お気に入りのマンガと一緒に夜をお過ごしください!コミック愛好家のための珍しいホテル、東京で開業へ

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2019年2月、あるホテルが東京・神保町エリアで開業する。その設立に携わった人々は、「このホテルでは、眠り込んでしまうことは全くできない」と明言している。この「マンガ・アート・ホテル・トーキョー(MANGA ART HOTEL, TOKYO)」は、専らマンガファン向けとなる初のカプセルホテルだ。これまでの人生で1冊もコミックスを読み切ったことがないスプートニク特派員が、オープン直前の同ホテルに滞在し、自ら受けた印象について語る。

スプートニク日本

これが本当にホテル?

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神保町は恐らく、東京で最も書店が多い地区だ。ここでは歩を進めるたびに、書店、出版社の事務所、数多くの古本屋に出会うことができる。マンガ・アート・ホテル・トーキョーを設立した人々は、この地区に関する伝統的なイメージから埃を払い落として「神保町エリアを、マンガの街に」(同ホテルのビジョンより)変貌させることを決意した。

その1人である若手企業家、吉玉泰和氏はスプートニクに対し、この一風変わったホテルをオープンさせる構想がどのように生まれたのかについて、次のように語っている。「マンガが好きだということが一番大きいですね。バックグラウンドがホテルなので、それと何かをかけて事業をやろうとしたときに、いくつか候補はありました。その中でもマンガは世界に発信できる日本文化ですし、色々な人が来て楽しめるということ、文字が日本語でも絵があるから楽しめるし、情報媒体としておもしろいなと感じていたので、マンガというコンセプトに決めました。」

今回の新たなホテルは、オフィスビル「ランドプール・カンダ・テラス(LANDPOOL KANDA TERRACE)」内のフロア2階分を占めている。内部に入ってみると、自分が今ホテルの中にいるのだということをすぐには理解できない。寝室である各カプセルは、本棚の背後に巧みに隠されているため、神保町にあるいつものような書店に間違って入り込んだかのように思える。

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このホテルのデザインを担当した建築家の山之内淡氏の話によると、ホテルの空間全体のデザインと配色は、家具ではなく本に力点が置かれるような形で仕上げられ、マンガの各巻はカバーと装丁の配色を考慮に入れて棚に並べられている。

カプセルそのものは、読書から気を逸らすようなものが何もないようにデザインされている。徹夜で本とともに過ごせるよう、柔らかい光を放つ照明や快適なマットレス、十分な広さの空間が用意されている。身長181センチの筆者でも、カプセルの中は快適だった。

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ホテルを企画した人々の話では、「『すべてのものに神さまが宿る』という日本古来の思想を現代的に翻訳した空間を目指している」という。山之内氏は、宿泊客がホテルの環境の中で、自然のままの素材や簡素なデザインといった、伝統的な日本建築の特色を感じ取ることができると指摘している。建築家たちによるこれらのトリックについては、機能していると認めるべきだろう。「マンガ・ルーム(MANGA ROOM)」と名づけられた空間を見回せば、すぐに快適なパジャマに着替えて読書にふけりたいという気持ちになる。

何を読むべきか?

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ホテルを設立した御子柴雅慶、吉玉泰和の両氏は、お客さんにとってどんなマンガが面白いか、個人的な見方に基づいて、5千冊のマンガを選び出した。気に入ったマンガはどれでも手にとれるし、気に入れば購入することもできる。だが、男性と女性ではフロアが異なっており、男女それぞれに向けた品揃えは全く違っている。

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御子柴氏は、ジャンルを選び出す際の原則について、「こういう作品でこういう共感を呼べるものとすれば女性かな、これだったら男性かな、と考えました」と記者らに対し説明している。

これは特に筆者が指摘したいことだが、女性向けに選び出されたマンガの数々は、取材した我々を非常に驚かせた。可愛い猫たちの物語が並ぶその同じ棚に、他の女性との性的経験を通して、孤独とうつ病に打ち勝とうとする若い女性を描いた『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』や、30歳の女性と12歳の少年の間の愛を描いた『私の少年』など、通常とは異なる性的指向を取り上げたり、精神障害を抱えた人々を扱ったりした複雑なストーリーのマンガが配置されているのだ。

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山之内淡氏 - Sputnik 日本
山之内淡氏

一方、男性用のフロアでは、『ドラゴンボール』のようなより古典的なシリーズと、数々のバトルや学校での日常を描いたマンガがメインにラインナップされている。企画を立てた人々は、「女性向け」に選ばれたマンガに幅を持たせるため、全く「女性向けでない」マンガにも出会うようにしてあると説明している。同様に、「男性向け」の作品群の中にも、少女向け作品が含まれている。

それぞれのマンガには説明文が添えられているため、自分が気に入った話を我々取材班も選ぶことができた。

外国人観光客は、英語で書かれた約800作品を手にとることができる。吉玉氏の話によると、需要次第では他の複数の言語で書かれた作品も用意する可能性があるという。

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吉玉泰和氏 - Sputnik 日本
吉玉泰和氏

我々は、「もしマンガ家が自分の作品をこのホテルで読んでもらいたかったら、どうしたら良いでしょうか」との質問を吉玉氏に投げかけた。

これに対し吉玉氏は、「そういう話はまだ来ていないのでわかりませんが、来たら逆に面白いので、その方と話をしてみたいですね。それがどういう作品なのか、また、自分たちがどういう施設でどういう作品を置いているのかを伝えて、コラボして作品が作れたら本当におもしろいですね」と答えてくれた。

マンガ・アート・ホテル・トーキョーはの開業は2月上旬。既に公式サイトから予約可能だ。

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