18:30 2020年03月29日
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日本人にとって日本人らしさの体現とも言える主人公たちの映画20作品以上がモスクワのトレチヤコフ美術館の映画館で上映されている。最も多作な日本人監督のひとりである山田洋次監督の回顧上映は10月28日に始まり、12月28日、最近88歳を迎えた監督の新作ロードショーで幕を閉じる。回顧上映は在ロシア日本大使館と国際交流基金の主催で開催されている。

山田洋次監督の作品はこれまでにもロシアで上映されてきたが、知名度は黒澤明や小津安二郎にまったく及ばない。ソ連時代には、映画館はもとよりテレビでも年に5~6作品は山田洋次監督の映画が上映されていた。その中には、日本の数ある映画賞を受賞した『幸福の黄色いハンカチ』も含まれている。最近の作品でロシアの愛好家に広く知られているのは『たそがれ清兵衛』だけである。

トレチヤコフ美術館の映画プログラム担当マクシム・パヴロフ氏はスプートニクのインタビューで、日本のクラシック映画の回顧上映はこれまでにも実施してきたと語る。

「それはいわゆる『松竹ヌーヴェルヴァーグ』の作品でした。つまり1950年代~60年代にかけて松竹で活動をスタートさせた監督、大島渚、篠田正浩、吉田喜重の映画です。その後、小津安二郎の回顧上映を開催し、今回は今も現役で松竹で仕事を続けている山田洋次を取り上げました。今回は『男はつらいよ』シリーズ7作品を含む21作品の上映です。モスクワの回顧上映のフィナーレを飾るのが、監督の最新作である『男はつらいよ お帰り 寅さん』のロードショーです。これは前例のないことです。というのも、日本のロードショーが12月27日で、国外で最初のロードショーが12月28日で、他でもないロシアなのです。」

『男はつらいよ』シリーズはロシアの観客にとって素晴らしい発見となった。この映画は一人の俳優が演じた最も長い映画シリーズとしてギネスブックに掲載されている。主役は渥美清だ。作品数は1969年以降、合計49本。長期ヒットシリーズにより「渥美清=寅さん」というイメージができあがり、1996年に渥美清が亡くなったときには、多くの日本人がこれを寅さんの死だと捉えた。

寅さんシリーズは1作品がモスクワ映画祭で上映され、2作品が2000年代初めにモスクワの映画博物館で行われた一回目の山田洋次作品の回顧上映で上映された。

マクシム・パヴロフ氏は言う。「この監督は、インターネットで広く見ることのできる『たそがれ清兵衛』と『ダウンタウン・ヒーローズ』の2作品を除けば、ロシアの若者たちにはあまり知られていません。しかし、今回初めて大きなスクリーンで寅さんを見た観客は、寅さんを好きにならずにはいられませんでした。上映後、私のところに観客が、寅さんシリーズの全作品を上映することはできないだろうかと聞きに来たほどです。渥美清は本当に素晴らしい俳優です。彼は自分の風来坊の役柄にぴったりはまっています。ときに喜劇的で、ときに抒情的です。多くのロシア人観客が彼のファンになったのも納得です。」

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