20:12 2018年12月17日
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ベルばらの作者・池田理代子さん、ロシアでファンと対談「ロシア人は矛盾に満ちた神秘的な人々」

CC BY 2.0 / Kimberly Vardeman / Versailles © Sputnik / Vitaly Belousov
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徳山 あすか
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11月末から12月初めにかけて、「ベルサイユのばら」「オルフェウスの窓」「女帝エカテリーナ」などの作品で知られる漫画家の池田理代子さんがモスクワとサンクトペテルブルクを訪問し、大勢のファンと対談・交流した。イベントは第20回国際知的図書見本市non/fictionに合わせて実施され、国際交流基金がロシアの複数の団体とともに主催した。ソ連時代を含め池田さんがロシアを訪れるのは5回目。池田さんは「ここへ来るたび、ロシアの人々やロシアの文化がどんどん好きになる」と話した。

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フランス革命とマリー・アントワネットを題材にし、社会現象になった漫画「ベルサイユのばら」は、日本のみならず、ロシアを含めた世界中にファンがいる。残念ながらまだロシア語版の正式な翻訳は出版されていないが、愛好家によるロシア語訳は存在している。

ロシアと縁のある作品といえば真っ先に思い浮かぶのが、外国人でありながらロシア皇帝となったエカテリーナ二世をモチーフにした「女帝エカテリーナ」だ。当初、この話を出版社から提案されたとき、池田さんは「エカテリーナ二世と自分は何の共通点もない」と思い、一度断った。しかしアンリ・トロワイヤ氏の原作を読みかえすうちに、公私ともにパートナーとなった軍人ポチョムキンと出会って、一人で国を治める重圧から解放されたエカテリーナの心情に共感できたという。そして、名作が誕生した。

また、ロシア革命や第一次世界大戦を背景に、ドイツの音楽学校の若者を題材にした「オルフェウスの窓」は、池田さんにとって「生涯で一番大切な作品」だという。

池田さんはロシアの小説家の中でも特にドストエフスキーがお気に入りで、彼の作品の中に描かれているロシア人のメンタリティ、そして広大なロシアの自然にとても心をひかれると話している。

会場からは「ロシアの漫画界についてどう思うか」「漫画家に必要な素質は」「漫画とアニメでエンディングが違うのはなぜか」などたくさんの質問が飛び、池田さんは一つ一つ丁寧に答えていた。筆者は、モスクワ会場に集まったファンに対談イベントの感想を聞いてみた。

少しでも近くで見ようと一番前に陣取ったアナスタシアさんは「まさか池田先生に会えるとは、信じられません。伝説の人に会えたという気持ちです。残念ですが、ロシアでは翻訳も少なく、池田先生の作品はまだ広く浸透しているとは言えません。でも、ロシアのファンにとって、先生の漫画はとても大きい意味を持っています。まだ読んでいない作品を英語版やフランス語版で探したいと思います」と感激した様子で話してくれた。

夫婦そろってイベントを訪れた英語教師のクセーニアさんと数学家のニコライさん一家は、家族全員漫画が大好きだ。二人は「我が家で池田先生の一番熱心なファンなのは7歳の娘です。娘は漫画のおかげでフランス革命に興味を持ち始め、日本語のサマースクールにも通い、ひらがなが少し読めるようになりました」と話す。しかしクセーニアさんによると、日本のような紙媒体の漫画はとても少なく、子どもと一緒にオンラインで漫画を読むのは非常に不便だということだ。

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