09:05 2018年10月23日
安倍首相

安倍首相掲げる改革 実現したら退陣後も改革は残存

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安倍首相は内閣改造と自民党幹部の入れ替えを行った。新内閣では18のポストのうち12席に新閣僚が就任したが、主要なポストはそのまま留任させ、麻生太郎氏は財務大臣、河野太郎氏は外務大臣、経済産業大臣には世耕 弘成氏がとどまった。

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世耕弘成氏は、経済産業大臣のポストにも留任しながら、ロシアとの経済上の相互関係を築き、その上での平和条約の締結を目指した安倍、プーチン両氏のプラン実行を続ける。河野太郎氏もやらなければならないことが満載だ。河野氏は引き続き対米貿易経済関係の正常化問題に取り組む。トランプ大統領は米国市場への日本車輸入に新たな関税をかけようとしており、これを回避することも河野氏の必須課題のひとつとなっている。専門家らからは、日本政府は690億ドルにのぼる対米貿易黒字を縮小するために米国からの武器やエネルギー資源の購入を増やすことになるとの見方も表されている。さらに1つ明らかに改善の兆しがある。10月の日中首脳会談の実施後、両国の経済関係は拡大する可能性があり、その拡大は「一帯一路」プロジェクトの枠内にも及ぶかもしれない。他にも朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との間に対話も開始しなければならない。

国内政策でも大きな課題がたてられている。首相の座をさらに3年残したうえで安倍氏は、自身も述べたように、次の国会の会期で憲法改正問題を持ち出す構えでいる。社会面にも後回しにできない課題がある。これらは国民の経済活性化を図ることが絶対条件だ。女性の再雇用を高める目的での就学前児童の施設への財政支援の拡大、外国人労働者数の拡大、年金受給開始年齢の引き上げ策も期待されている。これらはすべて納税額や社会保障システムへの入金の拡大につながるはずのものだ。

日本の野党は予測通り新閣僚名簿に不満を表した。名簿に入った女性閣僚がわずか1名であったことも批判の的となった。それでも、モスクワの世界経済国際関係研究所、アジア太平洋研究センターの日本専門家、クリスティーナ・ヴォーダ氏は、こうした批判はそうたいしたことはでなく、野党の一番の狙いは安倍氏に対し、彼の野心的計画を全員が支持すると思うのは大間違いだということを片時も忘れさせないことにあるとして、次のように語っている。

「自民党にとって最大の与党は枝野幸男氏を代表とする立憲民主党だ。この党は憲法改正、防衛など日本の社会にとって一番デリケートな問題で与党に対抗している。立憲民主党の支持率は自民党にはるかに及ばないながらも、その声は非常に大きい。例えば、立憲民主党が国会で汚職問題を取り上げると、自民党は神経を逆なでされ、長々とした立場説明を余儀なくされ、策を講じ、再編成を迫られてしまう。日本共産党も多くの問題で批判する立場に立つものの、日本社会における支持レベルはそう高くはない。いずれにせよ、日本の民主主義メカニズムは機能しており、このことは自民党自体にとってさえ、よいことなのである。」

クリスティーナ・ヴォーダ氏は国内、対外政策を決定する上でロビー活動用のチェンネルの役割を果たしている自民党内の派閥が少なからず重要な役割を演じると考えている。

「安倍氏は新閣僚名簿を作る上で派閥の意見を聞かざるをえない。党内では水月会と石破茂氏をのぞいては全ての派閥が9月20日の総裁選で安倍氏を支援した。したがって彼らは、前もって党内で討論を行った上で安倍氏の推進する主要路線も支持している。おそらく外交路線のコンセプトについてもこれは言えるし、見解のニュアンスはあるが、憲法問題など他の重要な問題についても固まった姿勢があるということだ。自民党は伝統的に強い、独立した日本という路線を堅持してきている。これは(第2次世界大戦の)敗戦国というコンプレックスを克服し、自力で自国を守ることのできる国というものだ。一番の見どころは2019年、天皇の退位はこの年の意義ある出来事となり、大きな象徴的な意味を持つ。安倍氏が国の歴史に新たな時代が始まる(平成の元号がおわる)、その新たな時代を日本は刷新された憲法とそれによって地位を強固なものにした自衛隊と共に迎えねばならないというのはしかとした理由があるのだ。」

クリスティーナ・ヴォーダ氏は、自民党派閥は安倍氏が強い立場を保持しているうちは支持し続けるだろうとの見方を示している。ただし安倍氏の首相任期が終わりに近づくと、党内では政権争いが始まるものと見られている。それでも安倍氏が首相の任期中に自らが考案した改革をやり遂げた場合は、安倍氏が政権を去った後も、それらの改革は残るだろう。

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