20:44 2019年07月21日
車窓から景色を眺める子供(アーカイブ写真)

ハーフにとって日本は暮らしやすいのか?

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リュドミラ サーキャン
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日本の外国人労働者は増加していく。すなわち、国際結婚が増え、日本で「ハーフ」と呼ばれる子どもたちの出生が増加することが予想される。日本の国際結婚はその3/4が日本人とほかのアジア人との間のものであるため、ハーフの多くは地元住民とほとんど見分けがつかない。一方で、日本で生まれ、流暢な日本語を話すにもかかわらず、日本人として受け入れられていないと感じるハーフも少なくない。そうした人たちはブログで、小学校のころから感じてきた不快感や困難についてお互いに不満を語り合っている。「スプートニク」はハーフの日本社会での生活がどのようなものなのかを調べてみた。

日本に暮らすハーフの数を正確に把握するのは困難だ。なぜなら、国勢調査では、どの民族に属するかではなく、どの国民としてアイデンティティを抱いているかが問われるからだ。朝日新聞によると、2016年に生まれた子どもの50人に1人が国際結婚で生まれた子どもだった。つまり、日本では毎年2万人程度のハーフが生まれているということだ。心理学者によると、ハーフが成長の過程で抱く問題は、外見よりも、アイデンティティによるところが大きいという。こうした問題やハーフの日本での生活のその他の側面について、スプートニクは国際結婚で生まれた子どもを持つロシア人に話を聞いた。ハーフ本人はさまざまな理由でコメントを断ったため、彼らのコメントを得ることはできなかったが、両親らは次のように語ってくれた。

ヴィクトリヤ・トルストワさんは京都のロシア文化センター長で、京都在住歴20年以上、日本人を父親とする成人した息子がいる:「息子は日本人の子どもたちとはかなり見た目が違うのですが、彼が生まれ、小学校にあがったとき、私たちは京都郊外に住んでいました。学校でひとりの男の子が息子をいじめるようになりましたが、教師はこれに注意を払いませんでした。私は日本の学校でのいじめについて色々と読み、いじめをした子どもにとても厳しく話をし、できる限り息子がその子と関わらないようにしました。私は半分ロシア人で半分日本人の息子を育てるシングルマザーで、息子を学業の面で助けることはできなかったので、とても大変でした。けれど、息子を守ることは私の義務でした。

京都中心部の近くに引っ越した後に息子が通った別の学校には、息子以外にもハーフの子どもがいました。息子は成績も良く、運動会にも積極的に参加して、私はホッとしました。心配の種もありませんでした。息子が温かく受け入れられたのは、大阪のYokocho劇場で外国人の息子役を演じていたこともあるかもしれません。舞台はテレビでも放映され、息子は「有名人」として新しい学校に転校したのです。ちなみに、子どもの頃は、息子の髪を黒く染めていました。同級生の中で浮かないようにするためです。これがもしかすると、息子が美容師の職を選ぶきっかけになったかもしれません。ロンドンで研修を終え、今は東京のヴィダル・サスーンのサロンに呼ばれています。息子は自分を日本人だと考えていて、ロシア語よりも日本語の方が上手です。」

ヴィクトリヤ・トルストワさんによると、今、息子はたくさんの日本人の友人を持ち、楽しく過ごしているという。息子はナオアキといい、ニキータというロシア語の名前もある。しかし、本人は単にナオと呼ばれるのが好きなのだそうだ。

「東京ロシア人クラブ」のミハイル・モズジェチコフ会長はスプートニクに、ハーフ本人の個人的な性格によるところも大きいと語った。彼は日本に27年以上住んでおり、日本人女性との結婚で3人の子どもを持っている。

ミハイル・モズジェチコフ氏の家族
© 写真 : ミハイル・モズジェチコフ氏
ミハイル・モズジェチコフ氏の家族

「知り合いから、国際結婚の子どもに対するいじめについては、何度も聞いたことがあります。なかには、いじめだと誤解しているケースもあります。子どもたちがお互いにわざと乱暴ぶるのはティーンエイジャー特有の行動であるにもかかわらず、母親は息子が貶められている、侮辱されていると感じることがあるのです。一時期、日本の子どもたちの間で「殺す」というショッキングなスラングが流行ったことがあります。しかし、この言葉は子ども達の間では「やめろ」くらいの意味しか持っていませんでした。

一方で、同級生のグループがハーフを選んで嘲笑の対象にする、本当のいじめのケースもあります。私たちの家族はこうした目には遇いませんでしたが、ハーフはどうあっても「白いカラス」であり、すべての子どもがいじめを親に告白するわけではないので、両親は状況をきちんとモニタリングする必要があります。同級生がハーフの子どもに対して偏見に満ちた態度をとるのは、決してハーフの子どもの出自が理由でないこともあります。十分に言葉ができないことや、個人的な事情も理由になり得ます。この場合、子ども自身の性格、育ってきた環境、周囲の人間や大人に依存するところも大きいのです。

日本では周囲から浮かないことが良しとされ、保育園や学校でも厳しい規律に基づいた教育を行います。それは良いことです。しかし、誰でも彼でもすべてを「均す」ことも行われており、私はそれは良くないことだと思います。目立つ個性を持った子どもは嫌がられるか、困惑の対象になるのが常です。権力側の公式見解には何の差別もないのですが・・・」

ハーフの人生は宝くじのようなものだ。出自が原因で自分の運命は損ばかりだと感じる人もいれば、逆に有名人や人気者になる人もいる。例えば、テニスプレーヤーの大坂なおみ、サッカー選手の酒井高徳や和泉新、野球選手のダルビッシュ有、そしてべッキー、滝川クリステル、ローラ、長谷川潤、道端ジェシカ、水原希子など、数多くのいわゆるハーフタレントたちである。

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