シリア化学兵器疑惑 調査はまだ、犯人は決定

© AFP 2023 / Stringerシリア首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマ
シリア首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマ - Sputnik 日本
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シリア首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマで7日に化学兵器が使われた疑いに関する調査開始前にもう、トランプ米大統領はシリア政府を罰するため、シリア軍事基地へのミサイル攻撃を約束した。しかし、シリア政府軍が化学兵器を用いる理由は何もなく、使用しても自らの不利益になるだろうと、ロシア国防省研究センター化学分析ラボのイーゴリ・リバルチェンコ局長が述べた。

リバルチェンコ氏はスプートニクのインタビューに対し、調査を行うべき団体と、化学兵器使用に関するニュースが根拠のないフェイクだとみなすことができる理由を語った。

調査はオランダ・ハーグに本部を置く専門的な国際機関である化学兵器禁止機関(OPCW)が行うべきだ。化学兵器の可能性に関する情報が届くとすぐに、OPCWは疑いのある国にいわゆる事実復元団を送る義務がある。専門家は現場で、汚染区域がある場合はツールを用いてそれを調査し、化学兵器が使われたか否かを判定する必要がある。

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リバルチェンコ氏によると、OPCWが参加した綿密な調査なしに行うシリアでの化学兵器使用疑惑に関する非難は全て、情報的ネガティブキャンペーンという形での挑発だ。シリア政府軍が用いる理由は何もなく、使用は自らの不利益になるだろう。しかし、この論拠は全く考慮されないとリバルチェンコ氏は論じる。

シリアとロシア側は化学兵器禁止機関の調査団に、同団体が担当する調査対象へアクセスする安全を保証した。塩化水素のように、痕跡はその場に残り続けるのだから。最後に最も重要なことが残っているが、それは、化学的損傷または中毒の特徴的な症状を持っているはずの負傷者(当然、もしそうした人がいればだが)である。そしてもし、ロシアの専門家が何も見つけなかったならば、OPCWの参加なしには、私としては、ロシアの専門家だけを信じるしかなくなる。メルケル独首相が持つ『明らかではっきりとした』証拠は今に至るまで公表されていない。もしそれがあるならば、化学兵器を戦闘員が使用しなかった証拠はどこにある?塩素なら、あらゆる水の消毒所で大量に用いられているではないか。

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リバルチェンコ氏は、調査は真剣な労力と時間を要すると説明。ラボラトリーでの分析と鑑定に半月はくだらないだろう。これはOPCWの報告書が、もし作成されても通常は大きな遅れとともに出される事情のもっともな説明の1つだ。リバルチェンコ氏は、ある状況がなければ、この事実には理解を示すことができると強調する。

OPCWの報告書より先に、いずれかの側から強力な情報の非難キャンペーンが行われることが常だ。非難はまだ何の証拠によっても裏付けられていないが、すでに最も否定的な様相で状況に影響し、世論を形成している。同様に報告書は今に至るまで完成していないスクリパリ氏のケースで起きたことと同じだ。OPCWの専門家は4月末までに報告書を準備することを約束している。英国も一切の調査情報を公表していない。ここに、ロシアからの主な訴えの核心がある。

一方、英ソールズベリーで起きた毒殺未遂事件の被害者になったスクリパリ氏とその娘ユリアさんのケースを受けて、西側諸国は国際制裁をすでに発動した。複数の諸国が調査結果を待たずにロシアの外交官を追放。シリアでも歴史は繰り返す。調査は行われていないが、犯人は既に決定しているのだ。

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