16:33 2019年12月14日
英国のEU離脱に続け 韓国流GSOMIA破棄

英国のEU離脱に続け 韓国流GSOMIA破棄

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国際関係においてカオスの増大を明確に示すのが英国のEU離脱。ところが今度は極東で地域秩序の崩壊が起きつつある。それは、韓国による日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄だ。

今、より明確になりつつあるのは、韓国の文大統領が日本の占領による犠牲者への賠償という根深い問題を内政の利益のために利用しているという事実だ。この問題が緊張化したのはまさに文政権になってから。これがまずは日本との貿易戦争を呼び、とうとう日本との軍事コンタクトの危機にまで発展し、挙句の果ては米国も巻き込まれた形となった。

韓国にとってのプラスとマイナス

諜報情報の交換を止めれば韓国は、状況に応じてそれへの態度を変化させている朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)情勢についても、中国、ロシアといった地域情勢についても日本の戦略的評価を失うことにつながる。日本は、G7のメンバーというその国際関係システムにおけるステイタスをもち、外交を活発化させる路線をとっていることもあって、政治的、戦略的分析を行うための情報も人員ポテンシャルも韓国よりはるかに多く有している。

科学技術レベルの高さも功を奏し、日本は技術的手段を用いた北朝鮮情勢の研究ではるかに上回っている。まず北朝鮮のミサイル発射やその他の大規模な軍事活動についてがそうだ。宇宙空間だけをとっても日本は情報収集衛星を6基有している。今年2月も、種子島から最新型の情報収集衛星IGS Optical 6(光学6号機)の第2弾が打ち上げられた。このシリーズの人工衛星は10基の打ち上げが行われることになっている。

この他、日本は海上、海底の状況もコントロールできる航空偵察機を有しているが、これらから得られる情報はこの先、韓国は入手が閉ざされてしまう。

確かに韓国は戦術的な性格の情報であれば北朝鮮との国境付近でこれを得るチャンスはずっと多く有している。これに加えて脱北者もいる。こうした情報がなくなることは日本にとっては利益にならない。ただしミサイル発射情報については、マスコミ報道から推測する限り、日本はかなりの割合で米国防総省のからのものに頼っている。ペンタゴンの初期情報の鑑定は韓国のそれよりもクオリティーが高い。

だがこの状況は少なくとも米国の苛立ちを呼んでいる。

何が米国を憂慮させているか?

マーク・エスパー米国防長官は8月23日に韓国の鄭 景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と行った電話会談で、日本とのGSOMIAから韓国が離脱することへの憂慮の念を表した。その前日にポンペオ米国務長官も公の場で失望感をあらわにしていた。GSOMIAを拒否したのは韓国側のイニシアチブであったことを考えると、これには米国も責任の一端を担いでいることになる。

経済、軍事の両分野で中国との関係悪化が避けられないこともあって、極東において最も近しい軍事連合国の日本と韓国の仲たがいは米国の軍事・政治指導部にとってはなんとしても心配の種になってしまう。

これはアジア太平洋地域で米国の庇護のもとに行われる軍事協力の評判に傷がつくだけにとどまらず、同地域での若輩の連合国へ及ぼす影響力にも影を落としかねない。

この日曜、25日、韓国は自国が実効支配するトクト島(日本名:竹島)付近で毎年恒例の軍事訓練を開始した。この抗議は日本に向けられたものではあっても、この状況で米国防、国務両長官の説諭に対してとる態度としてはかなり軽視したものだ。

状況はグロテスクさを帯びている。なぜなら北朝鮮は日韓の軋轢を注視しているだけではない。あいまいな形で韓国に寛大な態度をとっているからだ。もしそうでなければ、この数日に戦術ミサイルの発射実験を理由はどこにあるのだろうか。ミサイル発射の情報は韓国から日本にはすでに渡されなくなるというのに。

現在の状況によって南北朝鮮の法則的な類似点が明るみになった。北朝鮮は中国の「兄」としての権利を認めたくはない。なぜなら北朝鮮の南方の兄弟「韓国」は「年上の政治的親戚」である日米に対し、反乱をおこす構えにあるからだ。

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