06:22 2019年06月27日
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華為技術へ制裁なら米Appleにはしっぺ返し ロシア人専門家

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グーグルは5月20日、中国の国外で売られる華為技術(ファーウェイ)とそのサブブランドのHonor製のスマートフォンに対してはAndrоidのOSの主要機能の使用停止を発表した。正確な制限リストの発表は数週間内に行われるが、現時点ではYouTube、Googleマップなどが禁止対象になるものとみられている。これまでの報道で華為技術社はトランプ米大統領がいわゆる「米国の国家安全保障に反する活動」を行っていると断定する外国企業のブラックリストに入れられており、同社は米政府の前提的な承認を得ずに米国内で部材を購入できなくなっていた。華為技術社に対する米国の制裁は同社に限らず、世界経済に、特に日本経済にどういう影響を及ぼすことになるのだろうか。スプートニクがこれを取材した。

スプートニク日本

今の段階では全面的な大事には至っておらず、唯一、深刻な問題になるのはすでに華為技術、Honorの機種を使っている人はアプリの更新ができなくなるということだ。すでに製造され、まだ販売されていないスマホも、今後2-3か月で市場に出回る製品も機能に問題は生じない。この一時的なインターバルは貿易戦争の当事国らにとっては調整期間となる。ただし米中が合意に至らなかった場合、2019年末、GoogleがAndrоid新バージョンを発売する時には、中国ブランドの全機種がAndrоidのOSを使用することができない。

華為技術はオープンソースのAndrоidOSであれば従来通り使用することができる。華為技術の広報部は、同社はすでに使用されている、または世界市場で今、売られている現行の華為技術、Honorのスマホ、タブレットの全機種に関し、安全システム、メインテナンスサービス用の更新を続けていくことを明らかにしている。

米国が中国の通信機器メーカーに対して制裁を発動した場合、影響が出るのは当事者の中国企業だけではない。そのパートナー会社も無事ではいられない。麻生太郎財務相も先日の会見で、日本にも華為技術に部品を供給する会社があることから、影響は免れないと憂慮を表していた。

事態がどれほど深刻であり、米中の国益のぶつかり合いによる損失をどういった外国企業が被りかねないかについて、ロシアの投資分析企業「アリパリ」社の上級アナリスト、アンナ・ボドロヴァ氏は個人的な予測を次のように語っている。

「米国のオフィシャルな制限リストはまだ公表されていないが、理屈の上では日本企業も台湾、韓国の会社も多く被害を被りうることは確かだ。より広範に考えると、どんなにしてもその影響は太平洋地域のハイテク製品の生産連鎖全体に及ぶ。被害規模があまりにも巨大となるという意味で、私は制裁の意義に疑問を呈している。もし米国が中国と全面的な貿易戦争を行う構えであるなら、それは米国自体の国益にも大きく跳ね返ってくるはずだからだ。今の段階では制裁は口頭の上だけのもので、プレス、ツィッターなどを通した声明に限定されている。私は、これはまだ終わっていない貿易交渉で中国に圧力を講じようとする米国のメカニズムだと思う。中国は中米の摩擦が悪化すれば、それと裏映しの報復を行うはずだ。それはサプライヤーであれ、部材、コンピューター機器、サーバー、エレクトロニクス、チップのメーカーであれ、中国での販売に依存する、いかなる外国企業にとっても破壊的なものとなる恐れがある。生産の著しい部分を中国領内で行うAppleだって例外ではない。今まで宣言された制裁の発動が未だに遅延しているのは、中国に熟慮の時間を与えるためなのだが、中国は現在、経済でも政治でも今までにないほど強大になってしまっている…。」

ボドロヴァ氏いわく、不確かな時間が長引く間に「市場はすでに評決を下した」状態になっている。華為技術のサプライヤーである大企業の株価は日本企業も含め、多くが下落しはじめた。

華為技術とビジネス関係にある日本企業は100社はくだらない。2018年に華為技術が日本企業から買い上げた部品は総額で66億ドルで、今年2019年はこれを80億ドルにまで伸ばす計画が立てられている。日本経済新聞の調べでは、華為技術が買い上げる部材は年間総額でおよそ670億ドル。世界のスマホ売り上げ台数では華為技術はシェアの19%を占めて第2位。2019年第1四半期だけでも販売台数はすでに5900万台を突破している。おひざ元の中国市場で米国の制裁の影響が実質的にはみとめられないほどであるならば、この先、世界市場で華為技術製品がどういう運命をたどるかはまだ不明だ。

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