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    2018年、仮想通貨を待つ未来とは?

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    ビットコインはロシア語版2017年の言葉の2位に選ばれ、トップ3にランクインした。ビットコインを唯一上回ったのは、モスクワにある5階建ての古い団地群「フルシチョフカ」から新しい家への大規模移住を意味する「リノベーション」だ。1年前に仮想通貨を知っていたのは主に、その分野の専門家だけだった。今やタクシー運転手すら投資すべき通貨に関心を抱いている。

    スプートニク日本

    金1トロイオンスの値段をビットコインが初めて上回った時に、スプートニク特派員がロシアの大手ベンチャー基金のパートナーへ実施したインタビューでは、ビットコインが大きく過大評価されており、何の保証もない仮想通貨が金より高くなることはあり得ないため、ビットコインの価格はすぐにも下落するとの見方を専門家は示した。

    しかし予想に反して、ビットコインの価格は着実に上昇。1年で価格は47倍となり、2017年初頭には426ドルだったが、12月には2万ドルに急騰した。とはいえ、急上昇だけでなく、急落も見られた。12月17日に1ビットコインあたりの価格は2万ドル以上だったが、22日には1万3000ドルに下がり、1週間で35%下落する結果となった。だが5日後には再び1万8000ドルの水準に上がった。これほど高いボラティリティ(変動率)を持つ通貨はもちろん、信頼のおける支払手段にはなりえない。一方、大手FX会社「Alpari(アルパリ)」のロマン・トカチュク上級アナリストは、現時点で市場が違う動きをとれないだけだという見方を示し、次のように述べた。

    「高いボラティリティは新しい道具に特徴的だ。急成長に大きな反動が続く。投資家はあらゆるニュースを注視し、敏感に反応する。しかも、ビットコインは先月まで古典的な取引所よりも安定性の低い電子取引所でのみ取引されていた。ビットコインは新しい道具で、その分析に古典的な分析ツールが常に機能するわけではない。世界的な上昇傾向は保たれている。シカゴの取引所における先物取引は成長の証拠だ。市場の意見も成長を証拠付けるものだ。」

    トカチュク氏はビットコインの将来に対して楽観的だ。とはいえ、ビットコインには多くの競争相手が現れたとも指摘する。世界では現在、1000個以上の仮想通貨やトークンが取引されている。そして市場の状況はいつでも、他の仮想通貨が有利になるよう傾く可能性もある。このプロセスで鍵となるものは、何らかの仮想通貨に使われるテクノロジーだろうとトカチュク氏は述べる。

    「仮想通貨の人気は投資家がその技術に将来性を見出すかに左右される。近年大きく成長したのがビットコインキャッシュ、ダッシュ、モネロであることは示唆的だ。」

    「サトシ・ナカモト」と名乗る個人ないしグループにより発明された世界初の仮想通貨であるビットコイン市場のリーダーは現在、中国だ。ビットコインの60%が同国の採掘(マイニング)装置によって採掘され取引処理されている。85%以上のマイニングマシンが仮想通貨マイニング企業ビットメイン社によって中国で生産されている。2017年初頭にはビットコインの取引(トランザクション)95%が元建てで行われた。とはいえ、中国政府は後に国内の全仮想通貨取引所を閉鎖した。しかしこれはビットコインの価格を短期間下げるだけで終わった。取締によって人々は、取引所を介さない個人間の取引、p2pに移行した。そのため中国は依然として同分野のトッププレーヤーの1つであり続けている。

    仮想通貨はコントロール不可能で規制不可能な、中央化されていない支払手段だと考えられたが、現時点では全ビットコインのおよそ40%が1000人の手中にある。これは、いかに逆説的であろうと、市場が高度に中央化されたことを意味する。理論的には現在の市場は容易に操作可能だ。例えば、この1000人が話をつけ同時にビットコインを売れば、容易にビットコインの急落を仕組むことができる。

    こうした特徴は各国の金融監督当局に深刻な懸念を引き起こす。ロシアのモイセーエフ財務次官とシルアノフ財務相は仮想通貨を「代用品」だと呼んだ。ロシア中央銀行のエリヴィラ・ナビウリナ総裁は仮想通貨に詐欺の一種、ポンジ・スキームの特徴を見た。さらにロシア中銀のユダエワ第1副総裁はそこに「バブル」の特徴を見出したほか、ロシア経済開発貿易省のオレシュキン大臣はビットコインの相場を、ロシア史上最大のポンジ・スキーム企業「MMM」の株式の値動きと比べた。

    同様の見解を持つのが中国政府だ。中国人民銀行の潘功胜副総裁は、中国が仮想通貨取引所を閉鎖せず、独自の仮想通貨で資金調達するICO(新規仮想通貨公開)を禁止しなければ、世界のビットコイン取引と金融取引の80%は依然として中国で行われていたと述べた。その場合、どうなっていたかを想像することは恐ろしい。

    しかし、今のところ仮想通貨は市場が小さいため、金融システムに深刻な脅威をもたらさないとアルパリのトカチュク上級アナリストは述べる。

    「今のところ、仮想通貨の市場規模は古典的な株式に比べ非常に小さい。ビットコインの時価総額は米国のマネーサプライや米国の株式市場の時価総額、米国のGDPの数百倍少ない。将来的にブロックチェーン技術は支払いシステム市場の一部を占めるかもしれないが、VisaやMasterCard、PayPalを完全に追い出すことはない。一部のケースでは消費者によって監督車の存在は重要であり、ブロックチェーンのリスクは十分に研究されていない。仮想通貨の将来性は世界の監督機関の取る立場に大きく左右されるだろう。」

    そしてロシアと中国の当局は自国の仮想通貨、「クリプト元」と「クリプトルーブル」作成を検討している。しかしこうした通貨は現れたとしても、古典的な仮想通貨と大きく異なるだろう。中国人民銀行付属仮想通貨調査研究所の所長は、「クリプト元」が暗号化を基にするが、その機能には現在の仮想通貨に用いられている基礎技術であるブロックチェーン技術を必要としないと述べた。暗号通貨を発行した中央銀行がブロックチェーンの代わりに通貨を管理していくのだ。

    管理不能な通貨というアイデアに多くの国の金融当局は懸念している。これは理解できる。中央銀行は自国の通貨発行を独占する必要があるためだ。さもなければ同国の金融システムは混沌に陥るおそれがある。今のところ、各国は法的レベルで仮想通貨やブロックチェーン、ICO、マイニングの意味を定義しようとしている。プーチン大統領は政府と中央銀行に、2018年7月1日までに有価証券の発行に準拠して仮想通貨の発行を規制する改正法案を準備するように指示を出した。

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