16:12 2018年12月16日
武道フェスティバル「ロシアの翼」武道フェスティバル「ロシアの翼」

ロシア人の剣道に対する情熱が燃える!武道の祭典「ロシアの翼」開催【写真】

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徳山 あすか, アントン シチコフ
露日交流年 (47)
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10日、モスクワ郊外の町バラシハで、ロシア航空宇宙軍創設記念日にあわせた武道フェスティバル「ロシアの翼」が開催された。柔道や合気道、空手、居合道など武道クラブで学ぶ人々や現役の軍人が、日頃の鍛錬の成果を披露した。日露合同コンサートも行なわれ、会場は大勢の市民や退役軍人で賑わった。特別ゲストとして日本から13名の剣道家が参加し、パフォーマンスを披露した。

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ゲストの中には、ロシアにおける剣道普及の最大の貢献者、武徳和心会の吉山満会長(剣道教士七段)の姿があった。吉山さんによれば、ロシアの剣道は世界的に見て「恥ずかしくない」レベルにまで達しているという。吉山さんは剣道を通して20年以上、ロシアと関わってきた。

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武道フェスティバル「ロシアの翼」

1997年、京都で世界剣道選手権大会が開催された。実行委員長だった吉山さんは、熱心に観戦しているロシア人の姿が印象に残ったという。その後、当時の全日本剣道連盟の会長の依頼で、剣道振興のためロシア、スイス、ルーマニア、オーストリアなどを歴訪した。吉山さんは「その中で一番礼儀正しかったのがロシア人でした」と振り返る。翌年、ロシアを再訪問。ロシア側から「ナショナルチームの監督になってほしい」と依頼されたが、吉山さんは「私はそんな強い者ではないので」と固辞した。しばらく経って、再度渡航した際にも依頼されたが、やはり断った。

ロシア側はあきらめきれず、とうとう吉山さんの自宅がある京都まで頼みに来た。3度目の懇願に根負けした吉山さんは、引き受ける代わりに条件を出した。「私は強くすることはできません。でも、礼儀正しい国にします。文句を言うときはきちんと言います。それでもいいですか?」

吉山満会長(右から2人目)と武徳和心会のメンバー
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吉山満会長(右から2人目)と武徳和心会のメンバー

こうしてナショナルチームの監督に就任した吉山さんは、ロシアの様々な都市を頻繁に訪問して指導にあたってきた。ロシア代表は、欧州選手権や世界選手権で好成績を残すようになった。

吉山さん「剣道のおかげでロシアと出会えました。剣道という日本の文化、ロシア人にしてみれば異文化を大事にしてくれて、自分のものにしようという、その姿には非常に感銘を受けます。ですから、本当の剣道を、本当の剣道の良さを伝えなければいけません。彼らの前で恥ずかしくないよう自分達も常に勉強しなければいけませんし、ロシアには物見遊山では絶対行きません。ロシア側が1分でも稽古したいなら稽古をする、和心会のメンバーはそういう気持ちです。」

ロシア剣道連盟のアレクセイ・チャヴグン副会長によれば、日本という国への関心の高まりに伴い、剣道に興味をもつ人も増えているのだという。

チャヴグンさん「剣道を始める方で多いのは、一対一の対戦型の武道をやっていた人です。年齢とともに現役でいることが難しくなり、怪我もつきものなので、たくさんの人が剣道へとシフトしてきます。ゼロから始める人は、剣道の美学、外見、ダイナミックさ、稽古法などに心をひかれて門戸を叩きます。剣道の魅力はやはり、年齢に関係なく毎日稽古できることです。今日パフォーマンスを見せてくれた日本人の中にはご高齢の方もいらっしゃいました。これは模範とするべきです。」

71歳の吉山さんも賛同する。「サッカーやラグビーなどのスポーツは、若い人たちとは絶対できません。剣道はたとえ90歳になっても、20代の人と対戦でき、相手を選びません。年を重ねても修行を積んでいけるのが剣道のいいところです。大事なのは若い人に勝つことではなく、自分を律することです。」

居合道は剣道に比べてマイナーだが、関係者は居合道の知名度向上と振興に力を尽くしている。この日も、モスクワで居合道・剣道・空手を教えている武道クラブ「尚武会」の代表、タロン・アヴァキミャンツさんが、舞台に立って居合道の演舞を披露した。昨年イタリアで行なわれたヨーロッパ選手権では、ロシア代表のアンドレイ・アレフィエフさんが五段部門でロシアの歴史上初めて優勝するなど、着実に成果を重ねている。

コンサートに出演するジャパンクラブの岡田事務局長
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コンサートに出演するジャパンクラブの岡田事務局長
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文化, 露日関係, 日本, ロシア
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