04:46 2018年06月26日
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なぜ米国は沖縄で空軍力を増強しているのか

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ドミトリー ヴェルホトゥロフ
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2017年10月24日、沖縄県の米軍嘉手納基地に12機のF-35Aが約300人の関連要員とともに配備されることが報道された。今回配備される部隊が所属している第34戦闘飛行隊は米ユタ州のヒル空軍基地に拠点を置いている。F-35Aの嘉手納基地への配備は、報道と同時に公式に確認され、嘉手納基地の公式ウェブサイトにもその情報が掲載された。

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米太平洋空軍のオショネシー司令官は、F-35Aの戦闘能力を非常に高く評価し、「F-35Aには現在の、そして新たな脅威に対し、地球規模で精密攻撃を加えられるかつてない能力があり、我々の制空戦闘能力を補完するものとなる」と述べている。

嘉手納基地は、海兵隊のF-35Bが配備されている山口県の岩国基地に続き、日本国内で米軍が最新鋭機を配備する2番目の空軍基地となる。

「F-35A」は、米国の最新鋭戦闘機「F-35」シリーズのうち最も広く運用されている派生型で、米空軍と同盟諸国向けに開発された。垂直離着陸能力を備え航空母艦やワスプ級強襲揚陸艦に搭載できる「F-35B」とは異なり、F-35Aは地上の飛行場を必要とする。F-35Aは戦闘機であるだけでなく攻撃機としての性能も備え、精密攻撃が可能な巡航ミサイル「AGM-158 JASSM(ジャアズム)」や精密誘導能力を付加する装置「JDAM(ジェイダム)」が取り付けられた最大重量910キロの自由落下爆弾、その他さまざまな種類のミサイルや爆弾を搭載でき、さらにロシアの機種区分で言えば「襲撃機」としての能力も持ち、タングステンを弾芯に用いた徹甲弾を発射できる軽量発展型の「GAU-12」機関砲を装備し、強硬な装甲を持つ地上の目標を破壊することができる。別の言い方をすれば、このような航空機は制空権を確保するだけでなく、味方の地上軍に十分な空からの支援を提供できるのだ。

第34戦闘飛行隊に所属する部隊の移転は、もちろん、朝鮮半島情勢の緊張と関連しており、このことをオショネシー司令官も隠そうとはしていない。航空戦力の集中は、米国の軍事戦略における作戦準備において主要な方針の一つである。例えば、1991年1月から2月にかけての湾岸戦争では複数の陸上基地と空母6隻から出撃した1千機を超える航空機による強力な空爆をイラク各地で実施した。2003年3月開戦のイラク戦争でも、軍事作戦はバグダッド、モスル、キルクークでの空爆から始まった。2001年10月開始のアフガニスタンにおける「不朽の自由」作戦では、当時のタリバン政権の軍事施設に対し戦略爆撃機による空爆を実施した。この時使われた「B-1B」、「B-2」、「B-52」の同型機は、ここ数カ月にわたって数多く行われてきた朝鮮半島周辺での軍事演習にも参加している。

つまり、F-35Aの嘉手納基地への移転は、もともと計画されていた軍備と関連要員のローテーション配備--声明ではこの部隊は6カ月の予定で配備するとされている--としてだけではなく、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する軍事作戦に向けた準備の一環ともなり得るのだ。

ただその場合でも、嘉手納基地はF-35Aにとって一時的な配備先である可能性が高い。なぜならここからでは、F-35Aが軍事作戦において空中給油なしで飛行できる距離である半径1080キロでは、韓国の大田(テジョン)までしか届かないからである。もし岩国基地に移転すれば、北朝鮮の領土をすべてカバーできる。そのため現在、北朝鮮指導部を威嚇するための軍事力の単なる誇示ではなく、軍事作戦が準備されているとすれば、F-35Aは岩国基地--現在ここに配備されている海兵隊のF-35Bは軍事行動の際は日本海に展開する強襲揚陸艦から発進するとみられている--か、あるいは韓国のいずれかの大規模な空港にさらに移転しなければならない。F-35Aを受け入れることのできる韓国の空港は、主要な空軍基地7カ所と軍民共用の飛行場4カ所のあわせて11カ所ある。

以上のことから、今回決まったF-35Aの嘉手納基地配備は、通常のローテーション配備でも訓練のためでもなく、まさに軍事作戦への参加を目的としたものであることが十分に考えられるのである。

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武器・兵器, 日本, 沖縄, 米国
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