スプートニク日本
これを考え出した8年生の担任教師であるシェンウェイ氏は、休暇が始まる前に生徒全員を体重計にのせ、全員の体重を記録した。彼のアイデアはネット上で大きな反響を呼んだ。多くの人がこのやり方には良い面があるとして、次のように教師を支持した。
「子どもは口に入れるものを気にするようになり、食べる量も少なくなる。これは子どもの自己管理能力を育む。それに、肥満は百害あって一利無しだ。たとえ子どもが体重を増やしたとしても、スポーツをしなくてはならなくなり、これもまた健康によい。これは必須措置だと思う。」
しかし、教師のこのアイデアに絶対に反対という人もいる。
「アイデア自体は悪くないが、実施方法が不適切だ。すべては希望制であるべきだった。しかも、女の子にとって体重は非常にプライベートなことでもある。」
South China Morning Postによると、中国は肥満児の数で世界一である。 このような統計データが得られた原因と、杭州の教師の手法が問題解決に役立つのかどうかについて、2級心理カウンセラーの小雪萍がスプートニクに語ってくれた。
小雪萍氏は最新の研究に触れつつ、中国では面白い傾向が見られると語った。祖父母に「育てられて」いる子どもたちの方が、常に両親と一緒にいる子どもたちよりもはるかに肥満になりやすい傾向があるというのだ。
小雪萍氏は次のように説明する。「祖父母の世代は多くの困窮を味わってきた。そのため、孫にたくさん食べさせることで、孫への愛を示しているのだ。」
彼によると、罰を与えると言ったところで、そのような子どもたちが体重をコントロールするのは難しいだろうという。なぜなら、たとえ子どもが常に運動していたとしても、さまざまなおいしい料理で誘惑する祖父母も常にそばにいるからだ。
小雪萍氏は「子どもの肥満がこの2つの要因に起因している場合、教師が考案した問題解決策はうまくいかない」と言う。
中国では、この十数年間で、肥満の子どものみならず、肥満の大人の数も大幅に増加した。これは間違った食事だけの問題ではなく、ストレスの増加にも関連している。
小雪萍氏は言う。「現代人は常にストレスにさらされている。子どもの負担もとても大きい。学校の授業も多く、休暇中もさまざまなクラブ活動や課外活動がある。食べることが彼らのストレス対処法なのだ。」