日本が新たなステルス戦闘機を開発する F-35と役割がダブらないか?

© 写真 : Public domain/ Robert SullivanИстребитель пятого поколения F-35 Lightning II
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日本の防衛省が長距離巡航ミサイルを装備した航空機の開発費を来年度の概算要求に計上することが明らかになった。 この航空機はF-2の後継機になるべきものだ。

航空自衛隊はずっと以前から巡航ミサイルを保有しているが、 通常、巡航ミサイルは戦略爆撃機に搭載される。アメリカのB-52爆撃機は最大20基のAGM-86B巡航ミサイルを搭載できるし、ロシアのTu-160爆撃機(Blackjack)は12基のX-55SM巡航ミサイルを搭載している。しかし、日本の防衛省が爆撃機を建造する予定だとは伝えられていない。F-2に代わる航空機は、F-2に匹敵する特性を備えているはずだ。つまり、すべての第5世代の航空機と同様に、多目的戦闘爆撃機となるはずなのだ。

ヨーロッパでは、多目的戦闘爆撃機Eurofighter TyphoonとDassault Rafale用に巡航ミサイルKEPD 350/150とStorm Shadowが開発された。しかも、Storm Shadow は2016年にシリアで「イスラム国」に対抗するためにフランス軍の航空機によって使用されている。どうやら、日本はヨーロッパのやり方に倣ったようだ。

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日本はすでに実証用の航空機と巡航ミサイルを持っている。航空機は三菱重工が設計したX-2「心神」(旧ATD-X、現在はF-3と呼ばれることが多い)であり、2016年4月に初飛行が行われている。 この航空機はステルス機であるのみならず、F-2とは異なり、推力49キロニュートンのIHIの日本製エンジンXF-5を2つ搭載しており、将来的には、推力107キロニュートンのIHIのXF-9エンジンを2つ搭載できる可能性がある。

巡航ミサイルはXASM-3であり、2017年に開発が完了している。公式には対艦ミサイルだが、地上の目標に対しても使用可能だ。2019年3月には、飛行距離を200 キロメートルから400 キロメートルに伸ばした改良モデル(XASM-3 ER)の開発が決定している。

つまり、事実上、日本の防衛省の決定が意味するところは、すでに実証済みのプロトタイプに基づいて航空機と巡航ミサイルの改良が行われ、それに資金が拠出されるということだ。すべてうまくいけば、2030年までにF-2に代わる一連の航空機を準備できるよう、2023〜2025年頃に最新の航空機と巡航ミサイルの生産が開始される可能性がある。

新しい航空機がF-35の機能をそのまま引き継ぐという意見が聞かれるが、この意見には同意できない。F-35は原則的には巡航ミサイルを搭載できるものの、搭載すると飛行性能が悪化する。重量900〜1300 キログラム、長さ約5メートルの巡航ミサイルを外部装着することは、航空機の空力に大きく影響する。超音速飛行モードに移行し、過負荷で操縦することはできなくなってしまう。巡航ミサイルを装着した戦闘機が敵の戦闘機に妨害されたり、対空ミサイルに攻撃されたりした場合、簡単に撃墜されてしまうことになる。このため、アメリカは巡航ミサイルを爆撃機の内部に装備しているのだ。

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巡航ミサイルを搭載した戦闘機が防空システムを突破して敵の航空機と戦うためには、空力とレーダーステルス性を考慮した上で、巡航ミサイル専用のサスペンションユニットを開発する必要がある。もうひとつの方法は、航空機の内部に巡航ミサイルの格納場所を確保することである。つまり、戦闘機と爆撃機の特徴を兼ね備えた特殊な航空機でなければならないのだ。おそらく、この課題を解決することが、新しい航空機建造プログラムの主な内容なのであろう。

これは自衛の原則を超えるだろうか?日本国憲法を非常に広義に解釈すれば、どの航空機も攻撃に使用できるわけだから、日本は航空機の所有を禁じられることになってしまう。実際には、潜在的な敵の空軍基地に先制ミサイル攻撃を行うことのできる技術的能力を持つことは、効果的な防御手段である。大きな損失を被るリスクがあれば、潜在的な敵も、おそらく日本への攻撃の試みを思いとどまるだろう。また、攻撃を加えてくる艦隊や、日本列島を占拠しようとする上陸部隊に対して、上空から巡航ミサイルを使用することも可能になる。

自衛ドクトリンの範囲内で自国の航空機を持つ方が良い。他国の航空機、エンジン、ミサイル、スペアパーツへの依存はマイナス要因だ。物資供給が何らかの理由で停止した場合、日本は事実上、航空機がない状態に陥り、自国を守ることができなくなる可能性があるからだ。

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