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    恐れるシンガポール、茫とする台湾・・・東南アジアの「今年の漢字」

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    中国大陸、台湾、マレーシア、そしてシンガポールで「今年の漢字」が選ばれた。中国では「享」、台湾では「茫」、マレーシアでは「路」、シンガポールでは「恐」が選ばれた。漢字の体系だけでなく、共通の人種的・文化的伝統によっても結びついている隣同士の国々が、世界をそれぞれこれほど異なる形で見ているのは何故なのだろうか。このテーマについて、「スプートニク」はロシアの著名な中国研究者らに話を聞いた。

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    中国大陸での選択については、ちょうど今年、特にはっきりと現れてきた現象「共享経済」によって説明できる。「共享経済」は、住宅、自動車、駐車場、設備、道具、知識、能力といった資源の共同利用に基づいている。科学技術の発展や、インターネットとSNSの普及が共享経済の発展を加速させ、同時に環境問題や経済危機が動機となって、共通の経済的恩恵を互いに分かち合って利用することに人々自身を駆り立てることになった。欧米でも同じような現象が現れ、その最も顕著な例となったのが、スマートフォンを使った配車サービス「Uber(ウーバー)」と宿泊施設提供サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」である。

    しかし、主に住宅や、自動車や自転車といった交通手段に関して、世界中でこのビジネスモデルが制限を受ける中、中国ではこのビジネスモデルが2、3年で信じがたい規模にまで拡大した。現在では自転車も、傘も、携帯電話の充電器も、バスケットボールも借りることができる。

    中国国家情報センター(国家信息中心)によると、今後7年間中国の共享経済は年平均40%で成長し、2020年までには国内総生産(GDP)に占める割合が10%になる。この背景のもとでは、今年の漢字として「享」が選ばれたことは完全に論理的に見える。

    一方、台湾は今年、そんなに運がよくなかった。経済は不況に陥っている。このことが「茫」という漢字が選ばれる理由にもなったと、モスクワ大学アジア・アフリカ研究所のアンドレイ・カルネーエフ副所長は考えている。

    「台湾に関して言うと、近年あまりダイナミックには発展していない。経済は単に一カ所で足踏みしていただけだ。問題は全ての台湾人が、せめて何とかして経済を停滞から脱出させるためには、腕まくりして絶えず根気よく働かなければならないということだ」。

    マレーシアはというと、はるかに大きな楽観主義をもって未来を見据えている。この国では今、正真正銘のインフラ建設ブームが巻き起こっている。マレーシアは、中国が主導する「一帯一路」構想を支持している。地元政府によれば、インフラ建設を進めるためには、これが正しい路線だという。そのため、マレーシアにとって今年の漢字は「路」なのだと、戦略開発センターのアントン・ツヴェトフ氏は説明している。

    「マレーシアのナジブ首相は、何よりもまずインフラに対する中国からの投資の誘致に期待している。ナジブ氏は中国が主導する『一帯一路』構想について熱意に満ちている。首相は選挙に向けて準備しており、複数の中国企業が大金をつぎ込む用意のあるこれらのプロジェクトに対し期待をかけている。そのようにしてナジブ氏は、今後このインフラが建設される地域の地方有権者を引き付けることを望んでいるのだ」。

    それでは、今年の漢字に「恐」を選んだシンガポールは、いったい何をそんなに恐れているのだろうか。ツヴェトフ氏によれば、この国はテロリズムを恐れており、これには根拠があるという。

    「テロリズムは、シンガポールの安全保障に対する大きな脅威だ。その理由は何よりもまずシンガポールが、ピンポイント攻撃によって経済に対し簡単に損失を与えることのできる非常に小さな国家だからだ。以前、別々のテロ組織がリゾートホテル『マリーナベイ・サンズ』とシンガポール証券取引所に攻撃を加えようと計画していたことが明らかになった。これらの攻撃は、仮に実行されていたとしても小規模なものだった可能性があるが、それでも安全保障に影響を及ぼし経済を破壊するためには十分だっただろう」。

    ツヴェトフ氏の話では、テロを前にシンガポールが抱く恐怖は、恐らく少し誇張されたものだが、それと同時に根拠がないものではない。労働移民の過激化プロセスが発生しており、多くのシンガポール人がシリアで「ダーイシュ(IS、イスラム国)」側で戦っている。そしてシンガポールは、ダーイシュと戦っている有志連合の一員なのだ。そのため、この国もまたテロ攻撃の危険にさらされており、イスラム過激派の敵国リストに入っている。

    ところで日本では、2017年を象徴する漢字に選ばれたのは「北」だった。

    朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は今年、国連安全保障理事会による禁止に違反して、ミサイル・核の実験という示威行動を強化した。その結果、複数のミサイルが日本の領土上空を通過することになり、日本政治と社会に強い影響を与えた。第二次世界大戦後初めて、日本各地で空爆に関連した民間での訓練が実施された。また日本は北朝鮮に対して追加制裁を導入し、米国と共同で戦闘機や爆撃機を伴う訓練を行った。しかし、日本の利益の守護者としての米国に対する信頼は、既にそれほど絶対的なものではなく、日本の社会は最早、それほど強烈には非核国としての地位や本格的な軍隊の不保持について主張していない。

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