ロシア語コンクール入賞者のインタビュー 初心忘るべからず

© 写真 : 東京ロシア語学院宮本麻里さんと藤田仁さん
宮本麻里さんと藤田仁さん - Sputnik 日本
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6月16日、東京ロシア語学院において第48回全国ロシア語コンクールが開催された。コンクールは日本ユーラシア協会との共催で、ロシア語の運用能力を高め、ロシア語を話す人々との交流・友好の発展を目的として開催されている。特筆すべきは、今回のコンクールが東京ロシア語学院の開校70周年の年に開催されたということだ。同校は5月9日に開校記念日を迎えた。

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コンクールは初級部門と一般部門の2つの部門で開催された。原則として、ロシア語を母語とする人、過去のコンクール優勝者、プロの通訳翻訳者を除き、誰でもロシア語能力を試したいと願えば参加することができる。2019年の初級部門では、わずか7ヶ月前にロシア語を始めたばかりの宮本麻里さんが優勝した。一般部門では、ロシア語を勉強して2年2ヶ月の藤田仁さんが優勝した。2人とも東京ロシア語学院の学生だ。

宮本麻里さんのスピーチの題名は「ロシアは平和を歌う」である。本人が詳細をスプートニクのインタビューで語ってくれた。

スプートニク:コンクールのスピーチでは何について語ったのですか?

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宮本麻里さん:私の友達がロシア語と物理学を学んでいます。それで、ロシアの色々な歌を教えてくれました。その中で軍歌が印象に残りました。日本では、あまりロシアのことは知られていないんですけど、でも、日本の軍歌はどちらかというと戦争に行きなさいと言うんですけど、ロシアの軍歌は戦争に行きたくないと歌っていたのがとても印象的で、私は、ロシア人はとても平和を望んでいるのだということを伝えました。

スプートニク:ロシア語に関心を持ったのはいつ頃ですか?ロシアに行ったことはありますか?

© 写真 : 東京ロシア語学院宮本麻里さん
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宮本麻里さん

宮本麻里さん:いつだったかは、正直、そこまで覚えていないんですけど、昔からなんとなくロシアの神秘的な魅力に惹かれていました。子どものころから。でも、ロシア語を学ぼうと思ったのは最近です。私はまだウラジオストクにしか行ったことがないのですが、「おはよう」とか「こんにちは」しか言えないままホームステイをしました。ホームステイ先のママがすごく優しくて、私の拙い言葉で、本当に聴くのは大変だったと思うんですけど、そこでロシア人がこんなに優しいんだということを知りました。去年の夏のことです。ロシアの人たちは皆とても優しかったです。料理も大好きです。おいしくて、最近は家でいつも作っています。

スプートニク:ロシア語の勉強を続けたいですか?今後の人生でロシア語を使いたいですか?

宮本麻里さん:はい、もっと上手になりたいと思っています。将来、ロシアと日本をつなげられるぐらい勉強したいと思っています。それでお金をもらえるかどうかは、そのときの自分のレベルなので分からないですけれど。自分の人生を、日露関係の架け橋になれたらいいなと思っています。

一般部門で優勝した藤田仁さんは、「学校でのいじめ」というテーマのエッセイを披露した。どのようにしてテーマを選んだのか、スプートニクに語ってくれた。

藤田仁さん:このテーマに決めたとき、ロシアの情報も色々探したんですけれど、どうにも十分に集まらなかったので、日本の問題にだけ注目して話しました。これは日本社会に共通の問題でもありますし、私自身いじめられたことも、いじめたこともあるんで、何か自分が役に立てるんじゃないかなと思って、自分の考えを述べました。私も(この問題の)解決方法は今のところないという結論で終わったんですけれども、例えば、解決するのは難しいですけれど、子どものために何か逃げ場みたいなのを用意してあげようという結論で締めました。例えば、学校とか家庭以外に何か別のグループに属さないと、問題になったときに耐えられないから、別の場所、逃げ場を用意してあげましょう、と。

スプートニク:確かに深刻な問題ですね。子ども時代の恐怖と苦労は、大人になってからの人生に影を落とすことも少なくありません。ロシア語の勉強を始めたきっかけは何ですか?

藤田仁さん:私は中学生だったころに、ツルゲーネフの著作をいくつか読みました。もちろん、日本にも優れた翻訳家が沢山いるので、しっかり翻訳された良いものを読んだんですけれども、それでもツルゲーネフの作品を理解しきれていないように感じたんです。なんだか上辺だけをなぞったような気がして。ツルゲーネフの自分の気に入った作品をちゃんと理解するには、自分自身がロシア語に習熟しないと無理なんじゃないかと思って、一念発起、ロシア語の勉強を始めました。他に好きな作家はコンスタンチン・パウストフスキーとか。すごく好きです。日本人は皆、好きなんじゃないかなと思います。

スプートニク:ロシアに行ったことはありますか?

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藤田仁さん:モスクワとウラジオストクには行ったことがあります。自分はロシア語を勉強しているけれど、やっぱりネイティブの人に通じるかどうか不安だったんです。けれども、初対面の人も辛抱強く、私の言ったことを理解しようとしてくれたりするので、非常にいい勉強にもなりましたし、やっぱり文化が違う国にしばらく滞在するというのは楽しかったですね。

スプートニク:日本でロシア語を使う機会はありますか?例えば、2020年のオリンピックでのボランティアはどうでしょう?自分のキャリアとロシア語を結びつけて考えていますか?

藤田仁さん:日本にロシア語のできる人はすごく数が少ないので、それこそオリンピックはそういった人材を求めていますし、もしお役に立てるんだったら、参加したいと思っています。仕事の件ですが、まだ分からないですけれど、できればロシア語と関係のある仕事を見つけて就きたいなと考えています。私は今、ロシアの文化に関心を持っているので、日本の会社でも、ロシアの会社でも、ロシアで実際に暮らして働きたいというのがあるんで、どういう仕事に就くかというのは、まだまったく決めていません。

東京ロシア語学院の学生が、初級と一般の両部門で優勝することは、そうあることではない。 東京ロシア語学院の藻利佳彦学院長は、コンクール結果に対しコメントした中で、教え子たちの快挙について触れた。

「審査員の厳正な審査の結果で、私はかなり厳しい採点をしたので、自分でこういう事態になったのが信じられません。でも70周年記念の年に、こういう結果になったことを本当にうれしく思います」。

スプートニク日本のメンバー全員を代表して、優勝者の皆様のみならず、コンクール参加者の皆様にお祝い申し上げます。これからも、日本の格言「初心忘るべからず」を守って、勉強を続けてください!

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