06:39 2019年11月18日
 F35-A

F35は戦闘機か、「高価な軍事用玩具」か?

© AFP 2019 / Jiji Press
ルポルタージュ
短縮 URL
筆者 :
未来の戦争 世界各国の軍事バランスはどう維持されているか (161)
1163
でフォローする

日本の岩屋毅防衛大臣は消息を絶った航空自衛隊のF35A機が墜落したことを明らかにした。現段階では搭乗していたパイロット(40)の捜査に全力が注がれている。製造されてわずか1年の機体が墜落した原因は未だに明らかにされていない。一方でこれから5年にわたって日本は米国から27機のF35Aを買い上げる計画であることははっきりしている。防衛省の公式サイトによれば、F35Aの価格は1機が116億円。この巨額な購入費がこれから日本の納税者の肩にのしかかってくる。

スプートニク日本

第5世代の戦闘機がなぜ墜落したのか。その原因についてスプートニクはロシア人軍事専門家のユーリー・クヌートフ氏に取材を行った。クヌートフ氏は米国の最新鋭機の墜落を知った瞬間、膨大な数の疑問が頭に浮かんだと語っている。

「一番の疑問は、これだけハイクラスの飛行機でありながら、なぜ事故後、パイロットに関する情報もなく、彼がどこにいるのかも分からないのか、ということだ。パイロットはなぜ操縦不可能になったことを知らせなかったのか、なぜ緊急脱出装置を作動させなかったのか、そしてこれが究極なのだが、何が原因で非常用位置指示無線標識装置は作動しなかったのか。事故の後、これが最初に頭に浮かんだ疑問だった。」

クヌートフ氏は、F35A機には独自の優位性があるものの、緊急事態ではこれらは一瞬のうちに短所に変わってしまうと指摘している。

「例えばF35Aの搭載するエンジンはわずか1基。これは機体の軽量化と操縦性を大きく高める。だが同時にエンジンが1基のみということはパイロットにしてみれば潜在的な危険をはらんでいる。2基あれば、1基が故障しても別のエンジンで飛行し続けることはできるからだが、F35Aの場合はこうした可能性は絶たれている。この他にもこの型の飛行機は防御性が極めて低い。F35Aの製造にはステルス技術が用いられていることから、機体に何かが落下したり、単に鳥が衝突しただけでもユニットやブロックは簡単に故障しかねない。F35Aの整備にシャシー用、胴体用、エンジン用と数種類の手袋が要されるのもれっきとした理由がある。これを正しく使わない場合、戦闘機はいとも簡単に壊れてしまう。」

だがクヌートフ氏は、F35Aの最大の問題はソフトウェアにあるとしている。生じた不具合からみて、このソフトウェアはWindows10のように常に変化している。

「いくつかのケースではF35Aのコンピューターソフトはニューロネットのように機能し、情報の収集、読み込みを行ってしまう。がこれは戦闘機には極めて尋常ではない。なぜなら通常、これに従事するのは偵察機であり、戦闘機ではないからだ。複雑なコンピューター機能が不具合を引き起こす可能性は十分ある。いずれにせよ、民間航空で起きたボーイング737の事故原因のひとつはまさに、操縦システムがあまりにも『賢すぎた』からだと言われている。」

ボーイング737が2018年にインドネシアで、また2019年にエチオピアで事故を起こした際に、ロシア人パイロットとして豊かな飛行経験を持つキリル・ルィチコフ氏が「コムソモーリスカヤ・プラヴダ」紙からの取材に、2つの墜落事故とも離陸後わずか数分で起きていることを指摘していた。ルィチコフ氏は、このことはエンジンには不具合がなかったことを物語っているとみている。つまり問題が生じたのは操縦システムだったということになる。この操縦システムとは失速警報装置の最新バージョンだが、何らかの理由で正常に機能せず、パイロットのほうも手動でこれを変更することができなかった。捜査でも、ボーイング737Maxのインドネシアとエチオピアの事故状況の類似点が明らかにされた。このことをロイターブルームバーグが消息筋からの情報として報じている。

クヌートフ氏は、F35Aはこうした短所があることから戦闘機というよりはむしろ軍人用の「高価な玩具」になり下がっていると断言する。製造に巨額の資金が要された以上、米国としてはこのモデルを時々リニューアルし、最大限多くの国に売りつけることで、生産にかかった費用を部分的でも補填せざるをえないのだ。 

NATO内の米国の同盟国の中には、様々な理由をつけてF35Aの購入拒否または購入台数の削減を宣言する国が次第に増えている。そうした国の中にはイタリア、ドイツ、英国も含まれている。

関連ニュース

岩屋防衛相、戦闘機F35Aは墜落と断定

トピック
未来の戦争 世界各国の軍事バランスはどう維持されているか (161)
タグ
F-35, 事件, 軍事, 日本, 米国
コメント・ガイドディスカッション
Facebook経由でコメントスプートニク経由でコメント
  • コメント