日本は自分の空母を建造するか? 答えはノーよりもイエス

© AP Photo / Eugene Hoshiko中谷防衛相
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3月20日、日本の自民党の安全保障調査会は、元防衛相の中谷元氏が司会を務める会議で、国の防衛能力を強化するための「多用途型空母」導入についての提案を議論した。防衛力の質的・数的向上に向け努力する中で、自衛隊に「多用途型空母」と「ステルス」技術で開発された、短距離離陸と空母甲板への垂直着陸が可能な爆撃機「F35B」を装備させることが不可欠と自民党は考えている。政府への自らの提案を、同党は5月初めまでに整える意向。

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会議の結果についての簡潔な報道から判断すると、提案は2つの点から成る。第1点は、存在している「いずも」型艦船を、新たな戦闘機であるF35Bを同型に配備することによって空母に変えること。第2点は、自らの固有の多用途型空母を開発することである。第1点は疑いを呼び起こすことはない。「スプートニク」は既に、「いずも」と「かが」にF35Bを搭載する可能性について伝えている。

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2018年2月、朝日新聞に、いずも型艦船の構造は空母へのその変化を排除しない、との元海上自衛隊幹部らの主張が掲載された。同様に2月、日本政府が、先に発注された戦闘機42機に追加して、少なくとも20機の取得を計画していることが明らかになった。一方、2018年度に向け承認された日本の予算では、記録的な防衛費(457億ドル)が予定されている。このような状況で、自衛隊の装備に空母と第5世代の戦闘爆撃機が出現することは、地域の隣国である朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中国を喜ばせはしないだろう。不満の特別の理由は中国のもとに現れると、「The Japan Times」紙は主張している。

F35Bは、日本の最も西の与那国島に配備される可能性がある。この島は、日本政府のコントロール下にあるが中国政府によって異議を唱えられている尖閣諸島からたった150キロのところにある。

第2点については、日本と中国の軍事的対立の観点から検討する価値がある。中国はこの分野で、空における明らかな優位を有している。海軍による運用のもとには、航空機「J15」を26機まで搭載できる空母「遼寧」がある。航空機を36機まで搭載できる「001А Pipixia」プロジェクトの2隻目の空母も完成されつつある。その他、尖閣諸島には、中国東部の陸地の航空基地から航空隊が派遣される可能性がある。諸島上空でほぼ100~120機の航空機を、中国人民解放軍の空軍のもとに維持することになる。

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日本の陸地の航空基地はかなり遠方に位置しているため、空母で近づく航空隊にのみ日本は頼ることができる。最大限、いずも型艦船2隻には航空機10~12機、ひゅうが型艦船2隻には4機まで配備可能。合計は最大で32機となる。さらに6~8機のF35Bが島の小さな航空基地に配備される可能性がある。そのため、F35Bの追加購入でさえ、日本に数的優位を確保しない。中国の航空隊は、最低で2倍の優位を有することになる。一方、仮に日本が、航空機50~60機を搭載できる排水量ほぼ6万~7万トンの本格的な空母を建造したならば、この時日本の航空自衛隊は、尖閣諸島上空の空間で中国と対等になることができるだろう。

このようにして、日本での新たな本格的空母の設計・建造の問題は、私の意見では、既に事実上、あらかじめ決まっている。そのような艦船の必要性は、尖閣諸島の分野での日本にとって不利な力関係によって示唆され、新たな空母によって中国の航空隊の数的優位を補償することができる。

2018年2月時点の情報では、米国、ロシア、フランス、中国、英国、インド、スペイン、ブラジル、イタリア、タイの10カ国が空母を保有し、そのうち6カ国は核兵器も保有している。ただ、この際、自国開発の空母を保有している国は少ない。最も多くの空母を保有しているのは米国で11隻、2隻ずつが中国とイタリア。残りの国々は1隻ずつ保有しているが、英国とインドは、この型の艦船をさらに1隻ずつ戦列に間もなく導入すると発表している。

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