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    第26回日ロ沿岸市長会議・日ロ沿岸ビジネスフォーラム

    極東シベリア地域の市長ら、新潟を訪問:桜から生ごみまで広がるビジネスチャンス【写真】

    © 写真: Niigata city
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    徳山 あすか
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    8月23日、24日両日、第26回日ロ沿岸市長会議・日ロ沿岸ビジネスフォーラムが新潟市内で開催された。同会議は、日本の日本海側の地域と、ロシアの極東シベリア地域の親善友好と経済協力の深化を図る目的で、1970年から始まり、現在では2年に1度開催されている。

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    経済をテーマにした市長会議では、日ロのビジネスチャンス拡大に向けた各地の様々な取り組みやアイデアが披露された。山形県酒田市は、啓翁桜をハバロフスクに出荷した事例を紹介した。これはロシアで国民の休日になっている3月8日「国際女性の日」をターゲットにしたものだ。ロシアでは、この日に男性が親しい女性に花を贈る習慣があり、一年のうちで最も花が売れている。ロシアには花屋は多いものの、小売されている花の種類は多いとは言えない。啓翁桜は、国際女性の日の定番であるチューリップよりも高値だが、その美しさと珍しさで、いつもと少し違うプレゼントをしたいと考える男性のニーズに合致した。ハバロフスクのみにとどまらず、2016年からはサンクトペテルブルグにも出荷を始めている。

    新潟市とロシア極東との農業分野での協力についても報告がなされた。新潟大学は2014年から、ウスリースクの国立沿海地方農業アカデミーと、遺伝子組み換えではない大豆の試験栽培を協力して行ってきた。日本の技術を用いてロシア極東で大豆が栽培されれば、それを日本に逆輸入するという可能性も大いにある。現在、この大豆を使ってどんな食品に加工するのがよいか、検討が進められている。また、富山市も、現在特産化を進めているエゴマの栽培を通して、ロシアと協力できるのではないかというアイデアを披露した。

    観光交流促進も大きなテーマだ。今年に入りロシア極東から日本への個人旅行者は大幅に増えており、ウラジオストクから成田・関空へ直行便が飛んでいるが、日本海側の都市との直行便はない。ロシア側は、ロシアの大自然を満喫できるエコツーリズム、または工場やダム等を見学する産業ツーリズムに力を入れている。ウラジオストクのカニ祭りのように、ご当地グルメを楽しむ趣向のイベントもある。しかし、極東の魅力が日本人に周知されているとは言いがたい。これらの点をふまえ、共同声明には、航空路や航路の活性化、短期渡航時のビザ取得手続きのさらなる簡素化を両政府に働きかけることなどが盛り込まれた。

    共同声明を採択
    © 写真: Niigata city
    共同声明を採択

    ロシアから参加した市長たちは、会議後に新潟県内の視察を行なった。野菜の温室栽培施設を訪れた一行はトマトやきゅうりを試食し、その味に大満足。ロシア極東における冬季の野菜供給は中国からの輸入に頼りきっているため、日本の技術を用いた温室栽培は関心が高い。例えばハバロフスクの経済特区にある合弁企業「JGCエバーグリーン」のトマトやきゅうりは、中国産とはまったく違う味で高い評価を得ており、市場に浸透している。

    温室栽培の野菜を試食
    © 写真: Niigata city
    温室栽培の野菜を試食

    視察先の中で最もロシア人の関心を集めたのは「生ごみバイオガス発電センター」だ。長岡市ではかつて、燃えるごみは全て焼却処分しており、多くのエネルギーを費やしていた。2013年7月から稼働した生ごみバイオガス発電センターは、1日65トンもの生ごみを処理することができ、全国でも最大規模。廃棄物系バイオマス利活用の導入システムの一例として、国内外から注目されている。市長や企業関係者からは「どれくらいのコストがかかるのか」「市民に分別の意識づけをするにはどうすればよいか」など質問が飛んだ。ロシアではごみ処理は深刻な問題になっており、どの市も頭を悩ませている。

    日ロ沿岸市長会事務局長を務めた新潟市国際課の岩渕武紀課長は、「日ロ関係が盛り上がってきている今の時期に、ロシアの皆様をお迎えして新潟で会議を開催できたことが嬉しい」と話している。次回の会議は2年後、カムチャッカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキー市で開催される。

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    経済協力, 経済, 露日関係, 日本
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