00:46 2019年10月21日
労働

佐戸未知さんの死 日本は過労死を克服できるのか?

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NHKの女性記者だった佐戸未知さん(当時31歳)は過労死による心不全で、2013年の時点で亡くなっていた。これを取り上げた英「ガーディアン」紙は、この悲劇は5年も前に起きていたにもかかわらず、日本の過労死をめぐる状況は未だに十分現実的で重要性を失っていないと書いている。

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日本は過労死についての特別統計がとられている、世界でも稀な国となっている。死にいたる主な原因はストレスを背景にした脳梗塞または心筋梗塞。死亡した佐戸さんは当時、都知事選を担当していて1カ月の残業時間は159時間に達し、休みも2日しかなかったことが明らかになっている。一日の労働時間は平均で12時間にも及んでいた。投票結果が出た三日後、佐戸さんは自宅マンションで手に電話を握った状態で遺体で発見された。

現時点でNHKは労働を組織する上で問題があったことを認めた。先日、やはり女性社員が過労で自殺した電通も、過労死にいたる実態の深刻さを認識し、 夜10時にはビル全体の照明をオフにして、社員が残業ができない体制をとることを決めた。電通がこの措置をとったのも、常時時間外勤務を強いられていた高橋まつりさん(当時24歳)の死が背中を押したからだった。高橋さんはビルの4階から飛び降りて亡くなった。事件後に行われた捜査の中で、電通では同じような事件がすでに繰り返されていた実態が明るみにされた。

ロシア経済高等学校附属実践心理学研究所のグーリャ・バザロヴァ所長は、以前、スプートニクからのインタビューのなかで、過労の問題は今のロシアでも深刻になっているとして、次のように語っていた。

働きすぎは今の社会ではすでに依存症に姿を変えました。プライベートな生活や家族にかける時間はますます短くなっています。日本のあの女性はなぜ窓から飛び降りたのでしょうか? 私にはその理由ははっきりわかります。それは生きる意味を失ったからです。自分の全人生を仕事だけにかけてしまう人には、こうした診断はつきものなのです。

過労死、燃え尽き症候群のリスクが特に高まるのはその人がルーティーン作業を行っていた場合だとされているが、佐戸さんは、ジャーナリストというクリエイティブな職種についていた。この事実はどんな職種の人間も文字通り燃え尽きることはあることを物語っている。だが実際の救いも薬も実は我々の手の内にある。それは「休む」という行為を軽視しないということ。健康な社員こそビジネスにおける最も信頼度の高い投資であることを、今、どうやら世界の大企業も理解しはじめているようだ。

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