23:48 2021年04月16日
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9月21日、モダンホラーの巨匠である米国の小説家スティーブン・キングが70歳を迎えた。その間キングは55作の小説と9冊の短編集を世に送り出した。ホラーは依然として文学ヒエラルキーの中において周縁的なジャンルだと認識されているが、キング自身はホラーを「重要で必要な文学」だと考えている。キングはホラーを書くことで、偏執狂も自然災害も、悪魔でさえ恐れないよう読者を教える。

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スティーブン・キングは、現代の最も成功した作家の1人。その才能は処女長編『キャリー』(1974)の出版後すぐに話題になった。続く40年余りでキングは、1度も失敗したことがないように思われる。まさにキングのおかげで「メガセラー」、つまり特に驚異的な発行部数を誇るベストセラーという考えが生まれたのだ。

ジャーナリストがキングに最もしつこく問う質問はおそらく、キング自身の恐怖に関する質問だろう。キングは次のように多くの答えを出している。それは死への恐怖(「私たちが死ぬ時に私達に起こること」)であったり、変革や異邦人、混沌への恐れだ。「私はある意味で例外なしに全てを恐れる」とキングはまとめる。

自身の研究的な作品『死の舞踏』(1981)でキングは恐怖の本質を説明している。それは政治プロセスと緊密に関係しているとして、社会の緊張が高まり、政治経済的情勢が複雑になるほど、この気運を反映する芸術作品がより多く生まれるとの見方を示している。

キングの作品の主人公は米国の一般市民で、国家官僚や技術的進歩に抵抗する。彼らは多くの点で、読者のような存在なのだ。読者は作中に、彼ら自身を動揺させるものを見つける。それは社会問題や現代の生活への風刺、子供の恐怖と集団的な恐怖だ。
キングの作品ではヴァンパイアが平凡な米国の田舎町に生き(『呪われた町』1975)、UFOが森で偶然見つかり(『トミーノッカーズ』1987)、自動車でひき逃げた罰としてどんどんと痩せていくようロマ(ジプシー)に呪いをかけられる可能性もあるのだ(『痩せゆく男』1984)。

とはいえキングの作品の研究者らは、キングの最良の部分は伝統的な「ホラー」よりも心理的な色合いが強い作品にあると見ている。『デッド・ゾーン』(1979)や『グリーンマイル』(1996)はおそらくサイコスリラーと言えるだろう。

スティーブン・キングはまた、映画史上最高作品の1つと認められる『ショーシャンクの空に』の原作の中編小説『刑務所のリタ・ヘイワース』の作者でもある。

2011年にはキングのSF小説『11/22/63』が大反響を呼んだ。同書では米国の第35代大統領ジョン・F・ケネディの暗殺を防ごうと過去へと旅立つ者の話が語られる。

キングについてのこうした情報は、ネットで簡単に見つけられる。さて、キングが2歳のとき父は蒸発、どこにお父さんは行ったのかという当然の質問に母が、父は火星人にさらわれたのだと答えたことは秘密ではない。キングはまた少年時代、友達が列車に轢かれて死んだ様子も目撃した。生活環境と時代、小さな少年の感じやすさの組合せと作家としての才能が組み合わさり、私たちに天才的な作家を贈った。キングのあらゆる恐ろしいものや神秘的なものへの愛を上回るのはキングの人道主義と、悪とは抵抗する必要がある挑戦である、という信念だけだ。

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映画, 文学, 米国
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