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    F-35戦闘機

    米大統領 アジアの軍拡競争を煽る

    © AP Photo/ Rick Bowmer
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    日本と韓国は米国の最新兵器の購入にこれから数十億ドルを費やすことになる。トランプ氏はこの両国に最新の戦略兵器をうまく売りつけた。しかもその際、これで米国のパートナー国らは北朝鮮の隣りにあっても安心しきっていられるだけの兵器をいつでも米国から買い付けることができると太鼓判を押した。

    スプートニク日本

    日本で話に及んだのは第5世代爆撃戦闘機F-35A、弾道弾迎撃ミサイルRIM-161スタンダード・ミサイル3、イージス艦の搭載システム。この他日本はイージス弾道ミサイル防衛システムの購入も検討している。安倍首相は質、量ともに防衛能力の強化は必須と力説している。

    一方、韓国ではトランプ氏は文大統領に原子力潜水艦、ハイテクの諜報手段など最新鋭の武器の売買を取り付けた。専門家は、今や韓国は軍事ポテンシャル強化で2つのシリアスな一歩を踏み出す能力を得たことに注目した。その1つとは原子力潜水艦を保有し、世界の海洋で自国の戦略的国益を表すことのできる国に仲間入りしたこと。現在、そうした原潜クラブに名を連ねているのはロシア、米国、英国、仏、中国。2歩目弾道ミサイル弾頭の重量制限を解いたことで、これによってミサイルの射程距離が拡大される。制限が課されたのは朝鮮戦争後にさかのぼる。これはミサイルポテンシャルを抑制し、地域安全保障を維持するためだった。

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    © AP Photo/ Mindaugas Kulbis
    スプートニクが意見調査を行った専門家らは、これをアジアの軍備競争の続きであり、緊張緩和を促すものでは全くないと指摘している。

    朝鮮半島問題の専門家で中国の遼寧社会科学院のリュー・チャオ氏は米国がアジアのパートナー国と結んだ合意は危険な方向へアジアの背中を押していくとの見方を示し、次のように語っている。

    「朝鮮半島の平和と安定を保証する手段は唯一、地域の軍事バランスをとるしかない。このバランスが崩れれば簡単に紛争を招いてしまう。にもかかわらず米国は全力をかけて日韓に兵器を売りつけようとしている。

    トランプ氏が実業世界から大統領の座に就き、政策でも商業的なアプローチに頼ることが多いのは明白だ。だがその際に彼には北朝鮮というファクターが大いに役立っている。

    米韓軍事同盟についていえば、以前はこれは朝鮮半島の戦争勃発を未然に防ぐものだった。ところが韓国の軍備拡張がとどまらない限り、安全保障問題は朝鮮半島の境界線をはるかに超えてしまう恐れがある。特にこれはTHAADに関係し、THAADのレーダー、諜報上のポテンシャルはすでに中国、ロシアの戦略的国益を損ねており、アジア諸国にも警戒感を呼んでいる。」

    世界武器取引分析センターのイーゴリ・コロトチェンコ所長は、日本と韓国に米国のMDが配備されることで中国がロシアと組んで対抗策に出る可能性も除外できないとして次のように語っている。

    米国は宇宙での戦争を準備している?
    © Depositphotos/ Andrey Armyagov
    「米国は北朝鮮というファクターを日韓にあらゆる武器を売りつける手段に使っている。だがこの地域にさらにもうひとつ米国の戦略MDをポジショニングする地区を作るため、米国がこれを意図的に行っているのではないかという推測もある。

    中国とロシアは政治、軍事レベルでTHAAD展開で生じる影響を調べている。今のところの反応は政治レベルにとどまっているが、中国の核の伸長、特に可動式複合体や潜水艦に展開される弾道ミサイルといった軍事的なリアクションが続いてくる可能性は歴然としている。」

    ロシア政府付属金融大学、政治学科のゲヴォルグ・ミルザヤン助教授は、トランプ氏のアジア歴訪が行われている間は北朝鮮に対する脅迫的なレトリックは著しくトーンダウンしたと指摘し、次のように語っている。

    「 トランプ氏は自国の連合国にはこうしたレトリックは効果のないものに思えるだけでなく、非生産的に映ることがわかったのだ。

    日韓は北朝鮮のミサイル煽動に共通の憂慮を抱えており、トランプ氏が北の指導者をいらだたせようとしても実際は何の役にもたっていない。トランプ氏の感情的な声明は米連合国を心配させるだけで、彼らはトランプ氏も金正恩氏と同じようなトラブルメーカーだと思い始めている。

    このためトランプ氏は北朝鮮へのアプローチを多少なりとも修正し、外交的な方向へ向ける必要に迫られた。だがその際に、将来の米国製武器の供給も推し進めたのだ。」

    専門家らは米国サイドによる日韓のたゆまぬ軍拡で両国自体が脅威の源になりかねないと指摘している。これは北朝鮮というファクターだけでなく、アジア太平洋諸国間の領土論争を考慮するとなおさらだ。

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