日本の最新技術、僻地の風力発電と渋滞解消で ロシア版スマートシティに貢献

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11日から13日までロシア・ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでは、日本の最新技術を用いた都市づくりに注目が集まった。スプートニクは、ロシア版スマートシティの実現を目指す関係者に話を聞いた。

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5月にサハ共和国の首長に就任したばかりのアイセン・ニコラエフ氏(前ヤクーツク市長)は、「スマートシティとは、今日やらないなら、明日やらなければいけないもの」とスピード感を強調する。サハ共和国ティクシ市では、日本がロシアに提示している8項目の経済協力プランのうち「エネルギー開発協力」の一環として、風力発電プロジェクトが予定されている。冬が8か月も続くティクシのような僻地では電気代が高く、住民への補助金が地方財政を圧迫している。発電の低コスト化と電力の安定供給は、サハ共和国の命題だ。ティクシにはすでに、駒井ハルテックの風力発電機3基が建設されており、まもなく発電実証実験が始まる。

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ニコラエフ氏「(サハ共和国は)都市経営が80年代か90年代のままで止まっているような状態なので、スマート化のためには行政の強い意志が必要です。しかしそんな場所でも、日本と協力しているからこそ、最新の技術を使えるチャンスがあります。ティクシの風力発電プロジェクトは、今まで欧州企業が何度もチャレンジしてきて、結局うまくいきませんでした。でも日本の技術なら成功するはず、と信じています。」

いっぽう、大都市では、どこも渋滞に悩まされている。そこで注目されているのが、日本を代表する信号システムメーカー、京三製作所による高度交通信号システム「ARTEMIS」だ。ARTEMISは、交通量に応じて自動的に信号を調整し、渋滞の解消を図る。昨年、モスクワの交差点に同システムを設置したところ、最大40パーセントの渋滞緩和効果があった。ARTEMISの実証実験は、モスクワ、ヴォロネジに続き、つい先日ウラジオストクでも開始された。これらの実験結果を含め、今後ロシア国内20の都市で普及活動が行われることになる。

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京三製作所の戸子台努社長は「ヴォロネジの実証実験の結果は、もうすぐ発表されます。ここウラジオストクでも、ARTEMISを利用してもらえれば、その良さがわかってもらえるでしょう。都市によって渋滞の原因が異なる場合もあるので、現地の運用側で、ARTEMISの性能がより発揮できるような使い方をしてもらえれば」と話している。

風力発電と渋滞解消の技術実証プロジェクトは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によって進められている。NEDOの石塚博昭理事長は、「NEDOがロシアで実証している事業は8項目の協力プランに基づいたものです。両首脳はもっと日露関係を強固にしたいというご意向をお持ちなので、NEDOはそれを当然フォローしていきます」と話し、現在進行中の実証事業以外にも、新しいプロジェクトを行う予定であると明かした。

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