19:02 2018年08月19日
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中国女性がバーチャル彼氏をリアルより好むのはどうして?

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中国では女性用コンピューターゲームが大人気だ。オンラインゲームや携帯アプリでは専用のバーチャル彼氏を作ることができる。これはもはや単なる古典的な恋愛シミュレーションゲームではない。バーチャル彼氏は通信アプリ「WeChat(微信)」でメッセージを交わし、電話をかけてくる。女性プレーヤーの数は信じられない速度で伸びている。一方、現実世界ではどんどん男性が手持ち無沙汰になっている。

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大学1年生の周文音さんは恋愛ゲーム「ラブ&プロデューサー(恋与制作人)」のバーチャル彼氏にすでに100元(約1700円)以上つぎ込んだ。関係を次のレベルに上げるため、デジタル金貨とバーチャルジュエリーを手に入れる必要があった。金が惜しいとは思わなかったという。周さんはサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙のインタビューに、バーチャル彼氏が携帯に電話をかけてきて、「WeChat」でメッセージを交わし、バーチャルデートを楽しんでいると述べた。実際の彼氏はいない。バーチャルでも彼氏がいることは良いことだと彼女は述べた。一方、周さんが計算したところ、次のレベルに行くためには1万6000元(約27万円)のプレゼントを購入する必要がある。そのため、周さんはロマンチックなバーチャルリアリティが実際の物質的限界を打ち破れるか、確信がない。

中国のコンピューターゲーム市場は常に極めて多様で利益をもたらしていた。だが以前、ゲームの消費者は男性のみだった。現在はより多くの女性がオフラインゲームないしオンラインゲームに熱中している。中国・北京のコンサルタント会社アイリサーチ(iResearch)によると、2016年度、女性は全ゲームプレーヤの4割を占めた。大きな人気を誇るのは、デートをしたり関係を深めることを目的にする恋愛シミュレーションゲームだ。最近の大ヒット作は「恋与制作人」。ユーザーはプロデューサーとなって4人の男性との恋愛を経験できる。キャラクターボイスも有名な俳優が音を当てている。

「恋与制作人」は長い間App Storeでダウンロード数首位に立っていたファンタジー風のオンライン対戦アプリ「Honour of Kings」の人気すら追い抜いた。配信開始から1週間で同アプリは30万元(約518万円)をもたらした。ゲームは基本無料だが、キャラクターのアップグレードのためアプリ内課金が用意されている。

以前は消費者の圧倒的大多数が男性であったため、ゲームも男性を対象に開発されていた。しかし現在はより多くの女性がゲームに関心を抱いており、製品も女性の関心を考慮した上で作られている。そのため、ロマンチックなストーリーのゲームが大量に生まれているのだ。女性用の特別な体重管理アプリすら存在する。例えば、アプリ「Burn your fat with me」ではバーチャル彼氏のカイが、甘いものを食べないよう女性をチェックする。ユーザーの女性が体重を減らすほど、バーチャル彼氏はより感じがよくセクシーになる。このアプリは日本で開発された(日本版タイトルは「ねんしょう!」)が、大ヒットは中国で起きた。

この現象が女性比が非常に低い国で起きていることは興味深い。統計によると、中国の女性100人に対して男性は116人。つまり、3000万人以上の男性は女性の恋人を見つけられないことになる。人口動態的状況からは、女性は相手を選ぶ余地が元々あるように思われる。しかし彼女らはバーチャル彼氏を選ぶ。SNSの普及とともに若年層はより多くの時間をサイバー空間で過ごすようになっている。中国精神衛生学会員で国家2級心理カウンセラーの肖雪萍氏は、多くの人が現実の交流から隔絶され、生身の人間に気持ちを表現するすべを知らないと指摘する。

なぜこのソフトが女性を惹きつけるのか?第1に、実際にまだ自身に合う人を見つけられず、バーチャル世界でとりあえず代わりを探している女性もいる。第2に、現実の関係を構築し、現実の知人を作ることがそもそもできない女性もいる。SNSとバーチャル世界の交流の普及は、彼女たちを現実世界において非社交的にした。彼女らはもはや、生身の人間に感情をいかに表現し、連絡と暖かな関係を構築するかを知らない。そのため彼女たちはバーチャル空間に住んでいる。インターネットとSNSの普及により、私たちはある意味では世捨人を育てている。長期的な展望においてこれは非常に不安にさせる現象だ。

だが、こうした状況はビジネスには好都合だ。男性向けゲームで市場が飽和状態にある中、開きつつあるニッチは非常に大きな将来性を持つ。女性向け製品が多く作られるほど、開発者の懐を温める用意がある孤独な女性がより多くなる。

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びっくり, 人工知能, テクノ, 中国
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