若い日本人がモスクワの音楽コンクールで 卓越した演奏を見せ、審査員を驚かせた

© 写真 : tvkultura鳥羽咲音さん
鳥羽咲音さん - Sputnik 日本
サイン
モスクワで開催されている若い音楽家のための国際クラシック音楽コンクール「シェルクンチク(くるみ割り人形)」で、2人の日本人の女の子とロシア人の男の子1人がファイナルに進んだ。このコンクールには、8歳から15歳の子どもたち48人が12ヶ国から出場している。コンクールは今回が19回目で、ピアノ、弦楽器、管楽器・打楽器の3部門で構成されている。コンクールの全ステージがテレビチャンネル「文化」で中継放送されることから、ロシア国内ではとても人気のあるコンクールだ。

スプートニク日本

審査員には、ロシア、リトアニア、ドイツ、イタリア、スイスなどの著名な音楽家や教師が名を連ねている。2016年、「シェルクンチク(くるみ割り人形)」はヨーロッパ青少年のための音楽コンクール協会(EMCY)に加盟した。このことは、同コンクールが国際的に認知されていることを示している。

今年、日本を代表するのは11歳の村田夏帆(ヴァイオリン)と13歳の鳥羽咲音(チェロ)である。2人とも国内のコンクールでの優勝経験を持ち、大勢の観客や厳しい審査員の前で演奏するのは初めてではない。それでも、スプートニクの記者のインタビューでは、2人ともが、ファイナルに進みコンクールの閉会式で演奏することが夢だと語ってくれた。

© 写真 : tvkulturaダニラ・ベソノフさん
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ダニラ・ベソノフさん

この2人の女の子と、ロシア人のダニラ・ベソノフ(ヴァイオリン)が弦楽器部門の3人のファイナリストとなった。ダニラ・ベソノフはスプートニクのインタビューで、兄のイヴァンと弟のニキータを含め、家族全員が音楽家であることを教えてくれた。ダニラは4歳からヴァイオリンを始め、音楽院付属中央音楽学校で学んでいる。彼はスプートニクのインタビューで次のように語った。「僕の最大の夢は本物の偉大な音楽家になることです。そのためには強い意志と勤勉さ、なぜそうなりたいのかを理解することが必要です。けれど、他にも、サッカーをすることと、YouTube用の動画を作成することも好きです。」

© 写真 : tvkultura村田夏帆さん
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村田夏帆さん

茨城県水戸市出身の村田夏帆は3歳半のときに音楽を始めた。彼女の教師は有名なヴァイオリニストで、東京クヮルテットの創始者である原田幸一郎だ。2年前、村田夏帆は日本で行われた第1回白寿こどもヴァイオリンコンクールで優勝し、昨年はイタリアのイル・ピッコロ・ヴィオリーノ・マジコ国際コンクールで1位になった。モスクワでのコンクール「シェルクンチク(くるみ割り人形)」の第1選考では、ロシアのサラファンを着て舞台に上がった。彼女曰く、この衣装でファイナルコンサートに出たいのだという。彼女は演奏を終えて息つく間もなく、審査員の高評価に照れながら「沢山ヴァイオリニストを育てている先生もすごいと思ってくれていれば嬉しかった」とスプートニクの記者に話した。村田夏帆の好きな作曲家はチャイコフスキーで、憧れは神尾真由子、イツァーク・パールマン、マクシム・ヴェンゲーロフである。村田はプロの音楽家になることが夢で、「音楽の国だから、できたら留学してみたい」と、ロシアで学ぶことも厭わない。

© 写真 : tvkultura鳥羽咲音さん
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鳥羽咲音さん

鳥羽咲音は音楽家一家に生まれた。父親はヴァイオリニストで母親はピアニストだ。鳥羽は5歳でピアノを始め、8歳より毛利伯郎氏にチェロを師事。

Кадр из аниме Могила светлячков - Sputnik 日本
モスクワでボリショイアニメ・フェス開催中 ヘッドライナーは日本発作品
2017~2018年には、第18回泉の森ジュニアチェロコンクールを含め、数々のコンクールで優勝を果たした。鳥羽咲音の好きな曲は、ハチャトゥリアンの「スパルタクス」とチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」の音楽である。音楽以外にも、鳥羽は卓球と書道に熱中している。彼女もまた、プロのチェリストになりたいと考えている。コンクールに出場した第一印象をスプートニクの記者に次のように語ってくれた。「モスクワは初めてです。とても寒かったですが、ロシアの方々はとてもやさしくて温かいのでよかったです。ロシア語ができないので心配だったんですが、なんとか英語で辿り着けたと思います。演奏のことで心配はなかったです。日本でいくつかコンクールとか、そういう舞台の経験が多かったので、だんだん慣れてきて、この場に立てたかなと思います。私の場合は、毎日の練習が自分にとってすごくプラスになっていると思います。練習することによって自信がつき、舞台に出るときの怖さがなくなってくるので練習が一番大切です。ファイナルではチャイコフスキーのロココの主題による変奏曲の第6変奏と第7変奏を演奏できたらよいと思います。演奏するとき、私は、作曲家がどういう気持ちでこの曲を書いたのか、そういうことを考えて演奏しています。自分の気持ちと作曲家の持っている気持ちをうまくミックスして、それをよい音楽にしていけたらいいなと思っています。」

若い出場者の演奏について、審査員の一人で複数の外国の音楽院で名誉教授を務め、日本人の教え子も多いザハル・ブロン氏がコメントしてくれた。「若い出場者たちは皆、信じられないほどに才能豊かです。多くの出場者は、奥深くてとても難しい作品を良くこなしました。審査員にとっては選択が難しくなりますが、コンクールはコンクールです。日本の女の子たちは技術を完璧に習得しており、あんなに若いのに、演奏する作品に深く入り込むことができていました。これは彼女たちの将来のポテンシャルを物語っています。」

優勝者によるガラコンサートは12月11日、チャイコフスキー・コンサートホールで開催され、ロシア全土に中継放送される。

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