23:01 2018年12月16日
北朝鮮

朝鮮半島危機 今年のまとめ

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ドミトリー ヴェルホトゥロフ
2017年の話題を総括 (23)
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2017年は朝鮮半島とその諸隣国で、最も緊張状態が強まり、軍事衝突の方向に進んだ年となった。11月に大陸間弾道ミサイル「火星15」を発射し、北朝鮮は戦略兵器の進歩を見せつけた。発射を受け、米国はより矛盾した声明を出し、日本は北朝鮮の脅威への対決姿勢を軍事介入に至るまで強め、韓国はどうやら困惑しているようだ。北朝鮮に対する各国の対応はどう変わったか?2017年、危機からの脱出への道筋はどのようなものが提案されたか?スプートニクは今年の情勢を振り返る。

スプートニク日本

2017年、北朝鮮は3発の大陸間弾道ミサイルを発射。最後のミサイルは通常より高い角度で打ち出され、最高高度は4000メートルを大きく超えた。53分でミサイルは1000キロメートル飛翔し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

一部の専門家は、ミサイルを通常の角度で発射した場合の飛距離は1万3000キロを超えると見る。

つまり、ミサイルはワシントン、ニューヨークなど米国の諸都市に到達可能。北朝鮮は大型核弾頭を搭載可能な「火星15」の試験発射が成功だったとして、米国の全領土がミサイルの範囲内にあるとする声明を出した。北朝鮮は現在、より強力なミサイル・エンジンの開発、新たなミサイル潜水艦の建造、少なくとも2機の人工衛星打ち上げプログラムの策定に取り組んでいる。

しかし宇宙政策研究所の科学チーフ、イヴァン・モイセーエフ氏はスプートニクのインタビューで、北朝鮮の核戦力の状態を過大評価しなかった。

「核戦力の状態については、総じて核戦力の形成について話す水準には達していない。彼らは実際よりも強調して自慢している。ある程度現実的な威力を達成するには、あと10年は必要だ。」

米日韓は一方、1年を通して陸海空軍の参加した軍事演習を行ってきた。

2017年11月初頭時点のデータによると、26界の演習が実施され、うち8回は海上演習、10回は空軍の演習、3回はミサイル発射を伴った。12月はじめ、韓国に最新鋭戦闘機「F-22」の飛行隊が投入され、230機の機体が参加する大型空軍演習に参加した。今年初の演習参加となった「ロナルド・レーガン」や「セオドア・ルーズベルト」、「ニミッツ」といった複数の空母も参加。演習へのこうした戦力の集中はいままで無かったもので、昨年に比べ珍しいほど高い活発度を見せた。この演習で用いられた兵器の内訳は、可能性のある、もしくは将来に起こる戦争のシナリオが訓練された。

これに加え、日本では自衛隊による、米国で開発されたLCAC-1級エア・クッション型揚陸艇を用いた上陸訓練と山岳部へ進む訓練が行われた。これは、自衛隊もまた北朝鮮に対する軍事作戦へ参加する準備を整えていることを示すのかもしれない。これに加えて、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入に向けて日本政府は今年度補正予算案に追加計上した。

ロシアの反応については、ロシア安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記は「全てが政治・外交的方法で解決」されるようロシアは関心を抱いていると述べた。一方、状況の進展についてあらゆる可能性を考慮し、準備しているとして、パトルシェフ氏は次のように述べた。

「北朝鮮をめぐる情勢の軍事的発展は我々にとって驚くことではないだろう。」

北朝鮮に対する制裁強化や濃密な軍事的準備は2017年、話合いと外交を背景に追いやった。しかし各国は純粋に防衛目的だと主張する。一方ティラーソン米国務長官が12日、北朝鮮との対話の用意について言及したことは、専門家と世界を大きく困惑させた。ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センターの主任研究員、コンスタンチン・アスモロフ氏はスプートニクのインタビューに対し、米国が当惑しているという見方を示した。

「米国は非常に混乱した状況の中でさまざまな方法を吟味しながらアメとムチの政策を使い始めたように思われる。」

核兵器を有し、隣国に打撃を与えられる国同士の戦争は、勝者の出ない可能性がある最悪の選択肢だと関係国がはっきりと理解したと信じたい。しかし歴史が示すところ、戦争は偶然を含む大量のファクターによって引き起こされかねない。敵が最大限の戦闘準備に到達したとき、実際の戦闘行為がはじめるリスクはそれまでにないほど高くなる。

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ミサイル, 日本, 北朝鮮, 韓国, 米国, ロシア
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