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    金正恩

    今度は石油禁輸 金正恩氏物ともしないか?

    © REUTERS/ KCNA
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    ドミトリー ヴェルホトゥロフ
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    9月3日、朝鮮民主主義人民共和国の核実験が実行された後、米韓は北朝鮮に対する経済封鎖を強化し、国連安保理で同国向けの石油輸出の全面禁止についての決議を行うことを決めた。韓国マスコミの報道ではこれをトランプ米大統領と文韓大統領の両首脳は電話会談で合意している。

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    国連安保理会議ではこの決議案をめぐって、かなり激しい議論が展開されたようだ。決議案を支持する者たちは北朝鮮向けの石油輸出が全面的に禁止されれば、同国は核ミサイルプログラムを退けざるを得ないだろうと予測している。だが私の見立てではおそらくそううまくは運ばない。ではなぜそうはいかないのだろうか。

    まず北朝鮮貿易省の評価では同国の石油備蓄量は600-900億バレル。こうした評価については鵜呑みするには値しないとされているものの、それでも数値にはそれなりの根拠がある。1992年から北朝鮮では一連の企業によって地球物理学調査が実施されてきた。ビーチ・ペトリウム NL、タウルス・ペトリウムAB、プスピタ・エマス Sdn. Bhd. といった企業が行った調査では北朝鮮の地殻には将来性の大きな油田、ガス田があることが確証づけられた。1998年、英国企業のSOCO インターナショナルplc,は地球物理学調査のためにボーリングを行った。ボーリング設備は北朝鮮がかつてルーマニアから輸入したかなりの年代物ものだったが、旧弊な設備にもかかわらず4300メートルの深さを掘ることができた。2004年、アミネックス社が日本海の大陸棚を調査した時は、40億から50億バレルの石油が埋蔵していることが裏付けられている。この時期、モンゴルの HBOil 社もまたピョンヤンより南の地区で地球物理学調査と22か所のボーリング調査を行っていたが、その大半で日量平均75バレルの石油が採掘できた。というわけで北朝鮮には油田もガス田もあるという話は本当なのだ。

    第2に北朝鮮で作業を行っていた企業のほとんど全部が長期契約を結んでおり、その内容も探査に限らず、採掘も含んでいたという点だ。ただしボーリングですぐに石油、ないしはガスが出たとしても契約は様々な理由で破棄され、外国企業は実質は国外へ追い出されていた。推測するに北朝鮮指導部は外国企業を利用して最もリスクの高い部分の探査を行わせていたのだろう。地質構造上、石油の埋蔵が確認されれば、そのあとは自力で探査を行ってもそう大した困難にはぶつからないからだ。

    第3に何の理由でか、北朝鮮にはボーリング機械がないと思われていた。だがSOCO インターナショナルの例を見れば、そうではないことはわかる。北朝鮮にはすでにソ連製ないしはルーマニア製の1991年まで購入していた数機のボーリング機械はあったのだ。 これらの機器は深さ4千から4千5百メートルまでは掘ることができる。ところが石油の層というのはほとんどが深さ5千から6千メートルのあたりに埋蔵されている。つまり北朝鮮には石油の埋蔵されている層まで達しうるボーリング孔のサンプルはすでにあったことになるのだ。

    北朝鮮は機械生産が発達しているため、ルーマニア製のボーリング機器をコピーないし、刷新してパワーアップしたり、その部品、部材を作るのは朝飯前で、例えば戦車工場などもボーリング機器などは簡単に作ってしまう。1990年代開発の戦車「暴風号(コードネームM-2002)」なども部材の生産は自前できる設備をもっている。北朝鮮にとって石油はミサイルや核兵器と同じくらい重要だ。なぜならば石油なしに軍隊は戦えない以上、指導部も石油に注意を払わないわけにはいかない。

    私の見解では北朝鮮はすでに自国の油田で採掘を行っていると思う。(最もその可能性が高いのはモンゴルの企業が2001年から2002年に掘った油井だろう。)1か所の油井で日量75バレルであれば年間では2万7千バレルを超す。こうした油井が仮に10か所あれば、それだけで年間27万バレル(3万7800トン)が確保できる。これは最低量だが、それでもひょっとすると北朝鮮の石油採掘量はもっと多いかもしれない。いずれにせよ、石油供給を全面的に禁じたところで、北朝鮮指導部が被る被害は石油採掘に必要な技術的、経済的なリソースをすべてあきらめざるを得ないくらいのものだ。1年ないしは1年半という極めて短期間にある程度のつきがまわってくれば、北朝鮮は必要なだけの石油を自国内で確保することになる。そうなれば金正恩氏にはトランプ氏や彼のかます制裁などカエルの面に水となるだろう。

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    経済, 制裁, 金正恩, 北朝鮮
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