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    国際パラリンピック委員会のクレーブン会長

    ロシア人パラリンピストに対する不健全なアプローチ 国際パラリンピック委員会はなぜ約束を破ったのか?

    © AFP 2017/ Leon Neal
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    タチヤナ フロニ
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    国際パラリンピック委員会(IPC)はアブダビでの執行委員会の資格回復審査の結果、ロシア・パラリンピック委員会の国際大会への参加を拒否した。2018年平昌冬季パラリンピック開幕まであと半年という時点でロシア人選手らはまたしても複雑な状況の囚われの身になってしまった。

    スプートニク日本

    世界のスポーツ界の役人らの下す決定はますますロシア人を標的にしたものになっている。そもそも米国は禁止薬物使用では堂々たる大国だ。これが顕著に表れているのは、今年1月1日から現時点までの間に行われたドーピングテストで米国人プロ選手の73人に陽性反応が出ている事実。これは国際的な組織の「MPCC(信頼ある自転車競技のための運動)」の公式サイトに発表されている。

    ところがスポーツ界では誰もこの件を国際的なスキャンダルとして取り上げはしなかった。ドーピングテストで使用禁止薬の服用が暴かれた選手も資格停止プロセスを通過して、何事もなかったかのように競技に復活している。ところがロシア人だけが、ドーピングと一切関係ないにもかかわらず、汚名を背負うあらゆる「チャンス」を手にしているのだ。

    こうした差別的傾向があるにもかかわらずロシア・パラリンピック委員会はIPCの要求を細心の注意を傾けて実行した。ところがIPCのほうはロシア・パラリンピック委員会に対して約束したことを事実上果たしていない。

    ロシア・パラリンピック委員会オレグ・スモリン会長はスプートニクからのインタビューに状況と見解を次のように語っている。

    「IPCはロシア・パラリンピック委員会にほぼ実行不可能な条件をたくさん突き付けてきました。ところがこれをロシア・パラリンピック委員会はなんとほぼ全部、実行してみせたのです。できなかったのはたった2点で、これはロシア・パラリンピック委員会だけの尽力ではできない要項でした。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格回復はロシア・パラリンピック委員会の範疇ではありません。それにマクレーンレポートが国に認められたことです。ロシア・パラリンピック委員会は国家ではありません。国家として何かを認めることは不可能です。この他にも、ヴャチェスラフ・フィトソフ氏率いる国家会議(ロシア下院)の議員らとIPCとの会談の席で我々には、IPCはロシア・パラリンピック委員会に前向きに対処し、ロシア人パラリンピストらが平昌で出場できるよう、ロシアのために補足的に割り当てを開こうと言われていたのです。ところが今や話が全く違うのです。」

    では一体どんな話になったのかというと、バイアスロン、クロスカントリースキー、スノーボードの数種は平昌パラリンピックに向けた予選に出場が可能となったが、条件として中立的立場での出場のみで、しかもこれからの6カ月間、どんな予選でも最低2度はドーピング検査の義務が課された。

    ところが難しいことに、大半の選抜競技はすでに終了してしまっている。ロシア・パラリンピック委員会オレグ・スモリン会長は次のように語っている。

    「割り当てのほぼ大半がすでに決められてしまっています。このため中立的立場での出場が許可されたとしてもこうした条件でロシア人選手の出場ははたして可能かどうかわからない。最後まで読めない状況だ。しかもロシア人選手の全員が全員、中立的立場での出場を行う構えというわけではありません。サッカー競技の脳性麻痺のロシアパラリンピック代表団は過去にも国際大会で中立的立場での出場を拒否しています。この代表団は幾度も世界チャンピオンの座を獲得してきた強豪です。ロシア人選手らがそれぞれどういった決定を取るかはまだわかりません。ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は11月までには資格を回復するでしょう。そうなればロシア・パラリンピック委員会も資格を回復します。それでも選手らの競技参加が間に合うかどうかはわかりません。」

    国際パラリンピック委員会(IPC)の決定をどう思うか?

    「はっきりいって、これは完全に政治です。それから私の認識ではこれはヨーロッパ的な価値観すべてに違反した行為です。つまり人権侵害です。なぜなら証明もされていない一国の罪を個々のスポーツ選手に着せてはならないからです。仮にその国が事実罪を犯したことが証明されたとしても、IPCの側からは、たとえばロシア・パラリンピック委員会の指導部の交代など、別の条件が示されるほうが理にかなっているでしょう。私はドーピングについて一切をあずかり知りませんが、それでもそうなれば自分のポストを捨てる所存です。指導部の地位を捨てることでロシア人選手らがパラリンピックに出場できるのであれば。ところが対話の条件として突き付けられたことといえば、IPCの考えでは国が悪い、だから個々のロシア人スポーツ選手らも、ドーピングとの関わりを一切持たないにもかかわらず、その罪を負えというものでした。」

    それでも望みはまだ残されている。平昌パラリンピック組織委員会のヒ・ボムリ会長は、ロシア人パラリンピストらが出場できるよう全力を尽くすと断言している。だが多くのロシア人選手はパラリンピックに出場が叶ったとしても、平昌出場をかけてはるか先を行くライバルらに追いつくために莫大な尽力を要されることになる。

    ロシア人選手らは必ずやこれを行おうとするだろう。IPCが出場のチャンスさえ与えるのであれば。スポーツ界の健全な雰囲気のために。

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    スキャンダル, スポーツ, 五輪, ロシア
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