドネシアの裁判所は、シャフィウディン・カルタサスミタ氏の殺害を組織した罪でトミー・スハルトに首都の刑務所での禁固15年を言い渡した。およそこれと時期を同じくして、クタで大規模なテロが発生し、大統領一家はホテルどころではなくなった。このようにして、巨大ホテルは廃墟好きの観光客にとってのアトラクションと化したのである。

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    ベドゥグル・タマン(Bedugul Taman)ホテル

    とはいえ、他にも信じられないような説や恐ろしい説が存在する。ある人は、所有者は大統領の息子ではなく、穢れた汚職事件が原因で呪われた起業家だったと言う。また別の人が言うには、ホテルは客を受け入れるに至ったのだが、ある夜、この山に住む悪霊の仕業で全員が一夜にして消えてしまったのだという。こうした話はどちらかというと、観光客誘致のための伝説に近いのだが、地元住民の間で口伝いに広まり、ますます新たな尾ひれがついている。ひとつ確実なことは、10年以上も前に廃墟となったホテルは魅惑的な雰囲気を湛えているということだ。

    ロメイン・ヴェロン氏は次のように印象を語ってくれた。「私はこのホテルの中を散策するという稀有な機会に恵まれました。奥に入っていくにしたがって不気味な雰囲気が強くなり、私の散策は段々と恐ろしく、ますます現実から隔離されたものとなっていきました。このホテルの中で実際に何が起こったかは分からないにせよ、私の中の感覚が、あるときここで何かおかしなことが起こったのだと語りかけるようになりました。」

    奥に入っていくにしたがって不気味な雰囲気が強くなり、私の散策は段々と恐ろしく、ますます現実から隔離されたものとなっていきました
    奥に入っていくにしたがって不気味な雰囲気が強くなり、私の散策は段々と恐ろしく、ますます現実から隔離されたものとなっていきました

    ヴェロン氏は次のように付け加えた「私が帰ろうとしていると、わずか数分の間にホテルが霧に包まれました。私はこの機会を逃すまいとして、あと数枚の写真を撮るべく、その場に残りました。しかし、霧は濃くなり、視距離がわずか数歩先にまで縮まったのです。もしかすると、例の悪霊が自分の居場所に戻ってきたのかもしれない。そう思って、悪霊を騒がせないように、その場を離れました。」

    「私が帰ろうとしていると、わずか数分の間にホテルが霧に包まれました」
    「私が帰ろうとしていると、わずか数分の間にホテルが霧に包まれました」

    ロメイン・ヴェロン氏は以前、廃墟となった日本の遊園地、奈良ドリームランドについてスプートニクに語ってくれた。ヴェロン氏は、かつて家族のレクリエーションの場として人気を博し、現在は最後の日々を生きながら廃墟へと変わりゆく遊園地を取材した。ヴェロン氏は自著「Ask The Dust」の中で廃墟を巡る旅について語っている。

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    廃墟, びっくり, インドネシア
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