11:12 2019年07月20日
国際北極圏フォーラム

「ロシアとの協力案件が増えるよう日本企業を支援」国際北極圏フォーラム

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徳山 あすか
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9日、ロシア・サンクトペテルブルクで行われている第5回国際北極圏フォーラムに参加した外務省総合外交政策局の長岡寛介参事官は、スプートニクのインタビューに応じ、日本政府は北極圏においてロシアと付加価値を高める協力をするとともに、日本企業を積極的にバックアップしていく姿勢を明らかにした。日本の外務省から同フォーラムに参加するのは今回で2回目だ。

スプートニク日本

国際北極圏フォーラムは、ロシアにとって重要な北極政策に焦点をあてたもので、回を追うごとに規模を拡大している。プーチン大統領も欠かさず出席し、各国の政財界の代表者の意見交換の場となっている。長岡氏は、このフォーラムは「日本が望む北極のあり方を発信する良い機会」だと話す。

長岡氏「2015年に『北極政策』を発表して以降、日本は政府横断的に協力を進め、科学者や民間企業、他のステークホルダーとともに、オールジャパンで積極的に取り組んできました。今回のようなフォーラムに出席し、日本が望ましいと思っている北極のあり方を発信することは非常に大事です。」

近年、日本は北極に関する情報発信を重視している。昨年10月、河野太郎外相は、アイスランドのレイキャビクで開催された国際会議「北極サークル」に、日本の外務大臣として初めて出席し、国際社会にとって望ましい北極のあり方について基調講演を行った。また、政府として科学研究や企業の取り組みなど、北極に関するあらゆる情報を一元化し、多言語で情報提供するホームページも設ける。

長岡氏「日本の学者による北極圏の研究開発には長い歴史がありますが、それぞれの分野ごとに行っていて、北極というものを包括的に捉えるような形にはなっていませんでした。北極について包括的にまとめ、具体例を交えて説明するというのは、日本国民に対しての重要なメッセージであるとともに、国際的な分野における日本の協力の可能性を示す重要なツールでもあります。」

日本は北極圏における観測・研究体制の強化はもちろん、北極における違法漁業の取り締まりなど、従来の国際ルールでは十分にカバーできていない分野での新ルール作りにも積極的に参加している。また、2015年の「北極政策」に加え、2018年の「第3期海洋基本計画」において、北極について初めて独立したチャプターを設けた。これは北極政策の肉付けとでもいうべきものだ。

長岡氏は、北極圏における日露協力には、民間の積極的な参加が欠かせないと指摘する。

長岡氏「北極における日露協力は日露関係の重要な柱です。双方にとって重要なのは経済面での協力で、北極海航路に日本企業が関わったり、ヤマル・プロジェクトに日本企業が参画したり、JBICが融資を行ったりと、すでに具体的な例があります。政府としてはさらに日本企業の関心が高まるよう側面支援して、具体的な協力案件がもっと増えるようバックアップしていきます。『アルクチクLNG−2プロジェクト』については、JOGMECとロシア最大の天然ガス会社『ノヴァテク』が昨年、 協力覚書を締結し、フィージビリティ調査(実行可能性調査) を行なっています。ここで得られた情報も、民間企業と共有しながら、ビジネスを後押ししていきたいと思っています。もちろん最終的に個々の企業の経営判断なので、それを政府として押し付けることはできませんが、もし企業が何か具体的な問題やトラブルに直面しているのであれば、それを助けるのも政府の役目です。」

科学技術分野や、気候変動の影響を含めた観測技術分野では、日露にはすでに長い協力の歴史がある。

長岡氏「特に日本の国立極地研究所と、ロシア北極南極研究所は協力関係にあり、ロシアのケープ・バラノバ基地で、共同の観測を行うことになっています。ブラックカーボンの測定にあたっては日本が開発した機器が使用されます。ロシアは科学者の研究の高レベル性など、他の国にはない様々な知見・経験があります。日本の力をそこに足し合わせることで、更に付加価値が高められるよう、協力を進めていきたいと思います。」

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