TPP合意 発効へ秒読み 加盟11か国に「最大のクリスマスプレゼント」

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茂木敏充経済再生担当相は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が12月30日に発効することについて、「今年最大のクリスマスプレゼント」と評した。TPPは条約参加11か国のうち過半数の6か国が批准プロセスを終了した後、発効する。茂木大臣はこれを「5日遅れだが、今年最大のクリスマスプレゼントとなる」と語り、喜びを表した。

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茂木大臣のこの声明は、11月20日、東京で開催された首席交渉官会合で表されたもの。会合参加者らはTPPへの加盟を希望する諸国との交渉を行う作業部会を創設し、その受け入れプロセスを構築する意図を確認しあった。これらは2019年1月末、TPP委員会の初回会合で採択される見通しとなっている。

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参加表明の筆頭に立っていたのはタイ。会合参加者は他にも加盟を希望している国、地域に対して進言を行ったほか、国内でのプロセスをすでに終えた日本およびオーストラリアとタリフ、ルールについて前提的な懇談も行った。タイは加盟に大きな関心を払っているが、12月11日付のバンコクポストによれば、その決定を来年2月まで延期することが明らかにされている。

高等経済学校の教授で世界経済国際関係研究所、上級学術研究員のアレクセイ・ポルタンスキー氏はスプートニクの取材に対して、TPPは世界貿易機関(WTO)を凌駕するチャンスを有しているとして、次のように語っている。

「トランプ氏が米国のTPPからの脱退を宣言した後、参加11か国はある種のショックを味わった。それでもTPPを維持し、改名する決定をとった。新しい名称は『環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定』(CPTPP)となった。

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これらの参加国がフォーマットを維持できたという事実はすでに成功を示す。なぜならば参加国のうち数か国は、米国の脱退で将来性は消えたとする、かなり悲観的な立場をとっていたからだ。それでも諸国はこうした疑いを払拭することに成功した。もちろん米国の脱退でプロジェクトのバリューは半減したが。CPTPP参加国の中には米国の連合国、パートナー国が多いが、CPTPPの多くは米国の保護貿易主義、孤立主義路線を支持していない。しかも米国のこうした路線は国際貿易規制を拒否しようとしている。TPPでもCPTPPでも冒頭にもテキストにもWTOの基準、規則の尊重がうたわれている。これは大半の国が自由化、グローバル化の道を進むつもりであることを物語っている。」

現時点でTPP加盟の関心を表しているのはタイ以外にもインドネシア、コロンビア、韓国、台湾。英国でさえEU離脱以降、TPP加盟への意向を表している。こうした中で日本は今もなお、米国が立場を変えて、TPPに舞い戻るのではないかという期待を捨ててはいない。トランプ大統領も米国の加盟条件がオバマ政権時よりも改善された暁には加盟もありうると述べている。

ポルタンスキー氏は、すでに現時点で米国がTPPへ戻る関心を示す兆候がいくつか認められるとして、さらに次のように語っている。

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「今年4月初めの時点でホワイトハウスでの会議でトランプ氏は側近から、米国にとってはこのパートナーシップ(編集部注:TPP)の中にいるほうが中国に対抗しやすいと聞かされている。トランプ氏は、『それなら戻ろう』と言い、『我々の提示する条件で』と付け加えた。これはつまり、米行政府のこのパートナーシップへの参加アプローチに修正もありうることを指す。米国人アナリストの多くは米国がTPP加盟を退けたことを後悔しているはずだ。だが、すべてが変わる可能性もある。」

このTPPの他にも多くの国の間で今、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)創設に関する交渉が行われている。これにTPPの全加盟国が参加しようとしている。このプロジェクトは地球上の人口の半分と世界のGDPの半分を網羅するものとなる。とはいっても実際は、各国の立場の違いから創設は先送りされている。

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