中国と日本には、アフリカで効果的に協力するチャンスがあるか?

© AFP 2023 / Peter Parks日本国旗と中国国旗
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日本は、自国経済のための資源を確保するためにアフリカとの貿易・経済協力を活発化させなければならない。1990年代、日本はアフリカとの貿易で地域のライバル国である中国を大きく引き離していたが、2000年代には中国に勝利の栄冠をゆずった(現在、中国とアフリカ諸国との貿易額は、日本の7~8倍)。一方、現時点で日本は、アフリカで中国と競い合うというよりは、協力する構えだ。まずは、交通インフラでの協力だ。日本と中国は同方向性で本当に力を合わせることができるのだろうか?通信社スプートニクは、専門家に話を伺った。

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ロシア高等経済学院の専門家で日本研究者、NHKやTBSモスクワ支局の元職員でもあるアンドレイ・フェシュン氏は、アフリカでの経済協力を活発化する際の主なメリットとして中国が提供する好条件を指摘し、次のように語っている-

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中国の課題は、アフリカ大陸での活動が今後前進するための経済拠点をつくることだ。中国は現在、同国が提案する「一帯一路」の一環としてまず交通インフラに融資、それを実現している。道路は、あらゆる国にとって常に経済発展の原動力だ。同分野への中国の参加は、アフリカでの中国のビジネスが永遠ではないとしても、非常に長くなることを物語っている。私は、今日本がこの方向で中国のイニシアチブを横取りできるとは思わない。日本はその先端技術をつかって道路を建設するため、日本の労働力は中国よりもはるかに高価になる。アルジェリア(北アフリカ最大の国)には今すでに中国人労働者のれっきとした町がある」。

東アフリカ鉄道整備の90%は中国輸出入銀行が拠出しており、中国交通建設が工事を担当している。鉄道は、ケニア最大の港湾都市モンバサと首都ナイロビを結ぶ。これまでの12時間から4時間に短縮され、年間最大2500万トンの貨物を輸送できる。

スプートニク:日本には高速鉄道建設におけるライバルはほとんどいません。この方向で日本企業と中国企業が力を合わせることにより、新たな交通プロジェクトで最善の結果を得られる可能性があります。

アンドレイ・フェシュン氏:日本は自国でつくられた準備された形でのみ、新しい鉄道車両を提供する用意がある。これにより、あらゆるプロジェクトの価格が大きく上昇する。中国がこれに賛成する可能性は低い。だが一新されたアプローチは可能だ。例えば、すでに使用された日本の鉄道車両を販売することだ。日本はこのような方法を東南アジアや中東の国々で成功させている。日本の品質は、あらゆる製品に長寿命を保証している。

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スプートニク:東南アジアは、日本の投資の成功例の一つとなることができます。日本は東南アジアに自動車や軽二輪の組み立て工場を非常にたくさん建設し、それらは東南アジア全体で乗られています。この成功をアフリカで繰り返す障害となったのは何でしょうか?

アンドレイ・フェシュン氏:日本は、中国が急速に前に躍り出る前に東南アジアに進出した。アフリカ進出は中国の方が早く、中国は巨額の資金を持ち込み、文字通りすべてを買った。だが私は、日本がこれについて大きく落胆したとは思わない。日本は従来通り欧州や米国に上手く投資を行っている。なぜならこれは安定した投資だからだ。アフリカには一定のリスクがある。日本がアフリカをその輸出志向型経済にとって重要な市場に様変わりさせようと考えていることは恐らくないだろう。

スプートニク:一方、日本はアフリカの発展に貢献する意思をはっきり示していますが…

アンドレイ・フェシュン氏:それはまず、安価な原材料だ。技術的には発展しているが、豊かな資源を持たない日本は、エネルギー資源の市場価格の動向から受ける影響を減らすために、石油の輸入先の多角化を目指している。だが外国投資に開かれている石油・ガス市場は世界にあまり残っていないため、日本企業のアフリカへの関心は高まり続けるだろう。

日本の豊田通商は2010年、ケニアと南スーダンを結ぶ石油パイプライン建設に約150億ドルを提供した。またスーダン、ケニア、タンザニア、モザンビーク、ナイジェリアなどのアフリカ諸国も、日本の投資対象となっている。 

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