20:38 2019年07月21日

日本と韓国の軍事協力の展望は?

© REUTERS / Kim Kyung-Hoon
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ドミトリー ヴェルホトゥロフ
日韓関係の緊張増大 (28)
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G20大阪サミットで安倍首相は大多数の首脳や国際機関トップと会談を行った。しかし、隣国である韓国の文在寅大統領との二者会談は結局、実施されなかった。

現在、軍事分野を含め、日韓関係の安定的発展にはかなり多くの阻害要因が残されたままだ。そのうちのひとつが、2018年12月20日に発生した日本の哨戒機と韓国の駆逐艦の事件である。

2018年12月20日の事件とは、端的に言うと、韓国の駆逐艦「広開土大王(DDH-971)」が日本の哨戒機に対して火器管制レーダーSTIR-180を照射したしたというものである。竹島諸島から北東に100キロメートルの日本海上で発生した。駆逐艦は数分間にわたって哨戒機に照準を合わせ続けた。このレーダーは地対空ミサイルSM-2ERの照準を操作するもので、仮説上、韓国の駆逐艦が日本の哨戒機を打ち落とすこともできたということだ。

日本の防衛省は何度も韓国側からこの事件に対する説明を得ようとした。しかし、明確な回答を得ることはできなかった。それどころか、韓国国防省は韓国の駆逐艦の上空で危険な低空飛行を行ったとして日本の哨戒機の乗組員を非難したのである。この事件は今も意見の相違が残る問題となっている。報道によると、2019年6月1日~2日のシンガポールでの日韓防衛相会談でもこの問題は議論されたが、合意には至らなかったという。それでも日本側と韓国側はこの会談で、軍事分野での関係強化が必要であることには合意した。とはいえ、今の状況でこれがどれほど可能なのだろうか?

レーダー事件は次のことを明らかにした。

一点目は、日本は韓国から重要な軍事パートナーあるいは軍事同盟国とは見なされていないということ。二点目は、韓国はこの地域で近い将来に軍事衝突が起こる可能性があるとは考えておらず、そのため日本からの軍事支援が必要になるとは考えていないこと。三点目は、北朝鮮トップとの交渉の成功を背景に、アンチ日本の気運が南北の政治的接点のひとつとなっていること。

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© 写真 : U.S. Air National Guard/Ashleigh Pavelek
こうした要素は韓国政府の非友好的行為を後押しし、日本との軍事協力の凍結に繋がる可能性がある。

このような韓国の姿勢は地域の軍事的・政治的変化につながる可能性があり、とりわけ、日米韓による三ヶ国の軍事協力を築くというアメリカの計画を揺るがす可能性がある。日韓軍事協力が事実上の解消となることで、アメリカ司令部は自国の兵力とこの地域の同盟国の兵力を統合する可能性を失うことになる。韓国指導部はおそらく、まだ日本と公然と決裂する決心はついていないらしく、アメリカとの関係が複雑化してしまうこと恐れているようだ。そのため、シンガポールで日韓会談の後に行われたアメリカを加えた三者会談では、日韓関係の問題が取り上げられることはなかった。

韓国の内政に大きな変化が起こるか、中国との関係悪化のような地域安全保障上の変化が起こらない限り、韓国が現状の立場を維持し続ける可能性は十分にある。

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