22:32 2020年10月29日
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日本貿易振興機構(ジェトロ)は24日から28日まで、ロシア外食産業海外進出支援ミッションをモスクワとサンクトペテルブルグに派遣している。ミッションには、ロシア進出を検討している外食産業7社から10名が参加。外食産業に特化したミッションのロシア派遣は今回が初となる。

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ロシアでの日本食の人気は堅調で、モスクワだけでも千軒以上の日本食レストランがある。中でも「スシ」はすっかり浸透し、どこででも食べられる普段の料理となった。しかしその質はまちまちだ。日本人が経営する正統派日本料理店もあるが、日本人の目から見てとても日本食とは呼べないような店もある。

これがロシアのスシだ!油で揚げたスシ(中央)と四角いスシ
© Sputnik / Dmitry Chebotaev
これがロシアのスシだ!油で揚げたスシ(中央)と四角いスシ

 

今年1月から日本ビザの取得要件が緩和されたことで、ロシア人訪日旅行者が急増した。彼らは日本で日本食を楽しむ中で、今まで日本食だと思っていたものが、実は(多くの場合)日本食ではなかったことに気付くのである。帰国してから「またあの味が食べたい」と思っても、店がなければどうしようもない。このような需要をふまえれば、日本の外食産業がロシアで展開できる可能井は大いにありそうだ。

ジェトロ・サービス産業課の高橋由篤課長は、「商慣習の違いからくるビジネス上の困難はありますが、それはロシアだけでなく世界のどこにでもあることです。困難な面も含めてロシアなので、リスクを理解してもらった上で、進出するかどうか決めていただく。そのために最大限の情報提供をしたい」と話す。ミッション参加者はカフェ、フードコート、レストラン等の視察に加え、現地のビジネスパートナー候補と交流をし、意見交換を行なった。

ミッション参加者の一人は「ここへ来るまでは、ロシア人は食にコストをかけないのでは?と思っていましたが、全くそんなことはないとわかりました。ロシア人の嗜好性や食文化、コストパフォーマンスの概念には驚かされました。コーヒー店やハンバーガーショップも、質と値段を比べて、大衆店から高級店まで上手く使い分けています。日本ではここまで細分化されていないのではないでしょうか。値段自体が高くても、それに見合った質の良いものであれば買う、というのがロシア人の特徴だと思います」と話した。

ノボシビルスクを中心に数々のチェーン店を展開し、「シベリアのレストラン王」と呼ばれているデニス・イワノフ氏も、ミッション参加者と交流した。自身も日本の大ファンだというイワノフ氏は、日本の外食産業のロシア進出を歓迎している。

イワノフ氏「2000年頃に日本料理が流行り始め、ロシア人が日本料理に抱くイメージと言えば寿司と刺身でした。今では旅行に行く可能性が広がったおかげで、ラーメンやうどんといった麺類が流行っており、ロシアにおける日本料理は次のステップに発展してきました。日本食そのものに対するロシア人の認知度も深まってきたと思います。今後ロシアに進出してくるであろう日本企業は、ライバルではなくパートナーだと考えています。外国でのビジネスは常に難しいものです。別々に動くのでなく、まとめられる部分はまとめて、日本企業と一緒に働いていければ、私たちは日本料理と日本文化を牽引する存在になれるのではないでしょうか。新しい料理法についても知ることができるでしょう」

ミッション参加者のほぼ全員がロシア初訪問。「意外にも、思ったよりずっと発展している」「予想より治安が良い」「道を聞いたら親切に教えてくれた」などの声が聞かれ、ロシアという国に対する印象が好転した人も多かった。ジェトロ・モスクワ事務所の野村邦宏所長は「ゼロがイチになったのは大きいことで、非常に大きな一歩だと思います。お帰りになったらぜひこの体験を周りの方に伝えていただきたい」と話している。

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食べ物, 露日関係, ロシア
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