14:44 2019年06月16日
木村三浩代表

クリミア併合5年:一水会木村代表「国際的な不正義、日本人として声をあげるべき」制裁のしわ寄せは一般市民に

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徳山 あすか
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18日、ロシアがクリミア半島を併合してから5年を迎えた。一水会の木村三浩代表は、2014年8月にクリミアを初訪問して以来、10回にわたって現地を訪れ、要人や住民との懇談、経済フォーラムへの参加、日本語普及活動、日本のミュージシャンによるコンサートの開催などを行なってきた。2015年3月の鳩山由紀夫元首相のクリミア訪問も、木村氏を通じたものだった。木村氏は、これらの多面的な活動は「クリミアを孤立させないため」だと話す。併合5周年を迎えるにあたり、話を聞いた。

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木村氏「道路、橋などのインフラがどんどん整ってきて、ロシアとの結びつき、一体感が強化されているように見えます。クリミア復帰から5年、『併合』でなくてあえて『復帰』という言葉を使いますが、国際社会はそういう現状を見ようとしていません。クリミアの人々の選択は正しかったと思いますし、実際に皆さん復帰を喜んだわけですが、その『仕打ち』として一般市民がしわ寄せを受けているのです」

その最たる例が、クリミアに住んでいるというだけで思うように海外渡航ができないことだ。木村氏はこれを「世界市民としての権利の剥奪」だと言う。例えば、木村氏が出会った空手家は日本に行きたがっていたが、住所がクリミアなので、日本のビザがおりない。留学を予定していた人も同様だ。クリミアをウクライナ領とみなす国々は、「自称」ロシア連邦クリミア共和国市民の入国を受け入れるわけにいかない、というのである。

木村氏「復帰して良かったと言う一方で、そういうことがあると、住民から不満が出てくるのは、よくわかります。経済制裁のせいでロシア企業も思うようにクリミアに投資できないという事情もあります。制裁によって一般市民の不満を高める手法は、今のベネズエラ情勢とも似ています。そういう仕打ちを受けている人々を孤立させてはいけません。自分は微力ですが、クリミアを訪問して交流をはかることで、『あなたたちは孤立していない』というメッセージを送りたいと思っています」

最近クリミアは、「人権」というキーワードを使ってメディアに取り上げられることが多い。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は定期的にウクライナの人権状況に関する報告を出しており、クリミアでは特にタタール人の人権が迫害されているとしている。これに対しロシア側は、OHCHRがクリミアで実地調査を行なわず、ウクライナ本土からの遠隔調査によって報告書が作成されたことを批判している。昨年12月には国連総会で、ウクライナが提出した「クリミアでの人権状況」に関する反ロシアの決議案が採択された。

クリミアに住むタタール人とも対話を重ねてきた木村氏は、現場に入らずして現地の人権事情を語る声に批判する。

木村氏「依然として、クリミアはロシアによって力で併合されたと言う人もいますが、そういう人は現地に行ってリサーチしたことがあるのでしょうか?ロシアが、クリミアの人々の人権を侵害しているという報道については、ロシアを封じ込めるためのひとつの名目として、『活用』されていると思います。ロシアを批判する国は、自国の勢力や権益を拡大するために、人権問題を利用しているだけであって、本当にクリミアの人権を心配しているわけではありません。そこにダブルスタンダード、いかがわしさがあるのです」

日本ではクリミアというと紛争のイメージがあるが、実際、クリミアのリゾート地としての人気はとても高い。ウクライナのポロシェンコ大統領は自国民に対しクリミアを訪問しないよう呼びかけているが、夏場のクリミアはウクライナからの観光客でごった返し、駐車場はウクライナナンバーの車で埋まり、人々はビーチで日焼けを楽しんでいる。

木村氏「一般のウクライナ人旅行者も、たくさんクリミアを訪れています。クリミアはとても風光明媚な場所で、そこで普通に人々が生活しているという日常がありますが、そういうことが日本では知られていません。私は日本国内でこういった情報をあちこちで発信し、日本人として、国際的な不正義には声をあげていかなければならないと考えています」

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