20:26 2019年10月19日

モスクワの日本夏祭り「J-FEST」2年連続10万人達成!「ロシア人の日本への思い入れは格別」【写真】

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20日と21日の両日、モスクワのゴーリキー公園芸術広場で日本文化フェスティバル「J-FEST Summer 2019」が行なわれた。今年で10年目を迎えるJ-FESTは、あらゆる日本文化を一挙に楽しめる日本夏祭りとして大人気となり、2日間で12万3000人が来場した。日本から運ばれた1000個の提灯で飾られた会場では日本ファンたちが思い思いの時間を過ごし、クライマックスの打ち上げ花火で盛り上がりは最高潮に達した。今年は初めてコスプレパレードも行なわれ、フェスティバルに彩りを添えた。J-FESTは、2018年から2019年にかけて実施された日露交流年のフィナーレを飾るとともに、モスクワにおける「日本週間」の枠内で実施された。

櫓ステージでは、恒例となった飛鳥舞央さん指導による盆踊りのほか、山形大学花笠サークル「四面楚歌」、地元モスクワの愛好家団体「舞」「奇跡の花」と三つのグループによる花笠踊りが披露された。ゆかたビューティーコンテストでは、日本から取り寄せた浴衣に身を包んだロシア女性たちが美しい所作を披露した。

真正の日本を体験!

羽根つき、竹馬、福笑い、折り紙、けん玉、こま、囲碁、将棋、麻雀といった伝統的な遊びの体験に加え、演武や相撲が披露された。現代美術館「ガレージ」内では、宮崎駿をテーマにした講演会、茶道・書道・墨絵・木版画・盆栽ワークショップなどのほか、ショディエフ国際基金によるドキュメンタリー映画「信頼への道・日本におけるロシア人」が上映された。ショディエフ基金は日本を代表する染色工芸家・久保田一竹氏亡き後、作品の散逸を防ぐため全てのコレクションをまとめて買い取り、美術館を救済したことで知られている。

この映画は、日本の歴史に功績を残したロシア人について紹介するもので、元駐日大使のアレクサンドル・パノフ氏が中心となり制作した。映画を鑑賞した若手映画監督のニキータ・マズロフさんは「日本の国民的スポーツである野球に、ロシアから来たプロ選手がいたとは驚きました。僕もロシアと日本が互いに与えた影響についてドキュメンタリーを作りたいです」と話した。

舞太鼓「あすか組」によるコンサートは、J-FESTの目玉の一つだ。日本の伝統舞踊の要素を取り入れた、優雅さと迫力が一体になったあすか組のパフォーマンスは大盛況で、会場は大入り満員。テレビ局「モスクワ24」もコンサートをオンラインで生中継した。

たこ焼きやたい焼き、ラーメンなど、日本グルメが楽しめる屋台には終始行列ができた。中には、5種類もの異なったご当地やきとりを楽しめるという、日本の屋台より豪華な出店も登場。その中には、山口県長門市から来た青村雅子さんの姿もあった。青村さんは、プーチン大統領が2016年末に日露首脳会談で長門を訪れた際、ロシアとの友好を盛り上げようとロシア風やきとりを考案した。

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J-FEST Summer 2019

第一回コスプレパレード、京アニ放火殺人の犠牲者に黙祷

ハイレベルなロシアのコスプレイヤーたちが一堂に会する姿は圧巻で、パレードには約300人が参加した。参加者はもちろん、日本アニメのファンばかり。パレード開始前には、34人もの死者が出た京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者に対し黙祷が捧げられた。司会進行は、ロシアの著名コスプレイヤー「うさぎ」ことエレーナ・ユーソワさんと、「ソニック」ことニコライ・ノヴィツキーさんだ。二人はそれぞれ、ロストフ・ナ・ドヌーとヴォロネジから、この日のためにモスクワへやって来た。うさぎとソニックは、普段は普通の社会人だが、自分達の休暇を全て費やしてロシア各地における日本文化の普及に取り組んでいる。

二人は「90年代後半に日本アニメのイベントをヴォロネジで開催して以来、ずっと日本文化イベントに携わってきました。先日もロストフで七夕祭りをしたところです。今回はコスプレイヤーたちに特別に活躍の場を設けてもらい、コスプレで盆踊りもできて、とても嬉しいです」と話している。

謎の黒い集団の正体が判明

ロシアで日本関連のイベントに出かけたことのある人なら必ず見かけたことのある、全身黒ずくめで集団行動しているコスプレイヤーたち。彼らの正体は「自宅警備隊 N.E.E.T.」のロシア支部隊員である。隊長のウラジーミル・アンダリヤノフさんが、目だけ出した格好でインタビューに答えてくれた。

「2年ほど前、日本の本部に連絡を取り、ロシア支部設立の許可をもらいました。ロシアに隊員は300人以上いて、どんどん増えています。なぜこういう活動をしているかというと、この格好をしてみたかったし、写真を一緒に撮って、とお願いされると嬉しいからです。一人だと話しかけてもらえませんが、集団でいれば必ず声をかけてもらえます。このコスチュームは暑くて大変なので、J-FESTではちゃんと隊員のための着替え・水分補給基地を設けています。」

自宅警備隊隊員の皆さん
© 写真 : Asuka Tokuyama
自宅警備隊隊員の皆さん

日本人の少ないモスクワで…格別の思いに感謝

J-FESTのプロデューサー、加瀬由希子さん(Japan Art Rainbow LLC代表)に話を聞いた。ロシア全土に日本人は約2700人しか住んでいないが、ロシア人の日本への思いは特別なものがあるという。何百、何千キロと離れた遠方の都市や、ベラルーシなど近隣諸国からも参加者が集まっている。

「昨年に来場者10万人を達成し、今年はそれを上回る数です。これだけ日本人の人口が少ないロシアでこのようなお祭りが成立するのは、ロシアの方が日本に対して格別な思い入れを持ってくれているからだとしか思えません。このお祭りに価値を見出す人たちがどんどん増え、お客さんが笑顔で生き生きと楽しそうにしているのを、目に見える形で感じ取れることが一番嬉しいです。J-FESTは、世界的レベルの夏祭りになるポテンシャルを持っていると思っています。ロシアで面白いことをやっている、あの雰囲気をまた味わいたい、と世界中から来てもらえるようなお祭りにしていきたいです。」

夢のような二日間はあっという間に終わったが、J-FESTの準備はいつも一年がかりだ。来年の日本祭りに向けて、間もなく新しい挑戦が始まる。

J-FEST Summer 2019の来場者は、2日間で12万3000人にのぼった
© 写真 : Embassy of Japan in Russia
J-FEST Summer 2019の来場者は、2日間で12万3000人にのぼった

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