気が狂った役人を描いたロシアの演劇作品 3月初旬に日本で上映

© 写真 : Svetlana Selezneva/Official website of Sergey BezrukovФотография из спектакля "Сон разума" с участием актера Сергея Безрукова
Фотография из спектакля Сон разума с участием актера Сергея Безрукова - Sputnik 日本
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東京都心の映画館で3月5日、モスクワのグベルンスキー劇場で上演されているセルゲイ・ベズルコフ氏の作品「知性の睡眠」の録画が上映される。同プロジェクトの主催者である「坊ちゃん劇場」(愛媛県)の代表、越智陽一氏が通信社スプートニクに伝えた。

スプートニク日本

越智氏によると、「知性の睡眠」は3月5日に六本木で上映される。越智氏は、過密スケジュールの中でベルズコフ氏が東京に来てくれることに期待していると語った。

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「理性の夢」は、ロシアの作家ニコライ・ゴーゴリの作品に基づいており、そのテーマは永遠不滅で世界共通の自己探求、愛、人生への不満、中年期の心理的危機だ。

「理性の夢」は、貴族出身の42歳の小役人が、長官の娘に恋をする話。小役人の哀れな立場は気持ちを表すのを妨げるだけでなく、同僚の失笑も買ってしまう。主人公は精神的圧迫に耐えられず発狂し、実のところ自分の地位は高いのだと思い込み、自分はスペイン王だと主張する。

舞台監督のセルゲイ・ベズルコフ氏(ロシア人民芸術家)は、サーカスの曲芸や音響効果、映像効果を加えてゴーゴリの古典作品を幻想的な世界に様変わりさせた。

「理性の夢」で舞台監督のみならず主役も演じるベズルコフ氏は「この演目『理性の夢』で一番大切なのは、ゴーゴリにとって重要なテーマ『取るに足らない人間(小物、下っ端の人間)』であり、大きな複雑な世界におけるこの『小さな人間』の場所だ。このテーマは国際的であり、ロシア、日本、その他の国の観客の心を波立たせることができるのではないかと思っている」と語った。

坊ちゃん劇場の代表、越智陽一氏はスプートニクに、はじめゴーゴリのオリジナル作品のストーリーに当惑したが、ベズルコフ氏の演技力が素晴らしかったため、松山での上映を決めたと語られた。

© Sputnik / Igor Russak / メディアバンクへ移行セルゲイ・ベズルコフ氏
セルゲイ・ベズルコフ氏 - Sputnik 日本
セルゲイ・ベズルコフ氏

坊ちゃん劇場が主催する同プロジェクトでは、8K(4Kの4倍の33.2メガピクセルの解像度)大画面で3つの作品が上映される。これは世界初のプロジェクト。8K解析度で録画された「知性の睡眠」と坊っちゃん劇場のミュージカル「よろこびのうた」、そして東京の芸術家集団のミュージカル「ポストマン」が、東京と愛媛で上映される。

これはパイロットプロジェクトで、ベズルコフ氏のグベルンスキー劇場は独自の演目を紹介する初めて、そして唯一の外国の劇場となった。なお愛媛では3月2、3日に上映される。

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同プロジェクトのために、昨年秋に日本の撮影班がグベルンスキー劇場を訪れた。そして約半年かけて録画した映像の編集、翻訳、字幕の作業が行われた。撮影後、翻訳作業に入る準備が整った時、越智氏はスプートニクの記者に、はじめは「知性の睡眠」とゴーゴリのオリジナル作品の内容が複雑であるため当惑したが、実際に観劇して、ベズルコフ氏の演技力とその作品自体が素晴らしかったため疑いはなくなったと語った。

越智氏は、ロシア語がわからないので作品のセリフもわからなかったが、同作品の極めて高い芸術性は観る人を魅了すると述べ、劇が進行するにつれて惹きつけられ、完全に引き込まれ、感動したと語った。

また越智氏によると、現在、日本大使館が作品を「ロシアにおける日本年」の枠内でロシア国内で上映することについて検討している。問題は、8K上映に必要な機材などの輸送に高額な費用がかかることだ。なおモスクワやその他複数の都市での上映が検討されているという。

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