露日投資基金、2017年に初の投資を完了

© Sputnik / Aleksey NikolskyiRDIFのキリル・ドミートリエフ総裁
RDIFのキリル・ドミートリエフ総裁 - Sputnik 日本
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露日投資基金は、ロシア直接投資基金(RDIF)と日本の国際協力銀行(JBIC)が今年9月に創設の合意に署名したばかりの基金だが、すでに初の投資案件について発表した。RDIFのキリル・ドミートリエフ総裁は共同基金の活発な投資活動の開始を歓迎し、基金の活動が露日間の投資や貿易経済協力を強固にするだけでなく、技術移転や将来性の高い日本市場へのロシア企業の進出を促進することへ期待を寄せた。

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発表されたのはロシアの石油パイプライン会社「トランスネフチ」と医療分野への投資プロジェクト。スプートニクのインタビューに対し、RDIFのタギル・シトデコフ副総裁は、「これは成功の第一弾に過ぎない」として次のように述べた。

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魅力的な投資案件を共同で探すための基金創設は、RDIFとJBIC間で2016年12月に調印した覚書の枠組みで決定した。その時に協力のポテンシャルのある分野も決まった。その分野とはエネルギー、医療、先端的で環境に優しい技術、スマートタウン、農業、そしてロシア極東の輸出基盤の拡張だ。基金は9月に創設され、今年すでに最初の結果が出た。何よりもそれは、ロシアで採掘した石油のおよそ85%と、生産した石油製品の最大26%を輸送する『トランスネフチ』だ。同社はパイプラインの設備と技術分野で最先端の日本の成果を用い、日本にとって重要なロシアの原油供給を独自のシステムで行っている。これに加えて露日投資基金は、三井物産とともにロシアの大手製薬会社ないし販売代理店『R-ファーム社』に投資する取引をまとめるプロセスにあると発表した。取引成立は今年中だと見られる。

露日基金のトランスネフチへの投資金額は挙げられなかったが、ロシアエネルギー省のアレクセイ・テクスレル第1次官は以前、金額が1億5000万ドル(約169億円)になる可能性があると指摘。トランスネフチには、「東シベリアー太平洋」ガスパイプラインシステムの最終地点である有限会社「トランスネフチーポート・コズミノ」(コズミノ港)という子会社がある。ロシア沿海地方にあるコズミノ港は、ガスパイプラインや鉄道で輸送された石油を石油タンカーに積載するための港。主な輸出先は日本や中国、韓国で、他にも北東アジアや東南アジア諸国に輸出される。

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トランスネフチのイーゴリ・デミン広報担当はスプートニクに、同社株式購入に満足だとして次のように述べた。

大型投資家として基金は、株式を自由市場で購入したが、これは優先株式であり、議決権付株式は全て国家の手の中にあると当社に伝えた。当社にとってこの購入は何よりも、イメージ的な重みを与える。株式の金額が伸びることを日本側は期待しているのではないか。これには根拠がある。2008年からの過去10年でトランスネフチの株式は10倍以上に成長した。もし当社が信用され、当社の株式が購入されている場合、当社を銀行市場で信頼のおける貸し手だと考えることができる。そのため、今回の投資は喜ばしいもので、時価総額のさらなる成長への期待を与える。

もう一つの取引については、今年春にすでに三井物産がロシアの製薬会社「R-ファーム」の株式を10%取得する方向だと発表されていた。「R-ファーム」はロシア大手製薬会社で、医薬品製造のためのサプリメントや化学的原料メーカー。2013年から「R-ファーム」は日本側と共同で研究プロジェクトを進めている。三井物産は近年、製薬ビジネスでのプレゼンスを拡大するため全世界で活発に投資している。露日投資基金による「R-ファーム」への投資金額は明らかではない。「R-ファーム」は「基金が社のどれほどの割合を取得するかについての協議はまだ続いている」とスプートニク特派員に伝えた。

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