16:56 2019年12月14日
チェーホフの戯曲『三人姉妹』

「ロシアの狂気」、日本上陸

© 写真 : «Red Torch» Theatre
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10月14日から22日にかけてノボシビルスク国立アカデミー劇場「レッドトーチ」がチェーホフの戯曲『三人姉妹』を東京で上演する。この作品の魅力はなにか、そしてなぜ足を運ぶ必要があるのか。「スプートニク日本」が迫る。

ノボシビルスクのレッドトーチ・シアターが東京芸術劇場で上演するのはチェーホフの有名な『三人姉妹』。劇場の主席演出家チモフェイ・クリャービンが手掛けた作品は無声で、あたかも聾者向けのジェスチャー芝居のようだ。演出家の狙いはチェーホフのイメージを言葉の殻から「取り除き」、そのイメージが持つ核心をより発展した手段で解き放つ点にある。作品は2016年に初演を迎えた。それから3か月後にはウィーンの演劇祭で上演され、さらにスイス、ドイツ、フランス、ギリシャ、ルーマニア、その他の国々で演じられた。国外の評論は作品を高く評価し、「ロシアの狂気」と呼んだ。

チェーホフの戯曲『三人姉妹』
チェーホフの戯曲『三人姉妹』

「スプートニク日本」のインタビューに対し、チモフェイ・クリャービンは作品の秘密について次のように語った。

「日本のプロデューサーがウィーン、またはパリのフェスティバルで私たちの作品をご覧になったようで、東京で上演してみないかとオファーをいただきました。実際、作品は個性的です。どこで上演されても字幕が付きます。ロシアで上演されても字幕付きです。もちろん、役者はみな会話に支障ありません。この手法を通して、私は観客の意識を登場人物たちが互いに対して抱く荒々しい感情に集中させようとしました。観客の目前には字幕のバナーが用意されています。字幕はステージや天井の随所に映されますが、それは観客ではなく、演者用です。そのため、観客は作品の登場人物を前にしながら本を読んでいるような錯覚にとらわれます。ここに実験の狙いがあります。『三人姉妹』はあまりに有名な作品です。様々な国であの手この手で演出されてきました。そこで私は新しい息を作品に吹き込み、役者には声ではない、新たな表現手段でもって観客に働きかけてもらおうとしました。訪日は初めてですが、日本人はチェーホフ作品に詳しいことは承知しています。なので、私たちのチェーホフ理解がどういう風に受け止められるか、そういう緊張はあります。チェーホフのメッセージ、そして私たちがいかにチェーホフを理解しているかを観客の皆さんに届けられるよう、努力したいと思います。」

チェーホフの戯曲『三人姉妹』
チェーホフの戯曲『三人姉妹』

チモフェイ・クリャービンはその若さ(34歳)にもかかわらず、ロシアや欧州の劇場で非常に名が通っている。2009年にクリャービンはノボシビルスク・オペラ・バレエ劇場で『イーゴリ公』を、そして2015年には同劇場で『タンホイザー』を演出した。さらに2017年にはドイツのヴッパータール・オペラ・ハウスで『リゴレット』を演出したことでも知られる。

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文化, ロシア
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