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    エンジン車はマンモスと同じ運命を辿るのか?

    © AFP 2017/ Robyn Beck
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    リュドミラ サーキャン
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    世界の自動車市場は今や、専門家が「電気革命」と呼ぶ大きな転換期を迎えている。国際エネルギー機関(IEA)によると、2016年の世界における電気自動車(EV)販売台数は200万台となった。もちろん、これは世界中で生産される乗用車の販売台数8800万台の1%にも満たない数字だ。しかし数年後にはEVの市場シェアは4割に達するだろうとの専門家予想を経済誌フォーブスが引用している。

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    「電気革命」は各国政府が自ら主導し進めているものだ。ノルウェーでは2025年までに内燃機関を搭載した自動車の販売を禁止する方針で、同様の政策をドイツとインドでは2030年までに、フランスと英国は2040年までに導入することをそれぞれ予定している。現在の世界自動車市場の3分の1を占め、大気汚染を懸念する中国政府もEVへの転換を積極的に支持している。中国のEV販売台数は既に米国を抜き、登録車両は80万台を超える。

    一方のロシアでは、今のところEVへの需要はまだ低く、量産を行う工場もない。だがノヴァク・エネルギー相は、2020年までの国内EV販売台数は20万台を超える可能性があると予想する。その「突破口」は国家の推進政策によって開くつもりで、具体的な政策内容が9月末の経済発展および統合に関する政府委員会の会議で検討される予定となっている。ロシア国内で初めてEVの販売とメンテナンスを開始した会社の経営者ワシーリィ・パノヴィツィン氏は、国内のEV低需要の主な理由として「高い車体価格、充電スタンドのインフラ未発達、消費者の従来燃料への馴染み」の3点を挙げる。その半面、EV購入者の9割がエンジン車に戻ろうとは考えなくなるそうだ。同氏は「将来のことはわからないが、もしかすると数十年後には化石燃料自動車が、現代において押しボタン式電話機が辿った運命と同じく、マンモスのような本物の『化石』になり果てるのを目にする日が来るのかもしれない。EVはまだ発展初期段階にあり、今後の市場では高成長が見込まれる。この分野の開発速度はかなり早いため、蓄電池生産の技術革新によって走行距離の拡大や車体料金の大幅な低価格化が実現できるだろう」と予想。そして「ロシアの未来をエネルギー保全システムの新技術開発の中に見出せるとは、多くのアナリストも主張していることだ」と締めくくった。

    沿海地方では2018年春、EV工場「プロメテウス」の建設が始まる。これはロシア企業「スモトリ」と日本の荒井商事による共同事業だ。「プロメテウス」工場ではEVをゼロから生産するのではなく、日本製の中古軽自動車に電動機を搭載してEVに改造する事業を行う。エンジン車をEVに変える大量改造技術は確立しているため、事業費用は高くつかないという。沿海地方では110万台の車両が登録されており、このうちの約9割が日本から輸入された中古車だ。「プロメテウス」の敷地も折良く中古車処理工場に隣接している。

    ロシア商工会議所が実施したアンケートでは、EVが手頃な価格となり、充電スタンド数が従来のガソリンスタンド以上になるのであれば、多くのロシア人がEVに乗り換えても良いと回答している。この意味では、日本の例に倣うことができるだろう。日本では2016年に充電スタンドが4万カ所に達し、ガソリン給油所の3万5千カ所を超えた。今年は更にその数を伸ばしているだろう。この数字にはもちろん、一般利用を通常目的とはしない各家庭の充電設備も含まれている。だがいずれにせよ、これは日本がEVへの転換を進めていることを示すデータである。

    ロシア環境投資センターのミハイル・ユルキン所長は、EVに人類の未来がかかっていると主張する。「EV用充電スタンドのエネルギーを太陽光から直接得るというアイデアには、感銘を受けるばかりだ。米テスラ社がこの方向を目指しており、実現すれば、EVは環境的にとって完全にクリーンな輸送手段となる。たとえ実現しなくても、EVが自然に及ぼす害はガソリン車に比べるとかなり低減され、それはすなわち人間にとっても害が少なくなるということだ。EVはより便利で経済的、そして環境にも優しく、これに乗るのはスタイリッシュで格好良いこと。一方、ガソリン車を選ぶのは馬鹿者だけだ」とユルキン所長は持論を展開する。

    統計サイト大手のStatistaによると、2018年のEV生産台数は日本で約95万台、ドイツ37万台、米国26万8千台、フランス7万4千台が予定されている。EVのベストセラー車種は現在のところテスラ社のモデルSが首位、これに日産リーフ、中国BYDオート(比亜迪汽車)のTang(唐)が続く。

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