04:56 2018年10月23日
世界的な不信感の中で日露にチャンスはあるか?

世界的な不信感の中で日露にチャンスはあるか?

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2018年に米エデルマン社が実施した信頼度調査「グローバル・トラスト・バロメーター」では、政府、企業、マスコミ、NGO/NPOといった社会集団の主要な構成要素に対する人々の世界的な不信感が確認されている。特に過去の調査結果と比較すると、米政府に対する市民の信頼度が低下し、33%となった。一方、中国は権力機関への信頼度が記録的な74%に達した。ロシアと日本はそれぞれ36%と37%だった。エデルマンの信頼度調査は今年18回目で、世界28カ国3万3000人以上を対象に調査が行われた。

スプートニク日本

国やその指導者間の信頼関係は、時として二国間関係に大きな影響を与える。北朝鮮の指導者・金正恩氏と韓国の文在寅大統領は信頼しあっているのだろうか?一緒に写っている写真では両氏共に喜びに輝いているが、実際はどうなのだろうか?また金正恩氏とトランプ米大統領の間に信頼関係はあるのだろうか?今はほぼゼロの状態であるのは明らかだが、シンガポールでの初会談で何かが変わるかもしれない。プーチン大統領と安倍首相の間では信頼関係が構築され、それは平和条約締結に向けて前進する助けになると言われているが、本当だろうか?また各国間の信頼度は高いレベルに達することができるのだろうか?通信社スプートニクが、専門家たちの意見をご紹介する。

ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は次のように語っている-

「安倍首相は、プーチン大統領との個人的関係が領土問題の解決と平和条約締結に役立つはずだと一度ならず述べている。しかし信頼とは判断するのが非常に難しいカテゴリーだ。日本人の外国に対する親近感に関する世論調査によると、ロシアは最後から2番目で、中国が最下位だった。一方、愛は信頼と同じように大きく変化する。ロシアと日本の間に信頼関係が構築される時期を誰が判断できるだろうか?もちろん信頼関係は育っており、そこには大きなポジティブなものがある。しかし両国が信頼関係の雰囲気を醸造しなければならないというならば、まだそれは構築されていないのだ」。

法政大学法学部教授の下斗米伸夫氏は、次のように語っている-

日米関係っていうのは、これはもう信頼はもちろんですが、何よりも敗戦と米国を中心とする連合国が事実上戦後の日本をつくったという側面がありますから、そういう意味では信頼というよりもほとんど日本人は所与と考えてますよね、ギブン。当たり前だという、あまり気が付きもしないという。逆に今若い人の間に多少日本は属国ではないかという言い方をして評判になるような人がいて、そういう人から見ると安倍さんや自由民主党は本物ではないという流れがないわけじゃありませんけども、反対派の方ではありますけれども。中国との関係はちょっと違うんだろうと思うんですね。

中国との関係では日本人はやっぱり特に戦争に参加した人たちはギルティ・コンシャスネスというか戦争で中国に迷惑をかけたっていう思いがあって、にもかかわらず毛沢東が賠償などを放棄したものですから、その意味でさらに負い目を持っている世代が1980年代あたりまで、あるいは政治家でいうと野中さんぐらいまではあったんですよね。我々の世代の後となりますと、中国が孤立して、マオリズムで、中国通の人たちも皆さんそう思ったと思いますけど、今の北朝鮮みたいなふうに感じてて、鄧小平がまた78年にガラッと変えてね。その時はやっぱり中国っていうのはさすがだなっていう人もいて、付き合おうかっていうグループが出てきたんですが、中国っていうのは10年ごとぐらいに顔が変わってくるから、どういう顔で出てくるのかっていうのが(あります)。私もこの20~30年ずっと中国の人と付き合っていますけど、戦前に日本に留学した人たちの間に中国共産党の幹部がいた時があって、これが一番よかったと思いますけどね。その時の人たちとの関係が世代的に消えて、その後は中国共産党の中連部が文革派でね。しかしさすがにすぐに専門家にできませんから。おそらく20世紀いっぱいぐらいずっと続いてて。まあ多少確保してる政界の人たちなどは慎重でしたよね。人間関係っていう信頼は中国との間ではなかなかお互いがつくれなかったっていうか。それが今の日中関係にも、まあ今になってようやく安倍さん自身も軌道修正してますから、この間李克強さんが東京の国会に来たように、日中韓をもう一回つくりなおそうっていう、そういう動きは強まっていると思いますね。その意味ではそれは非常にいいことだと思いますね。

プーチンさんは国家を再建することで、安倍さんは国家を受け継ぐっていうか、おじいさんがつくったようなメカニズムを維持することですけれども、やっぱり世界を見る目がどっしりとした保守っていうか、両方とも保守政治家という国家主義者っていう側面もありますから、政治家ですから必ずしも表向きにそういうとは限らないですし、違いももちろんあるんでしょうけれども、安保だとか安倍さんはなんと言っても日本の日米関係っていうのを背負ってますからね。それでも接点をさぐるということをあれほど系統的にやる政治家っていうのは確かに今まで森総理だとかその前の橋本さんだとか小渕 さんとかいますけども、それは何となく偶然というわけではないけども、安倍さんは内心そういうロシアとやりたいっていう強い志向があるんじゃないでしょうかね。だから21回も(プーチン氏と)会ったと思うんですよね」。

モスクワ国際関係大学東洋学講座主任のドミトリー・ストレリツォフ氏は、次のように語っている-

「ロシアと日本では安全保障分野における2+2形式での対話が再開された。ロシアが日本と領土問題の解決策について話し合いを行っていることは、中国や韓国とは違い、一定の信頼レベルを物語っている。ロシアと日本は信頼関係をゼロから構築する必要はなく、すでに文化と経済においてポジティブで確かな経験があり、我々はビザの大幅な簡素化にこぎつけた。我々は幻想を構築しているのでもなければ、パートナー関係について話しているわけでもなく、我々には政治分野においてまだ多くの意見の食い違いがある。だが、どんな国にもそのようなものはある!」。

ロシアの高等経済学院の教授、アンドレイ・ブィストリーツキー氏は、次のように話している-

「現在の世界は、特に全面的な不信感と相互依存の観点から調整が必要とされている。もし国々が現代のグローバルな問題に関して少なくとも何らかの合意に達しなければ、信頼や合理的な協力の一定のレベルは、将来的に最も予測不可能な結果となる可能性がある」。

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露日関係, 安倍晋三, ウラジーミル・プーチン, 日本, ロシア
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