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    アジアインフラ投資銀行(AIIB)

    2つのアジア銀行、相互関係を再起動へ

    © REUTERS / Kim Kyung-Hoon
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    アジア開発銀行(ADB)はアジアインフラ投資銀行(AIIB)を競争相手とは考えておらず、AIIBと協力する意向だ。ADBの中尾武彦総裁が5月3日、マニラでのADB年次総会でこのように述べた。

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    中尾総裁は、「我々はアジアでより大規模な投資を必要としているため、AIIBと協力することはできる。AIIBは我々にとって脅威というようなものではない」と指摘した。中尾総裁はまた、中国が重要な国際的債権・債務国であると認めた。ADBの会議で中国に向けてこのような声明がなされるのは初めてだ。ロシアの極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、これは競争相手との和解ではなく、世界の銀行共同体におけるAIIBの増大する権威の承認であると考えている。

    「銀行間の競争は存在し、今後も残るだろうが、ADBが望もうと望むまいと、AIIBは既に成立し非常に将来性のあるプロジェクトだ。これには大部分のアジア諸国が参加し、その中には『一帯一路』プロジェクトに否定的な態度を取るインドも含まれている。AIIBを無視したり、妨害したりすることはADBはしないだろうし、できないだろう」。

    中国国際問題研究院(CIIS)世界経済・発展研究所の姜躍春所長は、AIIBに対するADBの態度見直しは当然だと考えている。

    「AIIBは近年、非常に印象的な成果を収めた。ADB?による複数のプロジェクト推進や取引活動は、近隣諸国と国際共同体による好意的評価を得ている。『一帯一路』イニシアチブに対する日米両政府の立場は変化し、このことも(態度見直しを)促す直接の理由だ。初めのうち日本と米国は、中国のイニシアチブに対し否定的態度を堅持し、このイニシアチブを否認するほどだった。しかし最近、日本の安倍首相は一度ならず、このプロジェクトを支持すると述べ、協力を発展させたいとの願望を表明している。これら全てのことが、AIIBに対するADBの態度変更を促したのだ」。

    近日中に、中国の李克強首相による訪日が予定されている。中尾総裁の声明がこの出来事の直前になされたのは偶然ではない、とキスタノフ所長は確信している。キスタノフ所長の見解によると、その背後には中国との関係を改善させたいという日本政府の願望が見て取れるという。

    「最近、日本と中国の外相が両国首脳による相互訪問について合意した。今年末までに安倍首相が訪中し、来年に習近平国家主席が訪日するという可能性は排除できない。日本はこの状況で、中国の『一帯一路』戦略に応じているのだ。具体的なプロジェクトにまで物事は今のところ至っていないが、肯定的な態度は既に表明されている。最後まで残っていたのはAIIBを巡る問題だった。日本と米国はAIIBに入っていない。しかしAIIBに対する日本の態度は明らかに、より良い方向に変化しつつある。このことは、中日関係が暖かいものになりつつあることの反映だ」。

    その他に、ADBの中尾総裁は米中両国の貿易関係における緊張に言及し、保護貿易主義とアジアにおける自由貿易の見通しにADBが不安を感じていると述べた。5月4日には中日韓からのADB年次総会参加者らが共同声明を発表し、その中では「あらゆる形態の保護貿易主義のリスク」と保護貿易主義に抵抗することの重要性が指摘されている。

    このテーマは、5月9日に東京で開かれる日中韓首脳会談で確実に議論され、中日経済協力のベクトルの一つをも確定していくことになるだろう。

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