ロシアの郵便局で日本製品を試験販売:コスメやお寿司の消しゴムが人気

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今月7日から15日まで、モスクワ市内の中央郵便局で、日用品や食品など日本製品28品目が試験販売されている。これは総務省の協力により日本郵便とロシア郵便が行なっているパイロットプロジェクトで、関係者は「Eコマース発展のきっかけにし、将来的にロシア郵便を通じた日本製品の本格販売につなげたい」と意気込んでいる。

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2016年12月、総務省とロシア通信マスコミ省は、ICT分野及び郵便分野における協力について覚書を交わし、同時に日本郵便とロシア郵便も「輸送効率化」「日露間の越境Eコマースの可能性」「郵便輸送技術のベストプラクティスの共有」の3分野で協力することで合意した。今回の試験販売はEコマースの可能性をさぐる消費者ニーズ調査も兼ねており、品目の選定や価格設定など、日露間で数か月にわたり実務協議を重ねてきた。

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ロシアの郵便局における日本製品の第一回試験販売は、今年11月8日から15日まで、ロシア南西部の都市ヴォロネジで行なわれた。その結果、最初の2日間でシャンプー、フェイシャルマスク、お寿司の形をした消しゴムなどが完売した。

日本郵便で今回のパイロットプロジェクトを担当する国際事業部担当部長の田畑浩氏は、ヴォロネジの試験販売に立ち会った。

田畑氏「ヴォロネジでは、果汁100%のりんごジュースをリピートしてくださった方や、日本のテレビ番組を見て日本食に興味をもち、ラーメンを買ってくださった方もいました。お寿司消しゴム6種類を全種類購入された方もいました。このプロジェクトは日本を知ってもらえる機会でもあるので、ロシア側が要望したコスメ用品だけでなく、江戸切子や風呂敷などの日本をプロモーションできる商品も揃えました」

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筆者はモスクワの試験販売を見学に訪れてみた。ロシアの場合、小包や書留は基本的に自ら郵便局に出向いて取りに行く必要があるので、平日の昼間でも人出は多い。棚には、お寿司消しゴムから江戸切子のグラスまで、様々な品目・価格帯のものが置かれている。プレゼントに最適なお寿司の形をしたタオルセットや、日本を感じさせる手ぬぐい、和紙のレターセットなどもある。保湿性の高いティッシュなどの日用品もある。

椿油のシャンプーとコンディショナーを購入した女性は「郵便局で日本製品が買えると友人に聞いたので、シャンプーを目当てに来ました」と話してくれた。やはり日本の日用品は根強い人気があり、フェイシャルマスクはすっかり品薄になっていた。スタッフによれば最も売れているのは、洗顔フォームだという。りんごジュースに興味をもつ人も多かったが、280mlというサイズはロシア人にとって小さかったようだ。

ロシア郵便のイネッサ・ガラクチオノワ副社長は「ヴォロネジにおける日本製品の販売は、ロシア人が日本の製品を信頼しているということを証明しました。私たちはモスクワにおいても、日本側が提供した商品が市民に高く評価される、と確信をもっています」と話している。

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© 写真 : Russian post日露友好を願って手紙を書くガラクチオノワ副社長(右)と総務省の青木勇司氏(中央)
日露友好を願って手紙を書くガラクチオノワ副社長(右)と総務省の青木勇司氏(中央) - Sputnik 日本
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日露友好を願って手紙を書くガラクチオノワ副社長(右)と総務省の青木勇司氏(中央)
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日露友好を願って手紙を書くガラクチオノワ副社長(右)と総務省の青木勇司氏(中央)

ロシア郵便はここ数年、商業分野に特に力を入れている。切手やポストカードだけでなく、生活必需品の対面販売や、カタログ販売も行なっている。国土の広いロシアでは、通常のネットショッピングが不便な地域もあり、郵便局が買い物のためのインフラになっているのである。

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ロシア郵便の広報担当セルゲイ・コリャダ氏は「ロシア郵便はどんなに遠くて小さな村にも多様で面白い商品を届けられるように、郵便網を利用して遠隔販売を発展させます。対面販売もカタログ販売も、毎年売り上げが増えています」と話す。また、国全体で活字メディアの販売が落ち込む中、郵便局を通した新聞・雑誌の定期購読件数は増えており、「町の郵便局」の営業力があなどれないことを示している。

本業の手紙や小包の配達においても、日本企業の協力により精度とスピード感が向上している。モスクワ国際郵便交換局では、2014年末から東芝によって郵便物仕分けソーター、X線装置などの税関機器、コンベアー等が導入されてきた。特に交換局内で税関手続きができるようになったことで、大幅に利便性が向上。オペレーション・システムの改善は現在も続いている。今後、ロシア郵便における日本の存在感はいっそう高まりそうだ。

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