10:58 2018年07月17日
プーチン氏と安倍氏

今年の露日関係を総括

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アンドレイ イルヤシェンコ
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2017年は露日関係にとっては少なくとも、あらゆるレベルでのコンタクトが活発化したということで歴史に残る年になるだろう。こうしたことは戦後の歴史では一度もなかった。だが関係の質的発展については、双方ともこれを目指してはいるものの、語るにはまだ時期尚早だ。

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1年前、2016年12月1日、ロシア連邦会議への教書演説でプーチン大統領は「我々は、我々にとっての東の隣人である日本との関係で質的な前進を見込んでいる。ロシアとの経済的つながりを拡大し、合同プロジェクトおよびプログラムを始動しようというこの国の指導部の意気込みを歓迎する」と語っていた。

同様のトーンの声明を安倍首相も幾度も表している。安倍首相は今年2度もロシアを訪問したほか、G20およびAPECのフィールドでも2度の会談が成立した。プーチン大統領も安倍首相もマスコミに二国関係についての自分の見解を何度も詳しく語ってきている。

プーチン大統領が世界的な対露制裁を背景に安倍氏が対露関係について積極的かつ独立した姿勢をとっていると評価したことは注目に値する。2017年、安全保障対話も再開された。国防相と外相の2+2協議も再開され、ロシア連邦軍参謀本部のゲラシモフ参謀総長も3年ぶりに訪日した。露日政府間貿易経済委員会の第13回会議も開催され、エネルギー分野、工業、運輸分野での合同プロジェクトの実現や南クリル諸島での共同経済活動、最新技術の分野での協力が話し合われた。この中で2018年にロシアと日本の各国で交流年を実施するという重要な合意が達成されている。これは両国の国民の信頼レベルを引き上げることを目的に掲げている。

二国関係のフィールドでこうした前代未聞の活発な活動が展開されることで将来の骨組みが形作られている。ところが残念なことに未解決の諸問題にさらに新たな問題が加わってきた。例えば南クリル諸島で共同活動を行うための法基盤の問題。日本は諸島で活動する自国の企業のために特別な地位を要請しているが、ロシアは自国の法律に例外事項を設けることをよしとはしていない。原則的な性格を持ったこの袋小路の解決策は今のところ見つけられていない。

加えて1年前、プーチン大統領は読売新聞からの取材に答え、島についての交渉の絶対条件の1つとして、ロシアは「北方領土」に米国の軍事基地ないしは軍事施設が配備されることはないと確信できなければならないと語っている。だが日本側はこうした保証を与えることはできない。ロシアは自国の国境の周辺に米国のグローバル・ミサイル防衛システム(MD)が作られていくことに過敏に反応している。日本へのMD配備も、その動機が朝鮮民主主義人民共和国のミサイルからの防衛であることは間違いないものの、例外にはならない。ところがつい先日、日本がイージス弾道ミサイル防衛システムを軍備に加えることを決めたことから状況は一層悪化した。ロシアは、このシステムは露米間の中距離核戦力全廃条約で禁じられた中距離巡行、弾道ミサイルの発射に用いらる可能性があるととらえている。つまり本質的にはロシアはこの条約の違反について米国との厳しい論争の枠内で日本に対してクレームを訴えていることになる。

北朝鮮の問題についても意見の相違がある。ロシアは北朝鮮に対する国連安保理の立場に支持を示しているものの、北朝鮮国民の生活条件を明らかに悪くする、息の根を止めるような制裁には反対している。これとは逆に日本政府は制裁を支援している。ロシアは北朝鮮と米国の間の対話の仲介役を務める構えを表している。これが実現すれば、現在関係の改善が希求されている露米協力の新たな軌跡となりうるだろうが、受け入れ困難な日本の立場がこれに水を差す危険性がある。

これから察するに来年は、アジア太平洋地域の安全保障分野では穏やかな状況にもならず、露日間の平和条約問題でも素早い解決は望めないようだ。とはいえ両国の経済協力の集中的な発展によってこの問題の解決が早まる可能性もあるだろうが。

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露日経済協力, 露日関係, 安倍晋三, ウラジーミル・プーチン, 日本, ロシア
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