09:04 2019年01月23日
クジラをめぐる苦難:日本は孤立しているのか?

クジラをめぐる苦難:日本は孤立しているのか?

© AFP 2018 / YOSHIKAZU TSUNO
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日本は、加盟国が捕鯨の全面禁止を謳う国際捕鯨委員会(International Whaling Commission IWC)から脱退することを決めた。この措置は予想通り、複数の国や環境団体の抗議を生んだ。スプートニクは日本の捕鯨に賛成と反対の主な論拠を検討した。

スプートニク日本

・日本に対する主な非難

ロシア科学アカデミー・シルショフ海洋研究所海洋哺乳類研究室のアントン・チェルニツキー研究員によると、日本が最も非難されているのはイワシクジラ(sei whale)の捕獲だという。「イワシクジラは20世紀半ば、より大型のシロナガスクジラとナガスクジラが駆逐された後、主要な捕鯨対象種となった。現在、イワシクジラは国際自然保護連合(IUCN)のレッドデータブックに掲載され、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)のリストにも掲載されている。このリストには、その動物の肉の貿易が種の存続に悪影響を及ぼす種が掲載されている。

・捕鯨反対の論拠

現代の日本人が鯨肉を熱愛しているというのは神話でしかない。現在の日本はあらゆる食肉を輸出することができ、戦後の1940年代から60年代のように食用のための捕鯨はすでに必要なくなっている。この意見にはアントン・チェルニツキー氏も同意しており、次のように語っている。「第二次世界大戦後、日本の捕鯨者が数百万人の国民を飢餓から救ったのは確かだ。しかし現在、鯨肉を定期的に食する日本人は人口の10%以下であり、そのような必要性はなくなっている。日本社会は鯨肉を主に懐かしんでいる。」

鯨肉市場そのものも小さく、捕鯨国(アイスランド、ノルウェー、日本)でさえも市場規模は縮小を続けている。これは、人々が他の種類の肉やベジタリアンに移行していること、そして鯨肉に含まれる有害物質の量が増加していることが原因だ。

日本で販売された鯨肉を試験したところ、水銀やその他の有害物質の含有量が高いことが示された。

・日本政府の論拠

捕鯨は日本だけでなく、ノルウェーとアイスランドも行っている。「ノルウェーとアイスランドは国際捕鯨委員会(IWC)の捕鯨禁止に関する文書に署名していない。これらの国々はIWCの要求を公然と無視し、独自の捕鯨枠を設けている。ノルウェーは毎年最大1000頭の商用捕鯨を行っている。レッドデータブックに掲載されているナガスクジラ(Balaenoptera physalus)や妊娠・授乳中のメスの小型のナガスクジラさえも捕鯨対象から外されていない。」

・クジラを駆逐したのは日本人ではなく、ヨーロッパ人

日本の調査捕鯨 177頭を捕獲
© 写真 : Jorge Cervera Hauser
200年にわたってヨーロッパの捕鯨者は、照明用の鯨油と女性のコルセット用の鯨のひげを獲る目的で、クジラを駆逐してきた。石油製品という鯨油の代用品が見つかって初めて、文明世界は残酷な捕鯨をやめたのである。

・研究者の論拠:自然は空白を許さない

野蛮な絶滅行為が行われていた時代にシロナガスクジラはほぼ自然界から排除されてしまった。そして、個体数が戻ったときには、すでにシロナガスクジラの居場所はなくなっていた。自然界でシロナガスクジラが占めいていた位置は別の種類のナガスクジラに取って代わられており、エサの量には限りがある。そのため、あらゆる希少種の海洋哺乳類はその個体数を減少させないことが重要なのである。

しかし、別の意見もある。クジラは食物連鎖のトップにあり、海中で他の種のエサにはなっていないため、クジラが消えても他の動物や海洋環境に影響を及ぼすことは無いと考えられている。

・クジラ維持への日本の寄与:「維持するために調査する」

日本は商業捕鯨で批判されるが、日本鯨類研究所(Institute of Cetacean Research, ICR)は南極海と北太平洋での鯨類の個体数調査に大きく寄与した。アントン・チェルニツキー氏は次のように指摘する。「日本の研究者はツノシマクジラ(Balaenoptera omurai)やニタリクジラ(Balaenoptera edeni)やピグミーシロナガスクジラといった新しいクジラの亜種を調査・記録してきた。彼らの研究は「維持して合理的に利用するために研究する」と呼べると思う。例えば、日本は研究目的でクジラが捕獲された場合、その鯨肉を捨てるのは合理的ではないと考えている。」

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自然, 動物, 日本
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