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    トランプ大統領は北朝鮮問題で「腰抜け」に成り下がるのか?なぜトランプ大統領は中国に脅しをかけないほうがいいのか?

    トランプ大統領は北朝鮮問題で「腰抜け」に成り下がるのか?なぜトランプ大統領は中国に脅しをかけないほうがいいのか?

    © AP Photo/ Ahn Young-joon
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    タチヤナ フロニ
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    北朝鮮はあらゆる脅威にも関わらず、トランプ米大統領を恐れてはいない。トランプ大統領は「腰抜け」に成り下がるのだろうか?

    スプートニク日本

    これはもはやレトリック的な問題ではない。朝鮮半島情勢は政治家や専門家が核兵器を用いた戦争の可能性について話し始めるレベルにまで緊迫した。トランプ大統領は、手厳しい措置を講じる方向に傾いていることを示した。そして北朝鮮の核の虚勢にあきあきし、北朝鮮への先制攻撃は現実のシナリオであると世界に向けて主張している。
    ロシアの政治学者たちは、トランプ大統領の性格特性に基づき、地域で軍事紛争が起こる可能性を推測した。

    政治学者で雑誌「世界政治の中のロシア」の編集長のフョードル・ルキヤノフ氏は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の最近の行動について、実際にトランプ大統領を朝鮮半島の紛争が破局的エスカレーションに陥る方向へ行動させる可能性があるとの見方を示し、次のように語っている-

    「今、世界のリーダーとしての米国のレトリックは少し控えめになった。だがトランプ大統領は米国がある種の『世界のボス』であることに反対してはいない。そのボスとは、もしそれが自分にとって利益があったり、あるいは脅威である場合には、好きなことを好きな場所で行うことができるというものだ。そのため金正恩氏が何度もデモンストレーションし、脅迫は機能せず、トランプ大統領を新たな行動へ挑発していることは、実際に危険なものとなるだろう。なぜなら権威を失ったり、評判を落とさないために、遅かれ早かれトランプ大統領は自分の脅迫を実現しなければならなくなるからだ。トランプ大統領は、オバマ前大統領がシリアでレッドラインを引いたものの、その後攻撃を拒否したことを常に強烈に批判した。トランプ氏にとって言ったことを実行しないのはまったく容認できないことなのだ。なぜならトランプ大統領は誰かに腰抜けだと思われることを非常に懸念しているからだ」。

    一方、トランプ大統領が激怒すればするほど、彼は腰抜けとなり、客観的に有権者の評価が下がる。すると大統領としての人気も下がる。したがってトランプ氏の衝動的で感情的な性格を考慮した場合、状況がより危険になる恐れがある。

    一方、ロシア人政治学者のゲヴォルク・ミルザヤン氏は、たとえ面目を失ったとしてもトランプ大統領が北朝鮮を攻撃することはないと考えている。ミルザヤン氏は、トランプ大統領には単にそれが許されないからだと述べ、次のように語っているー

    「全員がゲームのルールを理解している。誰も戦争を始めたいとは思っていない。なぜならそれは北朝鮮の完全なる消滅を意味するものとなるからだ。トランプ大統領の激しいレトリックは、ある程度は米国の断固とした行動となって現れるだろう。これは部分的にはむしろ良いことだ。だが一方で、すべてを計算することはできない。先に米国のマケイン上院議員が述べたように、言葉に責任を持たなければならない。北朝鮮問題の論理は、金正恩氏が米国のあらゆる行動や脅迫に対抗しており、毎回その対応の度合いが高まっていることにある。この意味においてトランプ大統領のレトリックは完全に非生産的だ。そのため恐らく双方は、最終的に核戦争に陥ることがないように、紛争の瀬戸際でバランスを取り続けるだろう」。

    北朝鮮のミサイルが遠くへ飛ぶようになればなるほど、直接的な軍事行動が始まる可能性は高まる。明かなのは、ロサンゼルスが北朝鮮のミサイル・核攻撃を受ける可能性があるという脅威の下で暮らしたいと思う米国人は、恐らくいないということだ。米国は、北朝鮮側の完全な軍備撤廃を望んでいるため、ただちに対話のテーブルに着くことを拒否している。ミルザヤン氏は、残された道は一つ、秘密外交しかないとの考えを示している。

    朝鮮の専門家ゲオルギー・トロラヤ氏も、他に道はないとの見方を示し、次のように語っている-

    「北朝鮮に対する米国の限定攻撃は何の問題の解決にもならない。北朝鮮のミサイル・核兵器の一掃は、北朝鮮自体も一緒に破壊することによってのみ可能となるからだ。すなわち、軍事的解決策は存在しない。そのような策がとられた場合、地域のすべての人に対してあまりにも大きな代償を負う可能性がある。残っているのは対話と、なんらかの妥協を見つける機会のみだ。北朝鮮のアバンチュールと暴力的な手段で南北朝鮮を統一する試みを排除した、新たな安全保障システムをつくることだ。制裁の効果に期待するのは不可能であるため、米国は遅かれ早かれ話し合いで合意することになるだろう。たとえ制裁で苦しんでいたとしても、北朝鮮には赤いボタンを押す力はある。またこのボタンがある場所までたどり着くために必要なだけのガソリンもある」。

    なお米国は、中国が北朝鮮に更なる圧力をかけることを望んでいる。だが中国は自国の可能性は非常に限られていると説明している。これは、北朝鮮が中国で開催のBRICS首脳会議の直前に地下核実験を行い、中国の顔に泥を塗ったことでも明かだ。一方、専門家らは、感情的なトランプ大統領は戦いで負けることには慣れていないと指摘している。いずれにせよ、経済的な戦いでは!

    トランプ大統領は、北朝鮮とビジネスをする全ての国との貿易を停止すると脅している。だがルキヤノフ氏は、北朝鮮に対する必然的な攻撃の脅威と同じように、中国との貿易停止による最終的な結果も十分に計算されていないとの見方を示し、次のように語っている-

    「米中の貿易量は非常に多く、相互依存度は極めて深い。その米国がどうやって中国との経済協力をやめるのかを見るのは、非常に興味深いものとなるだろう。これを中国経済のみならず、米国そのものの経済も崩壊させずに行うのは不可能だ。一方、トランプ氏の発言は偶然なされたものではない。そこには中国との関係の性質を根本的に変えるという同氏の大事な目標が反映されているからだ。実際のところ過去25年から30年で現代世界の『グローバリゼーションの骨格』を形成したこの依存度の低下を達成することだ。トランプ大統領には、このモデルを変更する必要があるとの深い確信がある。なぜならこのモデルで得をするのは中国だけだからだ。だが自国の経済を崩壊させることによってこの目的を達成することが、トランプ氏の偉大な成果となり、大統領の支持率アップにつながることは恐らくないだろう」。

    一方、北朝鮮は、それが意図的か否かにかかわらず、この件で、中国から可能なメリットをすべて奪い取るというトランプ大統領の重要な課題を実現するための手段となり始めている。トランプ大統領は、米国が再び偉大な国となるのを夢見ているが、中国と朝鮮問題がその助けになることは恐らくないだろう。専門家らは、平和に関しても、経済的利益に関しても、必然的に交渉のテーブルに着いて合意することになるだろうとの見方を示している。

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    ドナルド・トランプ, 北朝鮮, 米国
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