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    金正恩

    北朝鮮ミサイルプログラムはプレー規則を変えるか?

    © REUTERS/ KCNA
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    タチヤナ フロニ
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    朝鮮民主主義人民共和国のジン・チジョンヘプ代理大使は同国が米国領グアム島への攻撃準備が完了したことを明らかにし、その上でもし米国が思慮のない行動に出た場合、攻撃を行うとする声明を表した。

    スプートニク日本

    8月21日に開始された、10日間に及ぶ米韓合同軍事演習は、北朝鮮には、煽動があった場合、断固として米軍基地に先制攻撃をかける姿勢を表す格好の根拠を与えることとなった。

    北朝鮮の脅迫的なレトリックに世界は慣れてしまったようではあるが、今回掲げられている標的は抽象的なものではなく、グアム島とむしろ具体的だ。北朝鮮はビデオで脅迫をかけ、米国は北朝鮮の攻撃にショックを受けるだろうとまで断言している。

    米国と北朝鮮がそれぞれに描いているのはどうしても一線を越えてはならないレッドラインなのだろうか? それとも不可避な全面対決へ準備しているのだろうか?

    極東研究所、朝鮮調査センターのコンスタンチン・アスモロフ上級研究員はこれについて次のような見解を表している。

    レッドラインはそれぞれがそれぞれの頭で引いているものだ。北朝鮮の悪魔化、神経質なレトリック、威嚇のふっかけあいが行われる中では紛争が起きる確率は強まっている。紛争が起きるきっかけは両国の指導者の悪意ではなくとも、単に誰かにそう思えたという程度の些細な理由でも十分なのだ。

    この状況を専門家らは危惧していないのだろうか?

    たしかに米国は今、選択を迫られているという感はある。いうならば出る燃えかすの少ないほうを選ぶということだ。なぜなら米国はその前にああした声明を出しておきながら国内では戦争は帰結ではないことは理解されているからだ。だが北朝鮮に譲歩することもまた帰結ではない。ところがこの状況はできるだけ早く解決せねばならない。それは時間を置くほうが北朝鮮に利することになるのがはっきりしたからだ。北朝鮮は核ミサイルプログラムでとんでもないブレイクスルーをやってのけた。これは米国が予期していないことだったのだ。」

    今日、多くの専門家が頭を悩ませているのは、北朝鮮がこれをやり遂げるのに誰が手助けをしたのか、という点だ。ウクライナのルートではないか、中国、ロシアが手を貸したのではないかと調べられている。だがどんなにしても事実は変わりない。それは近未来に北朝鮮に、実際、米国に届く大陸間核弾頭弾道ミサイルが出現するということだ。北朝鮮はそうしたミサイルはもう出来ていると語っているが、ロシアはそれは違うはずだと言い、米国では様々に見解が割れている。多少なりとも明確なことはあるだろうか? アスモロフ氏は、はっきりしていることはなく、それが米国の神経を逆なでさせているとして次のように語っている。

    北朝鮮がロサンジェルスを攻撃しうるということは、いずれにせよ、米国には受け入れられることではない。これは完全にラジカルにプレーのあらゆるルールを変えてしまう。北朝鮮が国際社会の目から見て、凌駕する存在ではなかったら、米国にも交渉の余地はあっただろう。だがアジア太平洋地域の地政学的権益のために『北朝鮮の悪童』のイメージを執拗に作り上げたのは米国自身なのだ。

    専門家らの大部分はこれまで北朝鮮は自滅することはないと断言してきた。だからこそ神経質にならねばならないのは北朝鮮のほうであって、米国ではないと。しかも、数日前には人工衛星からの写真によって韓国の専門家らが北朝鮮の核ミサイル軍司令部の位置を特定したという情報まで流された。こうした中で米韓の演習でどういった戦術が練られているのだろうか? アスモロフ氏は次のように語っている。

    演習の第1段階は戦争の起きた後の策定で、第2段階は防衛的なものだ。だがあるレポートで両国は、演習の作業が50-15作戦プランにそったものになるということをうっかり口を滑らせていた。これは北朝鮮への攻撃であり、戦争が起きた結果、それをどう策定するかということだ。原則的には50-15作戦プランが機密扱いされたことはなかった。ただまさに今、この情報は公の目にさらされるようになったのだ。

    北朝鮮指導部の神経を殊更に逆なでしているのはこれではないだろうか? この問いをスプートニクは朝鮮問題の専門家でロシア・アジア戦略センターの所長のゲオルギー・トロラヤ氏にぶつけてみた。

    北朝鮮の威嚇する声明は彼らのプロパガンダのスタイルだが、それでも相手は決まって『仮にこうであれば』という但し書きを入れてくる。これらの威嚇は単に警告であり、事実上は対話への招待状で、何年にもわたって繰り返されてきている。そうはいっても韓国が北朝鮮ミサイル軍の司令部の場所を特定したという情報は、実際には状況の危険度をある程度高めたが。

    トロラヤ氏はこう語る一方で、北朝鮮が急がざるを得ない状況に陥ると危険だという見方をしている。どうしようもない絶望的な状態になり、司令部が破壊される前にミサイルを発射するという事態になった場合のことだ。こういうことで北朝鮮は自殺を急いでいるわけでは決してないが、それでもリスクは存在する。

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