03:23 2019年10月20日
安倍首相とプーチン大統領(東方経済フォーラム)

「日本には大損失」 不十分な日露の経済関係 日露経済交流顧問の朝妻氏

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第5回を迎える東方経済フォーラム2019 (23)
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9月4日、東方経済フォーラムの枠内で国際ディスカッションクラブ「ヴァルダイ」発刊の本『大海原に向かって ロシアの東方転換の軌跡』のプレゼンテーションが行われた。この「ヴァルダイ」クラブには、日ロ交流協会の副会長で、日露経済交流コンサルタントを務める朝妻 幸雄氏も加わっている。ロシア「国際友好勲章」の授章者で、両国関係の専門家である朝妻氏だが、プレゼンでは時間の都合で露日経済協力の展望についての報告の機会が与えられなかった。このため、帰国された朝妻氏はスプートニク東京特派員からの取材に応じ、プレゼン用に準備されていたロシアの東方シフトの実現現状について、また隣国の中で最も巨大な国、ロシアとの経済関係で日本が他のアジア諸国に遅れを取っていることがいかに大きな損失であるかについて、お話くださった。

ロシアにとっての「東方シフト」 東南アジアの重要度

「ロシアにとって今後アジアとの経済交流は一層、重要度を増します。今までは、ロシアの貿易額の50%以上が欧州で、それとの経済関係は重要でした。ところがNATOの必要以上の東進で欧州との政治的環境は悪化。これが経済推進を邪魔しています。今後、ロシアが自国の発展のために相対的に経済関係が不十分だったアジアとの関係強化を図るのは当然で、特に距離的に最も近い東南アジア諸国との関係が重要となります。私としては、ロシアには積極的にアジアとの関係を強化してもらいたいと思っています。」

ウイン・ウインなアジアとロシアの経済協力

「アジア諸国にしても、ロシアとの経済関係強化は間違いなく大きな発展をもたらします。中国との関係はすでに十分に築かれており、今後の発展も間違いないでしょう。ロシアと韓国の取引も順調に伸びており、2017年の露韓間の貿易額はついに露日のそれを上回りました。」

潜在力の高いはずの日露の経済協力 実現化はわずか30%

「問題はロシアと日本の経済関係。現状はたいへん不十分であると言わざるをえません。 

限りなく大きな潜在性があるにも関わらず、実現されているのは100%のポテンシャルのうち30%足らず。日本の経済界が本気でロシアと取り組めば、残りの 70%は実現され、両国の経済関係が飛躍的に伸びることは間違いありません。2018年の両国の貿易額は僅か200億ドルですが、これを600-700億ドルまで増やすことは容易に可能です。

日本にとって未開拓な市場はロシアのみ。今後の最大の経済パートナーはロシアしかありません。ロシアにとっても日本との経済関係の歯車が噛み合えば、両国の協力は一挙に改善され、経済は間違いなく飛躍的に成長します。」

「日本は木を見て森を見ていない?」 領土問題は形を問わず、早期解決を

「日露の経済関係が実現できない。その理由が政治関係、つまり領土問題にあることは繰り返すまでもありません。面積で言えば日本の領土のわずか1.3%、ロシアの領土の0.03%に過ぎない、4つの小島が喉に刺さったトゲとしていつまでも進展の邪魔をしているのです。未解決のままでは両国ともに何も得にはならず、どのような結論でもいいから早く合意に達することです。両国の経済関係は政治関係を改善すれば一挙に推進されます。政治と経済は車の両輪で、経済の歯車だけが回ることはあり得ません。

クリル諸島にこだわるあまり、シベリアの資源開発や大きなロシア市場での潜在性豊かな経済関係を築けないのは、日本には大損失です。日本は木を見て森を見ていない?早く領土問題を解決し、本格的な経済協力に移行すべきです。それに必要なのは政治的決着。これはロシアにプーチン大統領が居て、日本に安倍首相がいるうちに解決すべきです。領土問題が解決すれば平和条約を締結できる。平和条約が締結されれば査証協定も改善されます。面倒な査証手続きを経ずに両国のビジネスマンが自由に往来できれば、両国関係は爆発的に伸びるでしょう。日本はロシアとの経済協力で、間違いなく、領土よりはるかに大きなプラスが得られるのです。

私は今76歳です。80歳になるまでに解決して、両国の経済関係の潜在性を一挙に実現して欲しい。それが私の切なる願いです。」


記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。

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東方経済フォーラム, 経済協力, 露日経済協力, 露日関係
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