03:56 2018年12月17日
羽生選手

フィギュアGPファイナル 羽生選手の欠場でバンクーバー大会は何を失うか

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アントン シチコフ
フィギュアスケートのグランプリファイナル2018バンクーバー大会 (19)
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日本の羽生結弦選手は怪我の回復が間に合わないことを理由に、12月6日から8日、バンクーバーで実施されるグランプリ(GP)ファイナルの出場権を破棄した。羽生選手は11月17日、GPモスクワ大会の練習で右足首を怪我。医師団はリハビリに専念し、出場を取りやめるよう進言した。羽生選手のやむを得ない棄権にファンが大きく失望することは間違いなく、それ以上にこれが彼のキャリアに影響することも否めない。またGPそれ自体が被るマイナスだって決して小さくはない。羽生の欠場でGPが一体どれくらいダメージを蒙ることになるか、分析してみよう。

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フィギュア男子のスターの欠場は観客動員数に影響しかねない。羽生選手の抱えるファン層はおそらく今までにない壮大なスケールを誇るもので、とっくの昔に日本のボーダーを超えている。GPにやってくる観客のかなりの部分をこうした人達が占めていることは、11月16-18日のモスクワ大会でもはっきり示された。

羽生ファンはロシアの、それもSNS上だけをとっても数万人は下らない。ロシアにだってもちろん、自国のフィギュアのスターがおり、国を挙げてエフゲニア・メドベージェワやアリーナ・ザギトワを応援している。だが羽生選手のファンのように全身全霊を捧げてまで応援する忠実さは、おそらく誰も勝ち得ていないのではないだろうか。

ロシアのマスコミの多くは、モスクワ大会の会場、アリーナ「メガスポルト」で大部分を占めたのがロシアの誇るアリーナ・ザギトワ選手のファンではなかったことに注目した。大方の席を占めていたのは日本からやって来たユヅの熱心なサポーターたちだったのだ。応援席に踊る夥しい数の日本語のプラカートは、GPは東京で行われているのでないかと一瞬惑わされるほどだった。

羽生選手を一目見たさに、世界のどこで行われようと必ず大会へはせ参じるファンは日本人だけではない。中国人、他のアジア諸国、欧州諸国にだって、それに劣らない、ものすごい数のユヅ・ファンがいる。モスクワ大会ではこれだけの数の羽生ファンが一気に押し寄せることを見越して、モスクワ市警は警戒態勢の強化を迫られた

メガスポーツ内のお土産ショップも大変な目にあった。ショップは羽生選手の出場にあわせ、膨大な数のくまのプーさんのぬいぐるみ、羽生選手のプラカードなど、4日間は絶対にもつはずだけの在庫を用意して待ち受けていたというのに、初日でそのうちの大半は売り切れてしまったからだ。

そういえばカナダだってこうした事態を予想して、モスクワに劣らぬ数のプーさんをすでに発注済みであることは想像に難くない。このため羽生欠場の知らせはファンだけでない、キオスクの経営者らを相当消沈させたはずだ。

また、羽生サポーター軍団がカナダに来なくなる(またはその数がかなり削減してしまう)ことで観客席はぽっかりと穴が開かないだろうか? 応援したいチームや選手が出場しなかったために観客動員数がガクンと落ち込んだ例は過去にいくつもある。たとえばこの夏のサッカーのワールドカップ。このW杯はまさかに次ぐまさかの連続だった。人気の最強代表チームが初期の段階で自分たちより弱いチームに敗退し、ロシアを去ったために、決勝近くの試合では一番熱いファンが集まるはずのゴール裏は空席が目立った。バンクーバーのファイナルでこうした事態が起こる恐れはあるだろうか? おそらくはないだろう。観客席に穴が生じるとしても、それほど大きな穴ではないと思われる。

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ウインタースポーツやフィギュアスケートはカナダでは特に人気が高い。プラスしてバンクーバーでの大会は中間的なものではなくファイナルだ。このため、なんだかんだと言っても観客動員はできるだろう。組織側の蒙る一番の経済損失はトレーラー数台分のプーさんと羽生プラカードの売れ残りに終わると思われる。

とはいえ、イベントが確実に失うものもある。それは羽生選手を応援する国際的なコミュニティが自分たちのスターが氷上に出るごとに醸す、あの独特の雰囲気だ。どんなに遠い席に座っていようと、自分の投げるプーさんがなんとかリンクの柵を超えて飛んで行ってくれ、と練習をかさねるサポーターたちも、今度ばかりはずっと落ち着いた行動をとるだろう。もちろんこれはイベントにプラスになることはない。

ただしこれで勝敗を狙うせめぎあいがさらに高まることは間違いない。五輪2冠王、世界記録保持者の絶対的な強者、羽生欠場は彼のライバルらを激しく駆り立てるはずだ。かなり面白い戦いになりそうなのが米国のネイサン・チェン(19)と日本の宇野 昌磨(19)。ふたりは先のミラノの世界選手権でそれぞれ1位、2位を占めている。また表彰台に上る可能性を十分に有しているのがチェコのミハル・ブジェジナ(28)と韓国のチャ・ジュンファン(17)。これらの選手もGPの受賞を経験している。 

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